人は、育てられたようにしか猫を育てられない。

2022年は、ワタシにしては珍しく大河ドラマを完走した年でした。

前回「1年間観ていたなー」と記憶にあるのは1988年の「武田信玄」ですから、30年以上前のこと…。この頃は小学生でヒマだったんでしょうね。
それ以来まったく観ないか、観ても最初の数回で脱落するか、というカンジの大河ドラマ。
「鎌倉殿の13人」も「またえらく地味な主人公だな。源平合戦までは観るか…」というテンションで見始めたのですが、「…義経が死ぬまでは観るか」「頼朝が死ぬまでは観るか」とズルズル延び、次第に「合議制十三人キター! はい、瓦解したー!」「やだ、この人達がどうして殺し合いに突入するの!?」とドキドキしながら観るようになり、最後の方は録画ではなくリアルタイムで視聴するというくらいにハマっていました。

今年は「家康か…。手垢がべったりで面白くないな」と、これまた低いテンションでスタートしています。
大河ドラマ「どうする家康」

しかし個人的には2024年の紫式部が楽しみなので(ストーリーというより衣装が)、鎌倉殿で習慣化した大河視聴を光る君まで維持するためにどうするを録画している、という状態になっています。

 

さて、地元の三河・尾張辺りが舞台になっているドラマを観ていると、モヤモヤすることがあります。

それは言葉のイントネーション。

ゴリゴリの三河弁や尾張弁を喋る役柄の人を観ると「うーん、上手いんだけど、ちょっと違うんだよなあ」ということが気になって話に集中できません。
「たわけ」は「たわけ」と発音しないんだよなあ。「てゃあけぇ」ってカンジなんだよねえ。

いっそバリバリの標準語で話してくれた方が気にならなくていいのだけど、それはそれで地名や苗字などの固有名詞のアクセントがビミョーに違っていたりして、いちいち引っかかります。
「あんじょう…、ああ、安城のことか」「そのときの『岡崎』のアクセントは、そうじゃないんだよなあ」「松平が…頻繁に出てくる『松平』がしっくり来ない…」と、悶々としちゃう。
方言と標準語が中途半端に入り乱れるドラマでもこうなのですから、全編方言で押し通す朝ドラなんかだと地元の人は「…」となるんだろうなあ。

と、久しぶりに地元の言葉を意識してみると、よくよく思い返すとブリ男に話しかけるときは割と方言丸出しであることに思い至りました。

普段は「あらー、ブリさん、今日のゴハンも美味しかったの。よかったねえ」「よしよし、お母さんはもうすぐお仕事終わりますからねー」と普通に話しかけています。
が、笑ったり叱ったりちょっとテンション高めのときは「まー、ブリさん、そんなんしたらお母さんビックリするでかんがね〜(ああ、ブリさん、そんなことしたらお母さんはビックリするからいけませんよ)」みたいな喋り方になる。

思い起こしてみると、ワタシが子どものときに親や祖父母、親戚の大人達に言われた言葉のままで、ブリ男にも話しかけているんですよね。

ワタシは三河と尾張の境目周辺で暮らした期間が長くて、三河弁ネイティブだけど尾張弁界隈に住む親類縁者も多いから中途半端に三河弁も尾張弁も扱う人になっています。
加えて職場はいろんな地方から人が集まってくるパターンが多かったので、ゴリゴリの三河弁はあまり使わないという自己認識でした。
しかし、咄嗟のときにバリバリの三河弁が自分の口から出てくるのを自覚し、三つ子の魂百まで…と震えています。

ブリ男が長生きして喋るようになったら「おかーしゃん、これ美味しいから食べりん」「一緒に寝よまい」とか三河弁を話すことになるのか…。
血筋は英国紳士なのにこてこての三河弁…。シュールだ…。

「どうする」を観ながら「NHKのアクセント辞典の『松平』はこういう風で、ワタシの認識が誤っていたのだろうか」と三河人としてのアイデンティティが揺らぎかけていたのですが、こうやって先祖代々知らぬ間に受け継いできたアクセントこそ、標準語としてはともかく方言としては正しいのだ! と思うようになりました。

 

ところで。

よその地方の人に「せっかく大河の舞台の年なのに、愛知県は全然盛り上がらないよね…」と言われました。
三英傑はあらゆるドラマ・映画・小説・漫画のネタになっているから、今更感があるんですよね。
一応あちこちで大河に乗っかった風なイベントもあるけれど、三河者はそういうアピールは下手だし。

ま、「どうする」の出来は置いといて、桜の時期の岡崎城は最高だから皆おいでん。

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

4 thoughts on “人は、育てられたようにしか猫を育てられない。”

  1. おはようございます(*^^*)

    三河と尾張…笑…全くどの辺か?見当もつきません。
    何時もは高速で通り過ぎるので、街中をウロウロしたのは初めてかも。コンパクトな街ですね。道は広くて大阪の様にゴチャゴチャしてませんから、綺麗だと思いました。

    さて大河は毎年見てます。歴史好きには見応え?あるのでね。
    鎌倉殿も、地味な主人公をテーマに…でもそれが出来るのが大河だと思います。
    今回はベタな家康ですね、まさに名古屋!
    家康をコメディ?と言う感じで見てます。
    先日、レジェンド&バタフライを見ました。あれは、キムタクのラブドラマでしたが。

    私もね、大阪弁の違和感はテレビで見てて思います。吉本は、誇張し過ぎですが笑
    イントネーションが違うんですよね。
    私は大阪北部出身、父方は船場生まれの商人言葉。母方は、和歌山出身。
    で、今は大阪南部。バリバリの河内弁。
    大阪でも北と南では言葉全然違うんですよ。
    三つ子の魂百まで…(゚ー゚)(。_。)ウンウン
    母は、親戚と話してると和歌山弁出るし
    私は、バイリンガル 笑笑 大阪弁の使い分け出来るし、京都弁も理解出来る。
    名古屋弁も、色々分かれるんでしょうね。

    1. まだむサマ
      大阪弁、やっぱり違和感ありますか!
      ワタシは河内も京都も和歌山も同じように聞こえるからドラマ観ても「こんなもんかなー」ですけど、地元の人は気になりますよね。
      そして名古屋が舞台でもがっつり標準語になりがちなのに、大阪はがっつり方言だから、作る方も聞く方も大変そうだなーと思っていました。
      鎌倉殿も北関東訛りとか東北弁とか突っ込んでくれたら、見所が増えたのに笑

      名古屋おいでませ!
      そうなんですよ、名古屋はコンパクトでして。
      東京や大阪みたいに街の特色が分かれていて楽しいというより、山手や下町がダラダラと続いているというカンジです。
      普段生活する分には「あそこに買いに行くしかない」と選択肢がないのでラクですが、楽しくはないですね。
      道が広いのは自動車王国っぽいですね。徒歩の人間は横断が大変です笑

  2. 今年の大河ドラマ、私も「たーけー」に・・・となります。
    そして、もうイントネーションが気になってストーリーが入ってこないです。
    我が家はゴリゴリの尾張人間ですが、父が幼少のころ数年三河で過ごしたらしく、旧友との電話で「~だらー」って言っているのに驚きました。
    りんむさんは「ホセ」の意味わかりますよね。
    この前、仕事でお客様が「わしもたぁいがいのことやっとってかんなぁー」と笑顔で仰って、あ~名古屋だわぁーって妙な仲間意識が芽生えましたよ。

    1. yumiサマ
      「だらー」は小さいときは使ってましたよ〜。
      「そうでしょう」のところを「だらぁ」と言ってました。
      尾張弁キツめになると「ほだがー」と変化。
      一応今は三河人以外に配慮して「でしょう!」と言うけど「だらあ!」の方が強いカンジで好きです笑

      「ほせ」は分かるけど使わなかったですね。
      昔バイト先のお客さんが「やっとかめ」を使う系の昔ながらの名古屋弁なお爺さんで、リアルに「なも」とはなかなか聞かないから感動しました。

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