パーソナルスタイリストの落とし穴

友人がパーソナルスタイリストをつけました。

Fashion

スタイリストなんて芸能人やモデルにつくものだと思っていたら、個人向けのスタイリングサービスも結構あるんですね。
友人は仕事上人前に出ることも多く、機会があったので一度頼んでみたということでした。

その話を聞いて、ちょっと羨ましくなったワタシ。

すっかりオバサンになり、若さでいろいろ押し切れないお年頃。パリやミラノのマダムのような小奇麗なオバサンになりたいという野望はあるものの、何をどうしていいのか暗中模索の状態です。
参考:アラフォーの髪型、何をどうしても決まらなくて困る

プロの目でいろいろ指摘してもらえたら小奇麗ババアプロジェクトも捗るだろうな。
友人が華麗に変身したらワタシも頼んでみたいな。
なんて思っていました。

 

ところがですね。

パーソナルスタイリストと何度か面談した後の友人に会って話を聞いたところ、えらく渋い顔をしていました。

友人の希望は、月に数回着用するスーツを見立ててほしいというもの。

それに対してスタイリストのアドバイスは、たまにしか着ないスーツを揃えで持つより、ビシッと決まって着回しの利くジャケットとこれまたアレンジの利くブラウスを持った方がいい。
たまにしか着ない服は結局箪笥の肥やしになっちゃうからね。というものでした。

ま、それは納得です。バシッとスーツが要る場面ってそんなにないもんね。ちょっとかっちりしたお食事会程度ならジャケットとワンピースがあれば済むし。
とはいえ忙しい朝にコーディネートを考えなくていいスーツというのも有用だよねえ。
と、ここまでは「ふんふん」と友人の話を聞いていました。

そして、ジャケットはセミオーダーをオススメされたそうな。
自分の肌色に合った生地を選び、肩幅や腕の長さにフィットしたサイズにしてもらえる。
これはいいですね。
ワタシもセミオーダーでスーツを作ってみたいと思い続けて早や20年、吊るしのジャケットでも合わないモノがないわけではないので作らずじまいでした。そろそろチャレンジしたいと思いつつ、最近はスーツが要るような仕事をしていないので後回しになっています。

しかし「ん?」と思ったのが、ジャケットインにするブラウスについて。
そのスタイリストが監修したオリジナルブラウスを強硬に薦められたそうです。

はあ、まあ、ホントに使い勝手のいいブラウスで似合うならオススメを買ってもいいんじゃないの。
でもスタイリングしてほしいだけなのに、ごりごり売りつけるってどうよ。詐欺商法みたいじゃん。

と友人に言ったら「でしょー。しかもそのブラウスがさあ…」と画像を見せてくれました。

これがね!
超ダサいの!

なんというか、昭和の歌手のステージ衣装と見紛うばかりの独特のデザイン、安っぽいテカテカ感やオバサンには厳しいスケスケ感。
百歩譲って黒とか白ならシックに決まるかもしれませんが、70年代ちっくな臙脂色とかもっさりした桃色とかのラインナップ。

えー、ありえんわ!
友人がこれ着ていてたら「…………何かツラいことでもあったの?」と訊くレベルのダサさだよ!

さらにビックリなことに、このダサダサブラウスが数万円するんですって。

えー、ありえんわ!
セオリーでジャケットが買えちゃうじゃん! その金額をこのダサブラウスに払うってどんな苦行だよ!

一万歩譲って数千円なら押し売りされても買うかもしれませんが……着る日は来ないだろうなあ。
こんな使えないブラウスを推すとは、「箪笥の肥やしはダメダメ!」とどの口が言うか。

もちろん友人も同じ感想で「こんなダサいブラウスに数万円も払えるかボケ」というのを超マイルドにスタイリストに伝え、結局デパートで吊るしのシャツを一緒に選んだそうです。もちろん予算内で。
しかしスタイリストとの雰囲気は当然よろしくなく、あまり楽しい買い物ではなかった様子。
高いお金を払ってそれか……。

 

プロのスタイリストにコーディネートを依頼すると、今まで自分が選んできた服とは違うモノを選んでもらえて、新しい自分を発見。
なんて風に想像していました。

が、プロとはいえスタイリストも人間。好き嫌いはあるわけで、自分の好みと合致するスタイリストと組まないと大惨事になるんだな…というのを理解しました。
本人の性格や方向性と合っていて、なおかつ垢抜けたスタイリングをするってのは結構難しいものなんですね。

かといって自分の好みバリバリのスタイリストと組んだらこれまでの自分の殻を破ることが出来ず、消化不良になりそうです。

好みを取るか。
新しい自分を取るか。

いやしかし、新しい自分のためにダサいブラウスに数万円払えるかというと…。
それなら現状維持でいいっすわー。なんて思っちゃいますね。

 

思い返すと、プロとはいえ「えっ、なんでそんな仕上がりに」となることって多いです。

特に、パーティーのときにプロに髪やメイクをお願いすると「なぜこうする」と不満が残る。
ワタシはいかにもモンゴロイドな薄い顔なのでパーリーのときくらい派手にしたいのですが、なんか知らんけど素材を活かした薄い仕上がりにするメイクさんが多いんですよね。派手顔の友人に「じんづは化粧のし甲斐がありそうで羨ましい」と言われるくらい元が薄いんだからいかようにでもできるハズなのに、なぜかしない。

眉はもうちょい濃くしないと顔全体がぼんやりするじゃないか、とか。
夜のパーティーなんだからアイラインはもう0.5ミリ太くしないと映えないじゃないか、とか。
なんでのっぺり単調にリップを塗るんだよ、立体感を出せよ、とか。
チークの位置がおかしいよ! ワタシの頬骨がどこにあると思ってんだよ! とか。

すンごい派手なドレスを着ているのに近所のコンビニに行くのと大差ない仕上がりにして、頭おかしいんじゃないかと思うレベルも珍しくありません。
んで、結局イライラしながら自分で手直しして濃い顔に作り変えていたんですね。

美容師に髪型を整えてもらうときも同様です。
服は地味だけど髪はゴージャス、みたいなスタイルが好きなのに、顔や服の地味っぷりから飾りっ気のないボブにされることが多いです。地味ボブが映えるのは美人だけだと思うのだが。

昔大当たりの美容師さんについてもらったときは、あまり丁寧に説明しなくてもワタシのゴージャスにしたい願望を察してもらえて程好い巻き具合のパーマをかけてもらったんだけどなあ。
えー、パーマって気分じゃないんですよー。とか言っていたのに仕上がりを見たら「いいじゃん、ちょっと美人度上がったじゃん!」てカンジだったし、周りからも褒められました。

今にして思うと、これこそプロのスタイリストの仕事ですね。この場合は髪限定だけど。

 

というわけで、パーソナルスタイリストに依頼するという野望はしゅるしゅると萎んでいます。
センスのいい人にお願いできる機会があればぜひやってみたいけど、慌てて無理矢理探すこともないかな、なんて。

肌色や骨格に合う服選びってのは、辛辣な家族・友人を持っていると一緒に買い物に行けばアドバイスしてもらえるので苦労していないんですよね。
と、高級時計すら人任せで選んだワタシは思います。ありがたいことだ。
参考:【カルティエ】一生ものの腕時計とやらを買ってみた【タンク・パンテール】

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

6 thoughts on “パーソナルスタイリストの落とし穴”

  1. ヾ(@⌒ー⌒@)ノおはよう

    ヘェ〜!コーディネーターって個人、素人さんでも付ける事出来るんですね!
    是非!お願いしたいですが、オチがあるんですね?(≧m≦)
    でも憧れます!自分でコーデするとワンパターン、無難な物を選んでね…
    ヘアーメイクも同じ!誰か〜何とかして〜っていつも思ってます!
    partyなんてformalな場所は、結婚式くらいしか無いのですが、それ以外招待受けたらパニックになりそうです

    百貨店の化粧品売り場でメイクして貰ったら、其処まで盛らんでも…と売り場と外では、照明も違うし…考えろよー( ; ; )
    一度でいいから、スタイリストさんにしっかりとしたアドバイス欲しいわぁ

    1. まだむサマ
      自分で選ぶとワンパターン、わかります!
      それがイヤで、友人が華麗に変身したらワタシもお願いしようかと思ったのですが…うーんという結果でして笑

      ワタシ、デパートの化粧品売り場でメイクしてもらっても薄~い仕上がりにされるんですよね…。
      一応希望として「すっごく濃い顔にしてみたいんですよね~」と言ってみたことはあるのですが、「お姉さんは無理ですよ」とバッサリ言われてしまい…。
      プロなんだからちょっとは頑張ってよ…と思ってしまいました。

  2. こんにちは!
    なんと、興味深い!私もやってもらいたいと思っていたのです。
    が、そんなスタイリストさんに当たっちゃったらとんでもないですね。。。

    たまにテレビで変身特集とかやるのあるじゃないですか?奥様華麗に変身!みたいな。
    思えば、あれでもとんでもなく似合わない服とか着させられてる人たまにいたなと今思い出しました…(*_*)

    その、ダサいブラウスが一体どんな物なのか凄く気になります。「何か辛いことでもあったの…?」ってなるブラウスってよっぽどですね(笑)。

    1. おかゆサマ
      ダサいブラウスはここで紹介すると確実に営業妨害になるので、ご想像にお任せします笑

      テレビの変身特集で似合わないパターンもありますねー!
      あと、もともとお綺麗なのに髪もメイクも放ったらかしの人なんかは、そりゃどう転んでも大変身だろうよ…とズルさを感じてしまいます。

      件の友人は美人でオシャレな子なのでそこから変身させるというのはすごくハードルが高いだろうなあと思っていたのですが、まさかそんなオチになるとは思わず…。
      難しいものですね…。

  3. りんむじんづさん、こんにちは!

    パーソナルスタイリストってちょっと興味はありますけど「人に選んでもらう」って、なんというか、お金が絡まない方がうまくいくのかもしれないと思いました。私はたいていの場合ひとりで買い物するので、結局同じような服を買うということを繰り返しがちですが^^;、ごくまれに人と一緒に買い物をすると、へえこういうのが合うと思われているのか~という発見があって楽しいです。それも、金銭の授受が発生しない、忌憚のない意見を言い合える関係だからかなあと。

    私にはきちんと着飾るパーティなんて結婚式くらいしか経験がありませんが、ヘアメイクはいつも自分でやっています。腕前に自信があるわけではなくて、あまりお金がかけられない…というのが根底にあるからですが^^; 一番は周囲の、プロに任せたであろうスタイリングを見て、素敵だと思ったことがほとんどないからです…。特に髪型は…えええどうしてそうなった?って思うことが多い。。信頼できてセンスのあるプロを見つけるのって難しいのかもしれませんね。

    1. ICORサマ
      確かに、一番いいのは歯に衣着せぬ友人や家族のアドバイスですよね!
      ワタシも基本的にひとりで買い物するのでいつも似たようなモノを買ってしまいがちですが、たまには友人や母・姉と買い物に行って「青はないわー」「前も似たようなの買ってたじゃん」とズバズバ言ってもらっています。
      逆に「それいいって! 買っときなよ!」と煽られて、さほど気が進まなくてもつい買ってしまうというトラップもありますが、それもパンテールのような成功例もあるので悪くもないですね。

      お金が絡むと「プロとしてちゃんとアドバイスしなさい」と言えるのはいいんですが、それを上回る勢いで相手が商売しようとすると面倒くさいですねー…。
      モノを売りつけるのは、サービスに満足してもらって信頼関係を築いてから徐々に…でいいのになあ。
      そのスタイリストも、友人からワタシを紹介するというルートが断たれたわけですし、結果的には商売っ気を出して失敗していますよね。

      髪型は、披露宴とか見るとみーんな流行りのスタイルにされちゃうのも困りますよね。
      若い人なら同じ髪型でも初々しいなあと思えんこともないですが、アラフォーのおばちゃんが若い子と同じ髪型にされてもなあ笑
      ヘアスタイルは写真を見せて具体的に指定できますが、メイクはそうもいかず、満足できたことがありません。顔がマズ過ぎるのかも…。

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