【マンション買い替え】築40年超、昭和時代の贅沢なマンション・団地っていいね!

今年の繁忙期を無事(かどうか知らんけど)乗り切って、意外とそこまで「ああ、無理してでもワークスペースを作っておけばよかった!」とは思わなかったのですが。
参考:リフォームもDIYもしないまま、早や入居7年です。

「書斎のある部屋っていいよね〜」などと言いながら物件漁りを続けています。
ええ、趣味ですから。

新築・中古にこだわらず検索していますが、一応耐震基準は気にしていて、1981年より前の物件は弾いていました。

が、先日ふと気まぐれで築年数の条件を外してみると、「いいね!」と思う部屋も見つかりました。

ひとつは、ワタシの年齢より少し上、築50年を超える団地です。

駅からすぐ近くの便利な場所にありながら、低層階の建物で落ち着きがあります。
何より敷地がめちゃくちゃ広い!
団地内の建物と建物を繋ぐ遊歩道はゆったりと取られていて、植栽もふんだん。写真を見ると、窓からは緑が見えて雰囲気がよさそうです。
喧騒の駅前から数分歩いただけでこの空間とは、なんと贅沢な!
今ならその広い敷地を活かしてドカーンとタワーマンションを建てて、100世帯以上を押し込む空間になっただろうなあ。いやはや、1970年代は贅沢な時代でした。

そして安い!
古いから安いのは当然なんだけど、新築マンションも含めてあれこれ見ていると築50年クラスの部屋はべらぼうに安いです。
フルリノベーションしてあるのに、そしてワタシの部屋より断然広いのに、その価格でいいの!? という値段でした。

が、安いモノには訳があります。低層団地ということでエレベータはありません。
2階とはいえ階段か…。
いや、今だって誰かがエレベータを使っているときは荷物が少なければ階段で4階まで登っているわけだし、2階くらい登ればいいじゃん。
いやいや、昭和の階段の急峻さを舐めたらいかんよ。狭くて急な階段は歳取ったらしんどいよ…。

ほかにも、オートロックだの宅配ボックスだの便利設備もないとか、そももそ50年の建物の安全性とか、住むにはどうかなあと思える要素もてんこ盛りですが、家で仕事をする時間が長くなってみると公園の中に住むような環境は魅力的で、内覧できないか問い合わせてみました。
あいにく、その次の週末は予定があったので少し先で…と希望を伝えたら、営業マンからは「問合せが殺到しているから2週間先だと売れてしまっている可能性が高いですね…」との回答がありました。

新築マンションなら「3階は売れちゃったけど4階は残ってますよ!」てな風にチャンスがあるけれど、中古マンションは一点モノだからなあ。

築50年つっても、10年くらい住んで売るつもりなら、管理状況が良ければ気にしない人もいるでしょう。
その界隈で築浅の賃貸マンションを10年間借りた場合の家賃程度で買えるなら、駅近・好環境・広々お部屋の方がいい。という判断も理解できる気がします。

というわけで、その団地は見ることもなくご縁が切れたのでした。

 

もうひとつ、気になったマンションがありました。

そちらはワタシと似たようなお年頃で、築50年に迫ろうというマンションです。
タクシーの運転手さんに「あのマンションの近くまで」と言えば通じるというランドマーク的建物で、1970年代の高級マンションといったところ。

そのマンションも駅近で、件の団地より地価の高いエリアにあるものですから安くはなかったです。
というか「えっ、築50年でそんなにするの!?」と引くくらい高い。
おまけに100平米近くと広いものですから、余計に高い。
更にフルリノベーションしてあるから、ますます高い。
とはいえ、近年のそのエリアのマンションは100平米近くあれば億ションになるところが、ワタシが「無理したら買えんことはないけど…」と思う程度の価格ではあるので、古いだけのことはあります。

ワタシとしては書斎が欲しいだけなので100平米も要らんのですが、何しろ昔の高級マンションですから写真を見るだけでも「これは一味違うな…!」となるのですよ。
なので我慢し切れず内覧を申し込んでしまいました。

そちらはすぐに見に行けたので「売れちゃってないです〜」とはならず、無事に内覧できました。
そして元々の建物のポテンシャルと、こだわりのリノベーションにうっとりするという、かなりときめく内覧となったのです。

まず、三方に窓があって、家は風通しが命なワタシはこれだけでハートを撃ち抜かれます。
しかも敷地がゆったりしていて周囲の建物や道路との間隔にゆとりがあるものですから、街路樹の並ぶ街並みを眺めるというカンジ。
窓はあれど目の前が隣のビルの壁、なーんてことがありがちなぎゅうぎゅう詰めの安物マンション群とは一線を隠していました。
中でも一際キュンときたのが、キッチンの窓です。小窓とかではなくしっかりした大きな窓があって、明るく気持ちのいいキッチンになっていました。
そこから街路樹の緑が見える…とかなら完璧ですが残念ながらそれは叶わず、向かいのマンションが並んでいる様子しか見られないのですが、道路を挟んでいるので圧迫感はありません。

もうひとつ、ズキューンときたのは、室内ドアです。
昔からの重厚な扉を磨いて塗り直して残してあり、そのデザインが今どき見られないクラシカルな雰囲気で、とんでもなく素敵でした。
それに合わせて床も壁もモールディングも凝っていて、インテリアはすごくいい。
ヨーロッパの古い建物にある、リノベーションしながら住み継いだ部屋の雰囲気に近くて、これは築浅のマンションには出せない空気感だわ…と、惚れてしまいそうになりました。

内装はリノベーションでどうとでもなる。
といっても、古き良きデザイン・質感のドアは再現が難しいし、ましてやキッチンに開けた気持ちいい窓なんてものはどうにもならないわけで。
こういうマンションを作れた1970年代は活気があって楽しかったんだろうな…と、自分が生まれた時代に想いを馳せた内覧となりました。

 

んで、そのマンションを買ったかというと、またしても見送りです。

確かにインテリアはかなり好みで素敵だったし、今回はちゃんと猫を飼える部屋ではありました。
参考:【マンション買い替え】築30年超、昭和時代の中古マンションの魅力

が、古い建物だけあって、妙な出っ張りや段差があるんですよね。
今回の部屋は「なんでこんな躓きそうな段差が」というのがなかっただけマシだけど、それでも配管スペースや柱が気になる場所にあって、図面を見ると「苦慮の結果、こういう間取りになったんだなあ」というのがよく分かります。
その結果、変なデッドスペースや動線の悪さはないんだけど、服が入るか心配になる奥行の狭いクローゼットとか日当たりがいいのに微妙に使いづらそうな形の部屋が誕生していました。

どうせだったら一部屋潰して、南側にバーンと大きな部屋が欲しいなあ。
と、自分好みの部屋について妄想を始めると、「素敵な特注キッチンだけど、ワタシはもうちょっと高さが欲しいんだよね。あとカップボードも」とか「洗面台はこういうのじゃなくて、もっとシンプルな方が」とか「掃除機とか雑多なモノを収納できる納戸が要るよねえ」とか煩悩が次から次へと湧いてきます。

いくらこだわりのリノベーションといっても、やはり所詮は他人のプラン。
せっかくフルリノベーションするなら自分の欲望を思い切りぶつけたい。
と、「リノベーション済みの部屋を買うのはないな」と思いました。

もうひとつ気になったのは、やはりサッシの古さです。
何しろワタシの年齢と変わらないアルミのサッシ。綺麗にするにも限界があるし、断熱性の低さときたらもう。
この後インナーサッシを取り付ける工事をするとのことだったけど、全部の窓に設置するわけじゃないそうなので、あちこちから冷気が忍び込むこと請け合いです。

古いマンションはこれがなあ。
大規模修繕で、サッシや玄関ドアの入れ替えも必須にしてくれたらいいのに。

 

あ、あと古いマンションの問題は、管理費と修繕積立金が爆上がりしていることですね。
自分が住んでいるマンションも、あと40年したらこの金額になるのか…と慄きました。
40年後まで生きているかビミョーなところですが。

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

4 thoughts on “【マンション買い替え】築40年超、昭和時代の贅沢なマンション・団地っていいね!”

  1. 旧公団の団地は管理状態が良くて階段が気にならなければ結構良いですよね。とにかく敷地にゆとりがあって気持ちが良い。
    ただ、自主管理物件が多くて共有部の清掃だの何だのの面倒事があるのと、おっしゃるように耐震性への危惧ですよね。

    おー、高級物件観に行かれたんですね。うちの地元にはそういう物件無いんで、羨ましいです。
    「いくらこだわりのリノベーションといっても、やはり所詮は他人のプラン」
    ほんとこれに尽きるんですよね。必ず過不足があるんですよ。
    せっかく大金積むのに何で他人様が作った部屋に住まんといけんのよって考えちゃいます。
    もし私が今大金を手にしたとしたら新築とか超築浅のマンションなんか買ってみたいですが、それでもフルリノベしますね…。

    1. ひまわりサマ
      団地のゆったりした敷地は、田舎住みだった頃にはさっぱりでしたが今はすごく魅力的です!
      実家の近所の団地には今でも魅力を感じませんが笑、名古屋の駅近でこのゆったり加減…とときめきました。
      しかし、仰る通り階段はネックですよね~。そしてキレイに管理されていても所詮は半世紀経った建物…。
      団地内の面倒事を進んで処理できるほどまだヒマなわけでもないし、実際住めるかというと難しいところですね。

      東京のマジで桁違いな高級物件とは比べ物になりませんが、それでも随所にこだわりが見られて面白かったです!
      窓と室内ドアは本当に良かったなあ。とはいえ窓は断熱性が最優先…。
      ワタシも空からお金が降ってきたら新しいマンションをフルリノベしたいですね。もしくは小さな注文住宅!
      マンションの快適性・安全性にも負けないくらいの、でもこじんまりとしたワタシ好みの家を建ててみたいです~。
      あー、でも戸建てじゃ24時間ゴミ出しなんてできないしな~。と思うと、やっぱりマンション最強! てなるんですけどね…。

  2. こんにちは。

    いよいよ……中古物件も視野に入れて 笑笑
    見るのはタダですからね、勉強の意味でアリですよね。
    耐震性は重要…。でも団地の階段は駄目です。現在、戸建ての2階すら面倒くさいと思う。今後の事を考えるとエレベーターは絶対
    妹のマンションは築40年13階。大阪万博跡地の外れで、緑も多く4棟並んでるけど敷地内に公園、駐輪場があり肉眼では部屋の中は見えない。
    間取りもゆったり4LDK、南に大開口、北側
    にも開口部が有り風通し良し。

    問題は、凸凹なんですね、天井とか壁紙が。エレベーターは、各駅停車じゃなく、ひとつ飛び。
    部屋の中に15cm程度の段差あって、転けましたよ。

    リノベーションしてるのは有難いです。
    自分でするのも楽しいけどね。
    個人ですると金額がね……。
    妹も、LDKをリフォームして、トイレ、風呂、洗面は、前回、今後はThe昭和の和室続き間らしいです。

    1. まだむサマ
      妹さんのマンション、ゆったりしてそうでいいですね~!
      寝に帰るだけの生活のときはちっとも考えませんでしたが、今みたいに在宅時間が長くなってみると、そういうゆったりとした敷地のマンションに憧れます。
      でももう今はそんなゆったりしたマンションはないでしょうねえ…。あってもべらぼうに高そう。

      そうそう、昔の建物は段差がね。
      今回見たマンションは洗面所がいかにも配管のために高くなってまーすという分かりやすいカンジで躓きはしなかったけど、物件によっては「なぜこの場所に段差??」となりますよね。
      フルフラットの部屋に慣れてしまうと、室内に段差がある部屋には住めないような気がします。
      梁は今の部屋もヘンな風に出ていて気になるんですけど、実害はないですからねー。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です