コーヒーが好きです。
朝飲まないと目が覚めたカンジがしない。
濃いエスプレッソも好きだし、ふわふわミルクのカプチーノも好きだし、スターバックスの「これはコーヒーじゃなくて液体のケーキだろ…」っていうド甘いのも好き。
昔はここまでコーヒー党ではありませんでした。
むしろ、断然お茶の方が好きでした。
遡ること四半世紀、ワタシの実家では一大紅茶ブームが沸き起こりました。
きっかけは何だったのかなあ。多分、姉がどっかでお茶して気に入っちゃったとかそんなんだと思います。
それまで麦茶や焙じ茶や煎茶がメインだったのが、週末のティータイムはフルリーフの茶葉から淹れるお紅茶が定番になったのです。
紅茶のいいところは、淹れ方が簡単なことです。
汲み立ての水、といっても軟水な日本なら水道水でOKですし、それをぐらぐらっと沸騰させればいいだけ。
これが日本茶だと煎茶だの玉露だのによってお湯の温度を変えなきゃいけないから、女衆が全員B型のりんむ家ではそんな繊細なことはなかなかできない。
簡単に香りがいい紅茶が淹れられるとわかると、次第にポットや茶器に凝るようになりました。
紅茶の香りを立たせるために、リーフが躍る大きなポットを買ったりとか。
ウェッジウッドやノリタケやジノリのティーカップを揃えたりとか。
週末になると、カップボードの中から「今日はロイヤル・コペンハーゲンかな~。いやいや、マイセンにしようかな~」とカップを選び、好きな香りの茶葉で淹れるというのは、なかなか贅沢で幸せな習慣でした。
そして、買い物のときに洋食器屋を覗いて「これステキねー♪」とキャッキャッウフフとやるのも楽しい(←これはいまだにやる)。
今でも実家には喫茶店が開けるんじゃないかっつー数のティーカップが揃っていて、しかも増え続けています。
そんな習慣があったので、ひとり暮らしを始めるときに「ティーカップが1客もないなんて淋しいな…」と思った覚えがあります。
ところが、ティーカップより先に買ってしまったモノがありました。
それは中国茶器。
ハタチ前後の頃、中国のポップカルチャーにド嵌りして、その延長で中国茶を愛飲するようになりました。
まあね、中国茶も紅茶も元は一緒ですからね。
一緒と言っても、中国茶の味の幅の広さは日本茶や紅茶(中国茶にも紅茶はあるけど、ここでは英国紅茶)の比ではない。日本茶みたいに発酵させない軽やかな緑茶もあれば、がっつり発酵させて年代物の方が高価格になる黒茶もあります。この幅広さを知ってしまうと日本茶や英国紅茶は物足りません。
しかも発酵度が強い茶葉なら、英国紅茶と同様淹れるのも簡単です。
良い茶葉と湧いたお湯さえあればいい。
そう、良い茶葉があれば…。
実家の紅茶ブームは茶器に走りましたが、ワタシの中国茶ブームは茶葉に情熱が注がれました。
中国や台湾や香港に行く度にお茶専門店に行き、高価な茶葉を試飲や試食(茶葉をぼりぼり食べるのです。味と香りがダイレクトにわかってなかなか面白いです。日本茶もやればいいのに)させてもらって、どっさりと買い込んでいました。
しかし、これには弊害があります。
その辺の喫茶店やカフェではお茶が飲めなくなってしまいました…。
どこで飲んでも「なんだこの色のついた温いお湯は!」と思ってしまうのです。
これには参りました。外でお茶できないのはとても不便です。
お茶がダメならコーヒー? でもワタシ、コーヒーそんなに好きじゃないんだけどな。
と、初めのうちは渋々コーヒーを飲んでいました。
しかし、そのときにはそれなりに歳を取っていたので渋みや酸味も受け入れられるようになり、あちこちの店で飲むうちに「あれ、コーヒーも悪くなくね?」と思うようになったのです。
ワタシはお茶を教訓にして、自宅でコーヒーに凝るのは禁じました。お茶だけでなくコーヒーまで外で飲めなくなったらいよいよ困ります。
それに、お湯と茶葉さえあればいいというお茶と違って、コーヒーは面倒くさそうと思っちゃいます。
焙煎だの挽き方だの抽出方法だの、考えなきゃいけない要素が多い。さらにミルやらドリッパーやら洗うものが多過ぎる。ムリムリムリムリ!
かといってインスタントコーヒーも味気ないしなあ…ということで、自宅ではネスプレッソを愛用しています。
水をセットして、カプセルをポンと入れて、ボタンを押すだけ。後始末はカプセルを捨てるだけです。これは簡単!
味もなかなかいいです。種類も多くて、ときどき限定フレーバーや新作が出たりして飽きません。
とか言いながら雑なコーヒーの飲み方しているんですけどね!(おひとりさまの食生活 ~おやつと夕食編~)
現在ワタシのお茶ブームの方はどうなったかというと、下火です。
凝り過ぎて不便を感じてからは、日本で手軽に入手できる茶葉に絞ってしまいました。おかげさまで、最近は外でもお茶が飲めるようになりました。過ぎたるは何とやらだわ。
そして断捨離祭り(シンプルな部屋が好きな理由)のときに中国茶器は処分。
手元に残ったのは、15年くらい前に気に入って買ったノリタケのティーカップです。
やはり紅茶に戻るのか。若い頃の嗜好のすり込まれ方、ハンパじゃないです。
今は英国紅茶だの中国茶だの日本茶だのいちいち茶器を変えるのが面倒なので、日常的にはイッタラの耐熱ガラスのタンブラーを使っています。
ティーポットも耐熱ガラスのヤツ。どの国のお茶だろうが、全部それで淹れています。シンプルデザイン、万歳。
…ええ、欺瞞だとは自覚しています! 茶器は凝り出すと際限がないのをよく理解しているから、我慢しているのです!
我慢していると言いつつ、引っ越したら常滑焼の急須を買っちゃおうかな~などと企んでいます。
追記:宣言通り急須を買いました。
[新居Newアイテム]東屋 平急須 横手
イタリアではジノリを買う気満々だったのに、上手い具合に出会えませんでした。
長年茶器のコレクションを我慢し過ぎて、何を買えばいいのかよくわからなくなっているような気もします…。
イタリアのショッピング事情
6 thoughts on “【コーヒー】嗜好飲料、その変遷【お茶】”