月に1度程度の頻度で、整体だの鍼灸だのマッサージだのに行っている。
昔は「ツルピカ肌を作るため☆」なんてエステに通ったものだけど、最近は「腰痛を緩和する」だの「胃腸の調子を整える」だの目的が年寄りくさくなった。
ま、健やかな身体こそ美しい、という理念からすれば筋肉と内蔵を絶好調にしておくのが何よりも肝要なことで、美容のために間違った行動でもない。
普段のスポーツジム通いではやはりどうしてもストレッチが足りないようで、整体だのカイロだので筋肉をバキバキ伸ばしてもらうのは気持ちがいい。
これだけ凝った筋肉でマシンを動かしても怪我をする未来しか見えない、みたいな身体が常態なので、定期的に他人の手を借りてまでほぐすことはやはり必要なのだ。
ところで、この整体だのアロマテラピーだのが終わった後。
なぜかラーメンが食べたくなる。
以前からそうだったわけではなく、ここ2カ月程の話ではあるが。
これがワタシが普段から小池さんばりにラーメンを食べている人間なら、ホッと一息ついたときに「あー、ラーメンが食べたい」という欲求が湧いてくるのは至極自然なことと言えよう。
だが、ワタシはどちらかというとラーメンをそこまで食べないタイプだ。
どれくらい食べないかというと、先日知人に「りんむさんってインスタントとかラーメンとか食べなさそうだよね」と言われたくらいだ。
ちょっと待て、ラーメンはともかくインスタント食品がないとワタシは生きてけんぞ。朝寝坊したとき用にフリーズドライの味噌汁を常備しているし、日曜の昼はレトルトカレーで済ませることも多いし、弁当箱に高頻度で冷食を忍ばせているし、ってことをさては知らないな。知らないか。
ラーメンだって小池さんほど食べないというだけで、まったく口に入れないわけではない。忌避しているわけでもない。誘われたらラーメン屋に行くし、食べたら食べたで美味しいと思う。
だが、ひとりで外食という状況に陥ったとき(そしてアラフォーシングルはしばしばこの状況に陥る)わざわざラーメンを選択はしない。
んー、ラーメンより蕎麦のがサラッとしていていいよねーなんて思って蕎麦屋に入って、天麩羅蕎麦なんか食べたりして結局胃もたれしたりもするけど、それは結果論であって、端からラーメン屋の暖簾をくぐることはまずない。
だからラーメンを食べに行くのは年にせいぜい数度のイベントで、ワタシにとってラーメンとはクリスピークリームドーナツと同じ程度の頻度でしか食べない物という位置付けだ。
石を投げればラーメン屋に当たるってくらい世間にはラーメンを供する店があるのに。
だから「ワタシはラーメンをそこまで食べないタイプだ」と言い切っていいと思う。
それなのに、2カ月連続で「ラーメンを食べたい」と思ってしまった。
普段はラーメンの存在など頭からすっぽ抜けているのに。
これは異常事態と言ってもいい。
ま、しかしラーメンを欲するかどうかはともかくとして、整体だのリフレクソロジーだのの後は、腹が減る。
正確に言うと、施術中から腹が鳴る。
もっと正確に言うと、別に空腹感があるわけじゃないけど腸がぎゅるぎゅる音を立てる。
これは筋肉だの神経だのを刺激して、サボっていた胃腸が活性化するせいらしい。
それをよく分かっていなかった頃は「ああ、美人エステティシャンに腹の音を聞かれた!」と恥じ入ったものだが、今は「あなたの腕がいいから胃腸が動いていますよ~~」と思うようになった。
鳴れよ、腹! 蠢け、腸! 聞けよワタシの生命の息吹を! てなくらいに堂々としている。
ちょっと刺激の強いタラソテラピーだのになると、胃腸が活発に動き過ぎて頻繁にトイレに通う羽目になる。
こうなると「ちょっと休憩したい…」と思うが、そこまででもないと程良く温まった胃腸が消化すべき有機物を求めてワタシの脳を刺激する。
んで、普段は弱った胃ではツラいラーメンでも今ならイケるんじゃないか、と勘違いする。
そのせいで「あー、ラーメンが食べたい」と思うらしい。
実際は、1時間の整体だのアーユルヴェーダだので胃腸が頑丈になるはずもない。
チャーシューがたっぷり乗った豚骨ラーメンなんて物を食べるといつも通りに腹がくちくなり、「当分ラーメンなんて要らない…」と後悔する。
先月もやらかしたのに、なぜワタシは学習しないんだ。
これだからアホってイヤだ。