今回の京都旅での一番の贅沢ご飯は、鳥彌三の水炊きです。
グルメサイトの予算を見ると「えっ、水炊きがなんでこんなに高いの!?」と驚愕する値段。
お店を見ると高額なのも分からんでもないです。
何しろ1788年創業という歴史あるお店で、建物は当時のまま。そんな文化財で煮炊きしていいんですか!? と軽く衝撃を受けます。
坂本龍馬と同じ建物で同じ水炊きを食べたと思うと手が震えますわ。
増築した新しい部分でさえ築220年と言いますから、代金の幾ばくかは建物メンテ代と思えば納得かもしれません。
実際、昔ながらのキュッとコンパクトな造りや急峻な階段を見ると博物館さながらです。
しかも博物館みたいな再現ではなく現物でご飯が食べられるって贅沢。幕末の志士にでもなった気分を味わえること請け合いです。
夏には川床も楽しめるとのこと。
この日は、川床撤去直前でした。
川床の開催時期って条例で決まっているんですね。各店がそれぞれ勝手にやってるのかと思ってた。
さて、建物ばかりでなく味も高額に納得でしたよ!
付き出し。
銀杏や里芋が秋を感じさせますね。
見た目も味も奇をてらったところがないです。これぞ和食王道ってカンジ。
豆腐には柚子の香りが。
肝。
すンごい濃厚で美味しい! こりゃいい酒のつまみだ!(←下戸のクセに)
水炊き自体は何の変哲もなく、鶏に豆腐、春菊白菜、椎茸湯葉というシンプルなラインナップ。
ところが、このスープがとんでもなく濃厚です。
自宅でケチケチと水炊きをすると「和風出汁に鶏のエキスがほんのり」程度だけど(ウチだけ?)、ここの水炊きのスープは「一体鶏を何羽煮詰めたらこんなに濃くなるんだ?!」とビックリする濃厚さでした。
スープを飲むと唇がギトギト。四十路の肌もツヤツヤになりそうな勢いです。
それでいてイヤなくどさはなく、まろやかな濃厚さです。これでラーメンを作ったらさぞや美味しいだろうなーというカンジ。
さらにブロイラー特有の臭さもない。契約農家直送の鶏だそうです。
このスープは絶対ご家庭では作れないわ。そりゃ高額になるハズです。
極めつきはやはり〆の雑炊!
お米と濃厚卵が美味しいスープを吸い込んで旨いったら!
自分史上最高の鶏雑炊でした。
雑炊がかなりのボリュームなので、相当な膨満感。
でも食後のグレープフルーツゼリーは別腹です。美味しかった(満腹過ぎて写真を撮り忘れた)。
難点は、盛り付けから何から何まで仲居さんがやってくれて落ち着かないことかな。
スープを飲むにもいちいちよそってくれて、塩や一味で味付けをしてくれるんですよ。
懐石だとしょっちゅう人が出入りしても何とも思わないんですけどね。鍋は放ったらかしにしてくれていいのヨ、とドキドキしちゃいました。
でも自分で火加減を見たら、この濃厚スープをダメにしちゃうんだろうな……。