椎間板ヘルニアの入院生活、まだ続きます

入院3日目・朝食後

背中が痛くて途中から姿勢が傾きながらも生来の食いしん坊を発揮して朝食を平らげ、ベッドで歯磨きもして、看護師さんに後始末をしてもらいました。

アマン東京
こんな朝食ならいいのですが、もちろん違います

痛い位置に傾いていたベッドを戻し、やれやれとひと息。

さて、この後どうなるのか、予めスケジュールを教えてもらえるわけではないのでさっぱりわかりません。

背中はズキズキ痛むし、眠れそうにありません。ヒマです。
そのうち鎮痛剤が効いてズキズキ感が薄れてくると、ますますヒマです。

あーーーー、スマホがあれば。
せめて本があれば。
新聞のサービスがあればいいのに。

と、集中治療室の一角の、天井の模様を眺めてじっとしているしかありません。

ではまったくヒマでぐーぐー眠っちゃえばいいかというとそうでもなく、看護師さんが入れ替わり立ち替わりやってきて、はい検温です、点滴入れ替えますね、様子はどうですか、とこまごまと面倒を見てくれるし、栄養士さんまで来て食事の様子をヒアリングするので、眠れるほどでもありません。

鎮痛剤がだいぶ効いた頃、じゃあ尿道カテーテルを外しましょっか、となりました。

若い看護師さんにシモを顕にして、尊厳もへったくれもありません。
ワタシが老人になっている頃には医療介護ロボットが発達していますように。

カテーテルは意外と違和感なかったです。
姿勢を変えるときに「なんかあるな」と思うくらいで、抜くときも嫌なカンジはあるけどすごく痛いということもない。
それより尿意もなく勝手に排尿されるのが不思議で、これに慣れると自力でちゃんと排泄できるのか、怖くなります。

もー、ここまで来たらちゃんとやってもらおうということで、シモを洗ってもらって、オムツをパンツタイプに交換してもらいました。

手術の際に着替え用の下着を持ち込んでいればそれに着替えさせてもらえるらしいのですが、聞いていないのでそんなモノはなし。
スタッフが多いから仕方ないのですけど、たまにこういう「えー、言ってよ」みたいなことが発生します。
ま、カテーテルを外した後にトラブルがあると嫌なので、オムツの方がいいかもしれませんが。

ついでに、汗だらけで、寝返りのせいでぐちゃぐちゃになった手術着を着替えさせてもらいました。
今度は身ごろが分解できないタイプの紐で留めるガウンです。

尿道のカテーテルを外してしばらく経ってから、自力でトイレに行けるか試してみましょうかということになりました。

ずっと寝ていて辟易していたので助かります。
一方で、手術が成功していて、きちんと脚が動かせるのか、ドキドキです。

看護師さんが車椅子を持ってきて、ワタシはベッドの柵を掴んでおっかなびっくり起立。
思ったよりスッと立てました。

立つよりも座る動作の方が背中がイタタとなり、車椅子にヨタヨタと移動してトイレに案内してもらいます。
血圧や心電図の機器は外しましたが、点滴と、背中のドレーン、それに繋がる血液のタンクがひっついているので大名行列です。
血液のタンクは、どっかに引っ掛けてブチまけると大惨事になるということで、動くときはタンクの入ったナイロンの袋の紐を首から掛けるようにと厳命が降りました。

カーテンの外を初めて見ると、ずらずらと並んだベッドの向かいにトイレや洗面台があります。
ワタシのベッドから近い場所にトイレがあったので、夜中のエアタオルが気になるわけだと得心がいったのでした。

個室のど真ん前に車椅子を横付けにしてもらい、点滴棒を中に入れ、ワタシもよたよたと便器に移動。
座ったりしゃがんだりする動作が痛いのでゆっくりですが、なんとか便器に座って排尿。
約20時間ぶりの自力排泄にホッとしていたら、カテーテルの影響か、最後膀胱炎のときのような違和感があって不快でした。

それからまたよたよたと車椅子に座り、適当に手を洗ってベッドに戻ると、作業療法士さんが待ち構えていました。

そうです。手術から間髪入れずにリハビリです。

うわー、まだまだ痛いのにもうやるんだ、厳しいなあ。
と思ったら、最初は足指の力の入り具合や感覚の確認や、ちょっと脚を伸ばす程度。

リハビリというほどのリハビリでもないか。とホッとしていたら「では歩いてみましょう」となりました。
えっ、さっき車椅子に乗っていたんですが。

点滴棒を掴んでよろよろと立ち、生まれたての子鹿のような足取りで、集中治療室の中を歩きました。
ベッドが並んでいるところを見ると、空き病床もあります。
座ってテレビを観ている人もいれば、酸素を入れてぐったりしている人もいる。
部屋の一角のオフィスのようなところでは、ワタシの方なぞ見向きもしない緊張感あるスタッフが何やらやっていて忙しそうです。

部屋の端まで行った後に折り返し、慎重に車椅子に腰掛けて、ホッとしました。

気づくと脳神経外科長がやってきて、様子を訊かれます。
手術前のギリギリと締め上げられるような痛みはないけれど、ずーんと重い疲れのような違和感はあると伝えたら、手術で神経の圧迫がいきなり取れたからスッキリとはしないでしょうね〜と言われました。
それもそうですね。

そうこうしていると、一般病棟に11時に移ると教えてもらい歓喜です。
やったあ! このヒマな空間から脱出だ!
11時までさほど時間がないからもう車椅子でいいじゃんと思ったけど、またベッドに寝かされて、心電図だの血圧計だの血中酸素濃度計だのを繋げられました。ええ、もういいじゃん…。

ヒマだなーと天井を睨んでいると、看護師さんがやってきて「りんむさん、取り出したヘルニア、見ます?」と細長い容器を持ってくるではないですか。

「えっ、えっ?」と一瞬困惑しましたが、「せっかくなので見ます…」と恐る恐る容器を受け取りました。
中には透明な液体が入っていて、底には血液がうっすら沈殿しています。
液体の中には……カニカマ?
白い塊が細かく裂けていて、先端が血液なのか赤くなっていました。
カニカマが腰に入っていて取り出されたのかあ…。
傷口は小さいよと言われたけど、これが取り出せるだけの穴は開いたのかあ…。
といろいろ考えると気持ち悪くなってきました。

すると看護師さんが「これ、持ち帰る人もいますが、どうしますか?」と訊いてきました。
いやいや、持ち帰ってもどうしようもないし。
「…いえ、要らないです……」と答えると、看護師さんはそれを持ってカーテンから出ていき、上司らしき人に「これどうしますかー」と確認。
上司らしき人は「医療廃棄物でいいよー」と答えています。
ひええ、ワタシに見せるためだけに容器に入れていたのか。
そういや、小さい頃腹膜炎で手術したときも、取り出した膿を見せられたっけ。
なぜ見せるんでしょうね…。医療関係の方、教えてください…。


11時を過ぎた頃、一般病棟から看護師さんが二人迎えに来てくれました。

集中治療室の看護師さんとの申し送りを済ませて、ようやくワタシの身体から心電図の電極がべりべりと剥がされました(実はひとつ剥がし残しがあって、のちに初シャワーのときに発覚…)。
血圧計・血中酸素濃度計も外され、ずいぶんと身軽になりました!
残るは点滴と背中からのドレーンです。

車椅子に乗せられ、貴重品を預けたコインロッカーから荷物を取り出し、さあ病室です。

…と思いきや、CTとレントゲンを撮るため、検査室に立ち寄るそうです。
えええ、手術で意識がないうちについでにやっといてくれればいいのに。

車椅子からCTの、柵も何もないベッドに移るのは、なかなかの苦行です。
背中の傷の痛みで腹筋背筋が使えないものですから、弱い腕で踏ん張りながらよたよたと姿勢を変えることになります。
庇っても庇いきれずズキーンとくるので、その度に「いたっ!」とか言いながらの動作になっちゃいます。
そして仰向けになっても傷を圧迫するのでラクではありません。

レントゲンは立って撮るのでまだマシですが「ちょっと前屈みになって」とか言われると「ひええ」となります。

平素ならなんてとこない検査ですが、冷や汗をかきながらの大作業になったのでした。


さて、ようやく病室に戻れます。
今日から入る部屋は、手術前とは違う病室でした。
病棟も複雑な造りなので、迷子にならないか心配です。

じゃあまず着替えましょっか。と、パジャマを持ってきてくれました。
ひとりで着替えられますよ。と言いたいところだけど、点滴が繋がっているのでひとりでは袖を通せません。
シモを世話してもらった今となってはもういいやーという気分で脱ぎ、ついでに背中を汗拭きシートで拭いてもらったのでした。

左に点滴、右にドレーンと血液タンク。
という状態ですが、ようやく落ち着きました。

これで落ち着いて眠れる…と思いきや、そうもいきませんね。

さっき食べたばかりのはずが、もう昼食が運ばれてきました。
まったくお腹が空いていないけれど、経口摂取できなければ点滴が取れない! 食べてやろうじゃないか、かかってこい!
という意気込みで完食です。

食後も看護師さんがやってきて血圧だの何だのバイタル計測していくし、お茶を替えますねータオルを交換しますねーとスタッフさんがやってくるし、麻酔医が気持ち悪さや眩暈はないですかーと確認しに来るし、薬剤師さんまでやってきました。

薬剤師さんは、薬学部の学生を引き連れています。

そう、病院の中ではかなり若い方の患者で(何しろ周りはワタシの親くらいの後期高齢者っぽい人だらけだからね!)、認知もバイタルも心配ないワタシは、若いスタッフの格好の餌食です。

病棟まで連れてきてもらった看護師さんもまだまだ若手らしく、もうひとりのベテランそうな看護師さん(といってもワタシよりだいぶ若いけど)から「次は何するのっ」「そこはこうでしょっ」と厳しく指導されていました。

ええ、ええ、若者を育成するのは年寄りの責務ですよ。
実習にでもなんでも利用してちょうだーい。
と、学生さんの辿々しい質問にいくつか答えたのでした。

背中のズキズキに対症するためロキソニンが病院から処方され、それは持参した薬のひとつと役目が被るので、持参した方は飲むのをやめてね。ということを集中治療室で教えてもらいました。
と薬剤師さんに答えると「理解いただいて、素晴らしいです!」と褒めてもらいました。
病院にいると褒めてもらえることが多いので楽しいね!

てなわけで薬は自己管理に切り替えとなり、取り上げられていた持参薬も手元に戻ってきたのでした。


午前にもあったリハビリ、午後もあります。

療法士さんが病室までやってきて、足指や足首の力加減を確認したり、爪先立ちができるかなどをチェックして、なぜか握力まで測定されました。

その後は、病棟の廊下をぐるりと歩行です。
朝はおっかなびっくりの歩行でしたけれど、夕方はだいぶ慣れて、小さな歩幅ながらもなんとか歩けました。


いやー、術後一日目ってひたすら寝ているだけかと思いきや、結構忙しくさせられますね。
結局昼寝するヒマはほとんどなく、うとうとした頃には夕食が運ばれてきました。これも完食ですよ!

抗生剤を入れてもらっているので酷いことにはならなかったけれど、微熱は出ました。

大したことをやっていないけれど、そういえば二晩ろくに寝ていなかったので、眠いです。
睡眠薬を飲んで寝たところ、8時間ぐっすりでした。
夜中に看護師さんが点滴の入れ替えをしているのをなんとなく感じた程度で、ひたすらぐっすり。

自宅ではブリ男が勢いよく起こしに来るので、8時間連続で睡眠を取るなんてまずありません。
入院生活の特典だと思ってありがたく享受します。

コメント

“椎間板ヘルニアの入院生活、まだ続きます” への2件のフィードバック

  1. まだむのアバター
    まだむ

    こんにちは。

    無事、ICUからシャバに戻って来ておめでとうございます
    自由度が違いますからね。ICUはしっかり意識があれば退屈な病室です。

    病巣を見せて貰ったんですね…間違いなく取ったぞって感じ?ꉂ見ても「そうですか…」としか言えないですよね

    おシモのお世話…もうね、開き直るしかないですꉂ相手は、単なる仕事、気にする事は無いけど…最初はです…

    リハは早い段階から寝かせては貰えないですよ、大した事ない動きからですが、その動作が怖いと言うのか痛いと言うのか…
    体(関節、筋肉)が一気に固まるからね。

    1. りんむじんづのアバター
      りんむじんづ

      まだむサマ
      集中治療室は、意識がハッキリしてると拷問でした。
      痛いし暇だし痛いし…。

      病巣は、アレなぜ患者や家族に見せるんでしょうね??
      看護師さんも傷口を確認する度に「写真撮りますか?」と訊いてくるし笑

      おシモは…記憶のない乳児期以来、初めて人様に世話していただきました…。
      何十年後はこれが日常になるかと思うとどんよりですが、どんよりな作業をやってくれる若いナースには尊敬と感謝しかありません。
      この辺とか褥瘡のケアとか介護ロボットが正確にサクサクやってくれるようになっていますように。

      リハビリ、なかなか鬼なペースですね笑
      歩くのもですが姿勢を変えるのも苦行でした。
      今は日常の動作はできなくはないですが、脚の裏っ側がガチガチに硬くてヤバいです。
      筋肉は、徐々に鍛えていくしかないですね〜…。

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