不動産関係の仕事をしている友人から「りんむさぁ、どうせならもう1軒マンション買わない? 住宅ローンを組めるのもラストチャンスだし」というお誘いを受けました。

「あら、それじゃ買っとこうかしら」とはならなかったのですが、「そうか、そろそろ住宅ローンが組みづらいお年頃なんだ!」ということに驚愕しました。
人生100年時代とは言いますが、借金して家を買える期間というのはとても短い。
住宅の買いどきというのは、生きている間にそうそうないものだということを思い知りました。
20代に住宅を買うのは、無謀でもあり正解でもある
ワタシが最初にマンションを買ったのは、28歳のときでした。
住宅ローンの支払開始は29歳。35年で組んだので、64歳で完済というローンです。
その頃はまだ金利が高く(それでもバブル期に親が組んでいた住宅ローン金利に比べたら笑っちゃうくらい低かったんだけど。その分預金の利息も低いけど…)、35年もかけるつもりはさらさらありませんでした。
毎年せっせと繰上返済をして、15年くらいで払い終えるつもりだったんですね。
そんな買い物をしたワタシですが、今20代のお嬢さんから「マンションを買おうと思っているんです」と言われたら「えっ、やめときなよ。もう少し人生が固まってから考えればいいよ」と答えると思います。
この先結婚するかもしれないし、子宝にどっさり恵まれるかもしれないし、逆に縁の薄い人生になるかもしれないし、転職したり学校に通ったり海外移住したり、いろーんな可能性があるお年頃。
それなのに住宅を買うなんてバカじゃないの。
と、自分のことを棚上げして諭します。
では自分はどうだったかというと。
若い頃から自分が結婚するイメージが持てなかったし、20代半ばで転職して「そろそろ腰を落ち着けて生活したい」と考えていた。
まだまだ人生に何かがあるかもしれないとは思うけれど、その正体がわからない漠然とした「何か」のために不満だらけの賃貸住宅に何年も住むのはイヤ。
つまり、今後も能動的に人生の「何か」を掴み取るつもりの若い人ならマンションだなんて大きな買い物はすべきではないけれど、ワタシみたいに「この先の人生、現状維持でいいやー」と思う人間なら早めに借金してちょぼちょぼ返済する方が気楽だと思うのです。
そして、結果的にはこれが正解でした。
十数年前はまだまだマンション価格が安く、今の相場より2~3割低い値段で買えました。
35年で組んでいた住宅ローンも数年間で完済。
気に入った街で、ひとりには充分な広さの部屋に気楽に住めていたのです。
若くして住宅を買うのは、やはり後悔もつきもの
ワタシ的には大成功だった若い身空でのマンション購入ですが、まったく後悔がなかったわけでもありません。
住宅ローンを完済したとき「あー、これだけすんなり完済できるなら、もうちょっと高い部屋でも買えたかあ」と少し後悔しました。
何しろ初めてマンションのモデルルームに行ったのは25歳のとき。
貯金なんて全然なくて、頭金なしでローンを組んだ場合の返済利子総額や、毎月の修繕積立金に真っ青になったものです。
その印象が強くて「マンション購入は一大事だ。できるだけ負担のない物件を買わねば」と気合を入れていたんですね。
当時は安普請のアパートに住んでいたこともあって、住宅設備に対するハードルは低いものでした。
何しろ追い炊き機能のない風呂の部屋に住んでいましたから、追い炊きもできれば浴室暖房もあるなんて天国! くらいの感覚だったのです。
なので気合を入れるまでもなくマンションへの要求水準は低く、安い部屋を買って満足していました。
参考:[新居の浴室]極楽ほかほかバスタイムに、かつての極寒風呂を思い出す
しかし、まだ働いた期間が短かったので、貯蓄がどの程度できるかの見通しが甘かったです。
生活を切り詰めて、まではいかないものの倹しく暮らしていたらローン残高はどんどん減り、15年かけて完済するつもりが半分の期間で済みました。
なので「なんだ、これならもう少しスペックの高い部屋を買ってもよかったじゃん」と思ったんですね。
住宅を購入しやすいのは30代
30代半ばで早々にローンを完済し、住宅に関してはさっさと「上がり」になったワタシ。
ローンに回してしまったので手元に現金はありませんでしたが、なに、今まで毎月返済に回していたお金をまるっと貯蓄に回せるわけですから不安はありません。
これまで通りに生活しているのに貯蓄額がハイペースに増え(※自分比)、非常に楽しく過ごせました。
30歳なら35年ローンを組んでも65歳。
いやいや、借金は60歳前になくしたいわ~と思っても30年。
余裕をもって50歳にはスッキリしたいと考えても20年あります。
「これなら払えるかな」と自分も思えるし、銀行も貸したくて仕方がないお年頃です。
30歳にもなれば仕事の明暗もある程度見えてきます。
自分はガンガン出世街道を邁進して、今後も収入がどんどん上がっていくのか。
それとも大して上がれないから、ひっそり慎ましくスキルを磨いていくべきなのか。
どっちのタイプが大体わかってくるハズ。
身の丈に合わない高額の物件を買わない分別もつきましょうし、低収入なりに今後の生涯賃金を弾き出して住宅費用を決めることもできましょう。
できれば35歳くらいで家を買うのがベストではなかろうか。と、個人的には思います。
個人差もありますが、35歳にもなると体力がガクンと落ちて「無理をしない生活をするための住まい」なんてことも考えるようになります。
20代は「駅から15分とか、歩けばOK!」と思っても、30代も半ばになると「通勤時間は短ければ短いほどいい…」とか変わってきますからね。
夜遊び三昧だったのが落ち着いて家で過ごす時間が増え、繁華街のワンルームで充分だったのが日当たりのいい2LDKがいいなーなんて変化もありますし。
35歳なら結婚するのかしないのか、子どもを持つのか持たないのか、家族もぼちぼち固まるお年頃ですしね。
結婚の気配がないから35歳を機にマンションを買うわ…と半ば諦めのように買って、その後38歳で結婚しちゃった! なんてことになっても、それだけ大人になっていれば「人生そんなこともあるよね~」と柔軟に乗り切れる気がします。
45歳は住宅購入のラストチャンス!?
ワタシは早々に住宅ローンを完済したときに「もうちょっと頑張れたかも?」と思ったのが頭の隅に残っていて、リノベーション用に貯金していたのをマンション買い替えに充てるという方向転換をしました。
それが39歳のときのことです。
参考:マンション、買い替えちゃう!?
20代のときと同様35年ローンを組みましたが、契約書にポンポン実印を押しながら「40歳から35年ローンって厳しくね?」と思いました。
十ン年前はまだまだ先だった老後が、確実に近づいていると実感した瞬間です。
ワタシの場合は1軒目のマンションの支払を完済した経験のせいで「何とかなるって」と変に自信がついているけれど、これが何も知らずに40歳で向こう35年間ローンを返済せよと言われたら「………無理!!」と慄いてしまいそうです。
40歳から35年、つまり75歳まで支払いを続けるのって非現実的ですが、銀行はこのローンを当たり前のように組ませます。
長期間で借りる方が月々の返済額が安いから、心的ハードルが下がるんですよね。期間が長くなると支払利子も多くなるからホントはハードルが上がるんだけど、今の低金利だとそれも見えづらいし。
それでもなお、45歳になるとさすがに銀行も35年ローンは組ませたがらなくなる。
45歳とは、住宅購入費用は短期間でガバッと払わなくてはいけなくなるという、節目の歳なのです。
この先アンタは大して稼がないでしょう。そんな時間残されていないでしょう。と宣告されるようで、ちと淋しい。
20代ならどんな失敗をしても「あと20~30年かけて取り返せばいい」と思えたのになあ。
そして、45歳までずっと賃貸住宅で家賃を払い続け、別に相続する資産とかもないのに「そろそろ家を買うかあ」と思い立つ人は、一体今まで何をボーッとしていたんだと思ってしまいます。
25歳から毎年100万円家賃を払い続けていたら、2,000万円。せめてその半分でも住宅購入資金に充てていたら、さぞやラクだったろうに。
もっとも、お買い物とは「縁」ですから、住宅という大きな買い物といえど「いつ買うのが絶対的な正解」なんてものはありません。
若くて体力のあるうちに小さなマンションを買って、中年期以降は気楽に過ごすのも正解。
転勤族だから現役時代は賃貸住宅を渡り歩いて、リタイアしたら親が遺した土地に家を建てるのも正解。
人生それぞれ。家もそれぞれです。
事実、マンションのモデルルームで隣のブースの会話に聞き耳を立てると(←下衆)、いろんな人生が垣間見えます。
ずっと実家暮らしだったけれど、親のホーム入所を機にマンション購入を考えた50代女子。
就職した息子にマンションを買い与えようと見に来た裕福そうな老夫婦。
結婚3年目、そろそろマンションを買ってこの街に根づこうとする20代カップル。
どの人にとっても後悔のない、そして人生を豊かにするマンション購入となりますように。と、赤の他人を勝手に応援して、趣味のマンション情報チェックに励むワタシでした。
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