前回からの続きです。
【猫の誤飲】ブリ男、オモチャを飲んで大ピンチ#1
【猫の誤飲】ブリ男、オモチャを飲んで大ピンチ#2
ブリ男のオモチャ誤飲の翌日はワタシは休日で、寝不足でも全然問題なかったというのは幸いでした。これで仕事をしたらミスを連発してしまう。
一方で時間があると「ブリ男は昨夜のうちに吐けたのだろうか」ということばかりを考えてしまい、精神衛生上はよろしくなかったです。
病院が始まってしばらく経ってから電話をかけて様子を訊ねてみました。
昨晩対応していただいた獣医さんとは別の方が出て「ブリ男くん、吐かなかったです」と教えてもらいました。
そのときの獣医さんはブリ男が初めて病院にかかったときの方で、去勢手術も執刀してくれた獣医さんです。なのでブリ男のことはよく知っていて「顔に似合わずヤンチャなことしますねえ」と笑い飛ばしてくれ、「一晩入院してもピンピンしてますよ」と教えてくれました。
吐かなかったのは残念だったけど、初めての外泊でも落ち着いていたと聞いてちょっとホッとしました。
夕方の内視鏡の前に様子を見たいので面会を申し入れると、午前の診察が終わる頃なら大丈夫とのこと。
その時間までは掃除や洗濯をして気を紛らわせていました。
が、「いつもならドアや窓を開けっ放しにできないのになあ」なんてブリ男の不在をまざまざと思い知らされて、あまり気分転換にはなりませんでした。
キッチンの端に並べて乾かしておいた空っぽの水皿とフード皿。
昨夜、ウンチの後に砂の総入れ替えをして清潔なトイレ。
数カ月ぶりに見るオモチャがひとつも転がっていない床。
何を見てもここにいるべき小さな毛玉が恋しくなるばかりです。
半年やそこら一緒に暮らしただけの猫が一晩二晩いないくらいでこんなに淋しくなるなんて、いつかブリ男が天寿を全うしたときにはどれほどの喪失感になるのか。
それを想像するとゾッとします。
ペットを喪った経験は一度あり、長い年月が経てば死に別れた哀しみさえもペットがワタシに与えてくれた思い出として昇華されました。
それを踏まえてきちんと覚悟を決めてブリ男を迎えたつもりではいたけれど、愛し愛された存在がいなくなるのはやはりツラい。
それでも別れが長生きした果ての病なら納得もいくけれど、今回みたいな自分の不注意が原因だったら悔やんでも悔やみきれません。
まったく何てことをしてしまったんだろう、と後悔ばかりです。
昼頃、面会のために動物病院に行きました。
診察室の奥の処置室の隅にケージがあり、その中にブリ男がいました。
全身麻酔に備えて絶飲食のため点滴の管を前足に刺し、首にはエリザベスカラーを着けています。
看護師さんに様子を訊くとトイレにうずくまって落ち着いているとのことですが、ワタシの目から見ると明らかに普段よりしょんぼりしています。
「ブリさん、ゴメンね。お母さんが悪かったね。こんな目に遭わせてゴメンね」と謝りながらブリ男の顔を撫でていると、涙が出てきました。ブリ男が不安がるといけないから泣くのは我慢しようと思っていたのに、とことんダメな飼い主です。
案の定、ブリ男はトイレから立ち上がり「俺、もうここ出たいし」とエリザベスカラーをワタシにぐいぐい押しつけて、ケージから下りようとしました。
「ブリさん、点滴抜けちゃうよ。危ないですよ。お母さんは明日迎えに来るからね。頑張ってね」と顔をもみもみすると、仔猫のようにか細くミャーと鳴きます。
2分ほどブリ男を励ましながら撫でて帰ろうとすると、ケージの柵の向こうからブリ男が淋しそうな顔をしてミャーと何度も鳴きました。いつもはケージの中から「ゴハンください!」と張り切った顔をしているのに。可哀想に。
昼間は少し寝てみたけれど、嫌な夢しか見ません。
ブリ男の内視鏡が始まる時間には寝るのを諦めて、何をするというわけでもなく病院からの電話を待ちました。
ところが、処置を開始してから2時間半が経過しても電話は鳴りません。
まさか良くないことが起きたのか。それとも、単に電話をかけ忘れているのか。いやいや、普段の対応からしてそれはない…。
ワタシには待つしかできない、むやみに電話をかけても邪魔になる。でも3時間も経とうというのに連絡がないのはおかしい。と、結局我慢できずにワタシから病院へ電話してしまいました。
すぐに昨夜の獣医さんに代わると、「今さっき取り出しました!」と明るい声で報告してもらいました。
誤飲から26時間経過。
丸一日の緊張が解けて、涙が溢れてきました。
獣医さんによると噴門でオモチャが引っかかっていたそうで、取り出すのが非常に難しく時間がかかっていたそうです。
もう少しで開腹手術に切り替えようかというときにやっと取り出せ、そのタイミングでワタシが電話をかけたらしい。
取り出したオモチャの形状やサイズを見ると腸に移動していれば間違いなく閉塞を起こしたので、胃に残っているうちに処置できてよかったと教えてもらいました。
全身麻酔の方も安定していたようで心配要らないとのことでした。
翌日のお迎えの時間の打合せをしてから電話を切り、切った途端にわんわん泣いてしまいました。
ブリ男、ごめんね! 本当にごめん!
開腹手術に至らなくてよかった。神様ありがとう!
と、泣きながら呟き続けていました。
多少の奇行は誰にも見られないというのは、ひとり暮らしの特権です。
危険そうなモノは片づけてブリ男にとって安全な部屋を作っていたつもりが、まさかワタシと遊んでいる真っ最中に事故を起こすとは、本当に反省しかありません。
もう二度とこんな思いはしたくないし、ブリ男にもさせたくない。
ブリ男をウチに迎えたときの緊張感を思い出して、安全を確保していきます。

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