ブリ男が我が家に来てから半年経ちました。
↑お尻にウンチをつけて走り回り、ワタシに捕まって拭かれた後。とは思えないキリッとしたお顔。
やっと半年経ったか、とも、あっという間の半年だったな、とも感じています。
最初は何がなんだかわからずに暴れ回っていたおチビちゃんが、それなりに落ち着きを見せてワタシとコミュニケーションを取るのを見ると「半年経ってすごくラクになったなあ」と思うし、片手でひょいっとつまめた小さな毛玉が4キログラムのずっしり毛玉になったのを見ると「仔猫時代って一瞬だなあ」と思います。
仔猫との生活はそれなりに大変で、例え「もう一度離乳したての仔猫を育てなさい」と言われても「えー、結構です」と答えてしまう自信があります。
が、夜明けにワタシにべったべたにひっついてうふうふしているブリ男を見ると「この半年間、幸せだったな」としか思えません。
昔からワタシをよく知る人は、猫を飼い始めたと言うと誰もが驚きます。
アンタ、猫なんか飼ったら旅行に行けないじゃない、と。
確かにこの先十数年か二十数年かわかりませんが、長期の旅行にずっと行かないというのは現実味がないです。
ブリ男を迎えると決めたときも「これで気軽に旅に出られないな」とは思ったけど、「もう二度と海外旅行に行かない!」と決めたわけではありませんでした。動物を飼うのに覚悟が足らないと言われたら返す言葉がありませんが。
ただ、四十路になって体力の衰えをひしひしと感じる今日この頃、長距離フライトが昔よりも身体に応えるようになりました。
若い頃と同じように連休の度に海外へ行くというのもこれまた現実味がありません。
参考:胃弱な人の機内の過ごし方
とりあえずは1泊のお留守番をさせて様子を見て、問題がなさそうであればたまに旅行できれば御の字。
なんてことを考えてブリ男を迎えました。
半年間ブリ男の様子を見ていると、自立心は旺盛だし無茶はしないし、お留守番は問題なくできています。
ただしそれは半日の話で、夕方になると「お腹空いたな」「退屈だな」みたいな顔をしてドアを見ている。
今はじっと寝て待っているけれど、おチビちゃんの頃は鳴いてワタシを呼んでいて、カメラでその様子を見る度に胸が痛みました。
参考:ペットの見守りカメラを導入!【Withings Home】
そして、ペットシッターさんと2人きりだとウンチをしないというのも問題。
ブリ男がおチビちゃんの頃から遊びに来てくれている友人の前でウンチをしたことはあるけど、その友人はウチに泊まったりしてブリ男と過ごした累積時間はシッターさんの比ではありません。
友人並みにシッターさんに懐いて堂々とウンチをするようになったら、試しに1泊留守番させてみようと考えています。
でも、明け方にワタシにぴったりと寄り添って、喉を盛大に鳴らしながら寝るブリ男を見ると、とても一晩ひとりで過ごさせる気になれません。
1泊も外泊できないとなるとさすがに不便なので慣れさせなきゃいけないけど、でもそれはもっと先でいい。
毎晩毎晩デカい生き物にくっついて安心して寝て、「この部屋にいれば大丈夫。デカい生き物は俺のことが大好き」とブリ男が確信してからでいい。
少なくともブリ男が1歳になるまでは何が何でも家には帰る。
と思っていたけれど、ブリ男が1歳になるまではあと4カ月しかないんですよね。
4カ月後にブリ男を放ったらかしにして外泊できるかというと、うーん……。
……少なくとも、ブリ男がウチに来て1年になるまでは外泊はしません。
なんて風にワタシがブリ男といちゃいちゃするのを優先しているので、今のところ旅心は鳴りを潜めています。
ま、ブリ男にしてみたらワタシが数日いないことくらい案外平気なのかもしれない、なんてことも思います。
朝起きたら、遊んでゴハンを出してどこかへ行っちゃう。
夕方帰ってきたら、遊んでゴハンを出して掃除してどこかへ行っちゃう(←風呂とか)。
夜戻ってきたら、遊んでゴハンを出して寝ちゃう。
てな生活なので、ブリ男にしてみたら「あのデカい生き物は俺の縄張りにたまに現れてゴハンとトイレの世話をして、なぜか俺の縄張りで寝る」くらいの存在なのかも。
それならそれでワタシも「たまには別のデカい生き物(シッターさん)が現れるのも刺激があっていいよね!」なんてドライに割り切れます。
でも、夕方仕事から帰ると腹出しゴロンして「嬉しい嬉しい」と訴えるブリ男を見ると、やっぱりいつものデカい生き物がいいよね…と思ってしまうのです。
しょっちゅう海外旅行に行くといってもせいぜい年に数度あるかどうかのことなので、旅に出ないこと自体は日常生活に影響を及ぼしている感覚はありません。
それよりも、日々の生活の小さな変化の方がブリ男との同居を実感します。
これは反省点ですが、ブリ男が来てからスポーツジムに行く頻度がめっきり下がってしまいました。
参考:スポーツジムはやはり効果あり。でも、もっと効果が出るのは。
ブリ男がウチに来た当初はまだ「たまに起きて暴れて食べて、また寝る」というカンジだったので、寝ている最中にガサガサして睡眠を邪魔するよりはケージに入れてジムに行った方がいいかな、と普通に通っていました。
しばらくしてブリ男がウチに慣れてくると、留守番以外でケージに入れるのは不憫なのでなるべく在宅してブリ男を見守るように。それでジムをサボるようになってしまいました。
今はウチに慣れるどころか王様のように寛いでらっしゃるのでジムに行くくらいどうってことないけど、すっかりサボり癖がついてしまいました…。
ワタシが健康に働かないとブリ男の生活クオリティが下がってしまうわけですから、真面目に運動しないとね。
というわけで、今年の残り2カ月余の目標は「ジム習慣の復活」です…。
もうひとつの反省点は、自炊率が下がってしまったこと。
在宅時間が延びたのに料理をしなくなるってどういうこと。
ブリ男がおチビちゃんのときはとにかく「構え構え!」と脚に飛びかかってきたので、おちおち料理をしていられなかったのです。
参考:仔猫の噛み癖
今は今でひらりとキッチンに乗ってしまうから、これまたおちおちと料理をしていられない。
キッチンに乗って観察しているだけならいいんだけど、置いてあるモノを片っ端から触ろうとするし、シンクに入って水遊びをしようとするし、目が離せません。
なのでブリ男がゴハンを食べている最中にささっとできるものしか作らなくなってしまいました。
休日もブリ男の「食べたい」攻撃をかわしながら料理をする根性がない日は、外食で済ませてしまいます。
週末でも5時に起こしてくれるブリ男のおかげでモーニングをやっているお店の開拓が捗ります…。
\俺の領土なのに乗っちゃいけないとか言うデカい生き物、意味不明/
ブリ男と暮らし始めるときに決めたことは「とにかく猫に話しかける」ということでした。
実家で飼っていた犬が人間同士の会話を聞いて勝手に言葉を覚えていたのを思い出すにつけ、その機会がないブリ男が不憫。
会話の機微は身につかないにしても、せめてデカい生き物がしょっちゅう言うことくらいは理解させてやりたいと思ったのです。
というわけで、傍目から見て「あの人ちょっと大丈夫?」ってくらいの勢いでブリ男に喋りかけています。
大抵は「ブリ男はホントに可愛いね~いい子だね~」と脈絡もなく褒めまくっています。
いつものことなのでブリ男は特に喜びもせず、「俺が可愛いとか知ってるし」みたいな風情でぷいっと視線を逸らしてしまう。
あとは爪とぎやトイレの度に「ブリ男はホントにお利口さんだね~上手だね~」とこれまた褒めまくっています。
こっちはちょっと嬉しいみたいで、爪とぎのときはドヤ顔しています。
いつも寝起きに爪とぎをするので「ブリさん、爪パリパリは?」と爪とぎの仕草をしてみせたら、爪とぎポールまで行ってパリパリ研ぎ始めたときには感心しました。
あとは「ゴハンをいっぱい食べて偉いね~」とか「ちゅーちゃん(ネズミのオモチャ)を捕まえるの上手だね~」とか、褒めまくって生活しています。
参考:部屋中、猫のオモチャまみれ!
「明日は雨なんだって」なんてしょーもないことや「週末はお母さんの友達が来るよ」てな業務連絡も、とりあえず言っています。
この辺は無反応ですが、致し方なし。
しつこく話しかけていたら何となく言葉は覚えるようで、「遊ぶ?」とか「お腹空いた?」とか「ゴハン?」なんてことを言おうものなら目をカッと見開いて「ンアアァアン!」と感極まったように鳴きます。
カリカリを出している最中、ワタシの足元をウロウロするブリ男に「お部屋で待ってて」と言ってケージの柵を叩くと、ケージの2階にすっ飛んでおすわりをし、目をキラキラさせています。
ラクなのは「おいでおいで」を覚えてくれたこと。
「おいでおいで~」と呼んだ後にゴハンを出したらすぐに覚え、耳と尻尾をぴーんと立てて小走りに寄ってくるようになりました。
行ってみたら歯磨きだったなんてことも多いし、ブリ男の気が乗らないときは来ないんですけどね。
ブリ男からワタシへのアプローチは静かなもので、猫じゃらしで遊びたいときはキッチンカウンターの下でじっと座っています。そこがブリ男のホームポジション、狩りの出撃陣地なのです。
ゴハンが欲しいときも、皿の近くに座ってじっとワタシを見ています。こっちは遊びよりも欲求度合いが高いようで、か細い声で「……アッ」と鳴きます。
オモチャを無くしたときも黙ってワタシを見ているし、トイレに入るときも鳴く前にとりあえずワタシを見る。
目で訴えれば何とかなると思っているらしいのですが、たまに何を要求しているのかわかんないこともあるのでもう少し多彩な表現をしてほしいと思うときもあります。
最初にブリ男と明確にコミュニケーションが成立したと感じたのは、ブリ男がちゅーちゃんを見失ってウロウロと探していたときでした。
ワタシが「ブリ男、これでしょ?」とキッチンに落ちていたちゅーちゃんを拾って見せてやると、まだ体重が1キログラムもない小さなブリ男は「それーーっ!」とでも言いたげに可憐に「ニャーー!」と鳴きました。
今思うと、ああやって何でも察してやってたから「デカい生き物は期待通りのことをしてくれる」と黙って待つようになってしまったのかもしれません。
たまにワタシの察しが悪いと、脚とか背中とか頭とかをぽくぽくぽくっと叩いてきます。
もちろん爪は出さずに。
「お母さんにはガリガリとガブガブはやっちゃダメよ」という説教は効いているようです。賢い子だなあ。