猫の躾とコミュニケーション

「猫は躾ができない」というのは、ある意味真実でもあり、ある側面ではそうでもないということがわかってきました。

脅えているわけではなく、遊んでいる最中の小休憩

犬は「やりたいけど人間に叱られるのがイヤだからやめとく」という行動を取るけど、猫は別に人間に嫌われても構わないから叱られてもどうでもいいらしい。そういう意味では躾はできないです。

ブリ男は、何度か繰り返しているうちにワタシが低い声で「ダメ」とか「痛い」とか言うと「あのデカい人間は嫌がっている」というのは理解したようです。一応。

ただ、ワタシが「ダメ」と言って首を振っていると「えー、ダメなんだ」と不満そうに止めるときもあるけど「ダメなんだ! ふはははは!」と余計に荒ぶるときもあります。

なので

  • やられたら困ることは物理的にできないようにする
  • わざとイタズラするときは徹底的に無視
  • 別のことで発散できるようにしておく

という対策を取るというのが躾といえば躾とでもいうんでしょうかね。

ま、赤ちゃんのときは「ダメ」と言っても無反応だったので、「ダメ」と言うと一応ワタシの顔を見るようになった今はラクになったと思います。

 

ブリ男の好きなイタズラに、キッチンに掛けてあるタオルを引きずり落としてもみくちゃにするというのがあります。


参考:【入居1年web内覧会】新しいキッチンで料理が捗る…?

赤ちゃんのときからタオル地が大好きで、牙でループを引っかけては引きちぎるという遊びをするブリ男。おかげで布団の襟元に襟カバー代わりに留めているタオルがボロボロです。

猫
参考:人はタオルひとつでどこまで幸せになれるのか

ま、それはいいんだけどキッチンでは清潔にした手を拭くためのタオルですから、常に乾かしておきたいわけですよ。それがふと気づくとブリ男がもみくちゃにしてフード食べ立ての牙でガッブガブに齧っているから「おおぅ…」となります。

だからブリ男がやんちゃくれているときはタオルバーから外してカウンターに置くのですが、うっかりバーに掛けてしまいブリ男の毒牙にかかるということがしばしば。
その度に「あっ、しまった」とワタシが回収に行くので「これで遊べばデカい人間が釣れる!」と学習してしまったようです。

なのでブリ男がタオルを引きずり落としたら「ダメ」とも何とも言わずに取り上げて、ブリ男無視作戦を取ってみました。
これが案外本人は応えたようで「いつもなら『ダメでしょ~』とか言うのに」的な怪訝な顔をしている。ワタシが反応しないならやっても大して面白くないらしく、タオルを掛けておくと100%オモチャにされるということはなくなりました。

それと共に、部屋にはブリ男のオモチャを撒き散らす!
動かないタオルよりは手応えや音のあるオモチャの方が楽しいようで、ネズミのぬいぐるみを咥えて走り回っているときはタオルには目もくれません。

ま、一番楽しいのはワタシが構ってあげることらしく、最終的にはワタシの脚に突撃してくるんですけどね。うふふ。

今でもワタシの構い方に不満があるとタオル作戦が発動され、すんげー可愛い顔で見上げてくるので、ワタシが我慢できなくてたまにはブリ男の思惑通りに構ってしまいます。
冷蔵庫横の隙間に逃げ込んだブリ男をふんづかまえ(この時点で喉をぐるぐる鳴らしている…)「タオルを落とした悪い子は誰だ~」と言いながら暴れるブリ男を抱っこし続け、爪を出さずにばたばたするブリ男が「キャー(棒読み)」と言い、ワタシが全身を揉みまくる。
この「悪役とお姫様ごっこ」は、ブリ男が気持ちよくなってとろ~んとするまでが一連の流れです。
別にタオルを落とさなくてもやるんだから、もうちょっと別のリクエスト方法にしてくれませんかね。

物の本には「猫の躾は『それをやると嫌なことが起こる』と覚えさせればいい」なんてことが書かれています。
イタズラをしたら人間がやったとわからないように揺らす・大きな音を出す・水をかける、てなことですね。

ブリ男に関しては、これらはまったく無意味でした。

最近、椅子から机に飛び乗る技を覚えてご満悦のブリ男。

猫
↑椅子初登頂の際のドヤ顔。

猫
↑すぐさま背もたれへの登攀に挑戦するも、あえなく落下。
その後しばらくは椅子にすら乗らなかったけど、すっかり平気になってしまいました。
(寝具がくちゃくちゃなのは朝の狩猟ごっこの名残です…。)

テーブルに乗るのは別にいいけど、人間の食事の最中は誤飲の心配があるから上がってほしくない。そしてキッチンもワタシの使用中は誤飲に加えて刃物と熱の心配があるから上がってほしくない。
かといって、いつは上がってよくていつはダメなんてことは理解できないだろうから、乗ってはダメな場所と教えた方がいいかもしれない。

そう考えて、ブリ男が初めてテーブルに乗ろうとした瞬間、テーブルの天板を裏から叩いて音と揺れを与えてみました。
ビックリして固まるブリ男。ふふふ、効いたか?
しかし再度挑戦するブリ男。またテーブルを叩くワタシ。固まるブリ男。しかし果敢に挑戦するブリ男。また叩くワタシ。でも挑戦するブリ男。
数回で「この音は別に危険じゃない」と理解したらしく、軽やかにテーブルに上がってしまいました…。

霧吹きで水をかけるってのもやってみたんですが、全然応えていません。
ブリ男のトイレ掃除のときに消臭スプレーをプシュプシュやっているところに突撃してくるくらいだから、多少濡れるのは平気みたい。
君はホントに神経の太い男だな…。
参考:ずいぶんと肝っ玉の据わった猫

仕方がないので、食事中にテーブルに上がろうとしたら「ダメ」と言って手で制したり、上がってしまったら椅子に下ろすようにしています。
何度も食事探索を阻まれるのでブリ男はイラついたらしく、急にシュババッとケージの上に乗って、置いてあるタオルにガブリと噛みつき、ループをビリビリと割いていました。チビッ子が般若の形相をしていて可笑しかったです。

その後は般若になることもなく、ワタシの食事探索を何度も阻んでいるうちに「ちぇー」てカンジで椅子に寝そべることもあるので、案外「デカい生き物はエサに手を出すと怒る」てことを覚えてくれるかもしれません。椅子からワタシの食事風景を観察するブリ男。それは楽しそうだ。ぜひ覚えてほしいものです。
あるとき、ワタシの料理中にテーブルに上がったので、試しにキッチンから「乗っちゃダメよ。おんりしなさい」と言ったら「イヤだー!」的にニャーと返事したので、こっちの言いたいことは理解しているっぽいです。言いつけを守るかどうかは別として。

今のブリ男の野心の矛先は、キッチンです。
遊び疲れたときはテーブルや床からワタシの様子を見ているだけだけど、ヤル気満々のときは伸びをして何とか上を見ようとしたり、ワタシにミャーミャー訴えかけてくる。
何の足場もなく90センチの高さにひらりと飛び乗ってしまうのはいつのことなんでしょうねえ。きっとすぐなんだろうな。
参考:【キッチン】劇的に作業を快適にする要素とは!?

赤ちゃんのときはやみくもにワタシに飛び掛かってきたので「あの弾丸毛玉にいつ襲われるのやら」とひやひやしながら生活していました。
キッチンに立てばいきなり脚に飛び掛かってくるし、ベッドに寝ていれば顔面に飛び掛かってくる。
ブリ男が「あのデカい生き物が嫌がっている」というのを察してくれるようになってからは、脚へ飛び掛かるときは爪なしで「ぽふっ」とタックルするだけになったし、狩猟ごっこの最中に顔に向かってくることはなくなりました。

最近は、食事前の猫じゃらしタイムに「遊ぶ?」と訊くと「ニャー」と返事をします。んでスタスタとじゃらしの保管場所に駆け寄っていくので面白い。

ブリ男から遊びやイチャイチャに誘うときも、昼寝をしているワタシの頭をトンと叩いたり、椅子に座っているワタシの背中にガシッとしがみついたり、萌え萌えな行動を取るようになりました。
イタズラしたり噛んだりじゃなくて正しい誘い方をすればいいんだってことをわかってもらうために可愛く誘ったときは乗ってあげるようにしていたら、ブリ男を構ってあげる時間が日に日に延びてしまっています。猫は構わない方が喜ぶと言ったヤツ、出てこい。

 

なかなか名前を憶えないなあと思っていたのがどこへやら、最近は振り向いたり尻尾を振ったりテンションが上がったりと反応を見せるようになりました。

先日は、夕食後に一通りワタシのゴハンの邪魔をしてなでなでしてもらってまったりしているときに「ブリ男、ウンチは?」と声をかけると、タタタッとトイレに入ってホントにウンチを始めました。
んまー、君「ウンチ」を覚えていたの! お利口さんね!
と大感激したお母さん。

ブリ男とのコミュニケーションが取れるようになって、猫生活がますます楽しくなってきました。
猫ってクールかと思いきや、甘えて拗ねてと感情表現が豊かで面白いです。

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

4 thoughts on “猫の躾とコミュニケーション”

  1. いやいやいや、猫が構って欲しくないときには構わないほうが喜ぶ、ということであって、常にお猫様の御意向によるのですよ。フフフ。ウチは今年11歳の女の子ですが、遊べ~と誘うくせに即効飽きる性格なので楽なのかどうか?大きくなるのはアッという間なので楽しんで、うんとかわいがってあげてくださいね!

    1. さなちゃんサマ
      コメントありがとうございます。

      常にお猫様のご意向!
      ホントその通りです〜!
      遊べ遊べとうるさいブリ男を後回しにして用事を片づけていたら、久しぶりに爪を立てられました…。
      やんちゃくれ小坊主は遊び出すと長いんですよねえ。

      でもこれも今だけの特典ですね。
      11歳になったブリ男に、昔はあんなにやんちゃくれだったのにねえウフフと話しかけるときのことを妄想しながら本日も弾丸毛玉の相手をします♪

  2. こんばんは。
    ブリ男くん、お利口さんだわー!
    漫画家大島弓子さんの愛猫サバも、ウンチをしたときに褒めていたらその言葉を覚えて、声をかけるとしてくれてトイレ掃除が楽だったそうですが、特別なことのようです。
    初代猫が我が家に来たとき、私も一生懸命「ウンチ」と語りかけたのですが、効果ありませんでした。
    「おやつ」という言葉には反応していそいそとやってくるんですけどね。

    1. いちひめサマ
      おおお、サバちゃんと並ぶとはブリ男も出世したものです笑

      ただ、いつもやってくれるわけではなく、それどころかウンチの前にトイレでゴロンして
      「ほら、頑張ってウンチして~」とワタシに励まされてようやく砂を掻く、みたいな日の方が多かったり…。

      ブリ男は食にこだわりがないのか「ゴハン」の反応が薄くて、それはそれで気を逸らす手段が減ってしまって困っています。
      食に執着しないくせにめきめきと大きくなって、頼もしいような怖いような不思議な気分です笑

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