ずいぶんと肝っ玉の据わった猫

ブリ男との生活が始まって数日、彼の大らかさに非常に助けられています。

ワタシの動物飼育経験は、実家で犬を１匹飼っていただけ。
犬と猫では比較しても仕方ないとわかっているけど、乏しい経験では脳内に入っている事例がコレしかないものですからついつい比べてしまいます。

んで、飼っていた犬というのが神経質な牧羊犬だったものですから「猫って肝が据わっているなあ」とビックリしました。

ワンコが初めてウチに来た夜は、一晩中キュンキュンと鳴いていました。
それまできょうだい犬数匹と団子になって寝ていただろうに、急にひとりになったから淋しかったようです。
しかしそこで構うと鳴き癖がつくから、鳴き声と首輪の鈴の音に悩まされながらもそのままにしていました（翌晩からは鳴かなくなった）。

ブリ男も騒ぐんだろうなあ…と覚悟して臨んだ初夜でしたが、ウンともスンとも言わずじまい。
引越で疲れて熟睡していたのか、はたまた慣れない環境で緊張してじっとしていたのかはわかりませんが、明け方まで静かに過ごしていました。

明け方にブリ男が「アッ」とか「ンッ」とかか細い声を上げて、それで目が覚めました。
いやー、授乳中のお母さんが目を覚ます気持ちがわかりましたわ。赤子の声ってのは小さいくせに「何事か！？」と反応してしまいますね。
初日はワタシの顔を見てもポカーンとしていたのが、一晩経つとブリ男の方から前足を伸ばして抱っこをせがんでくるようになりました。んで抱っこすると爆音で喉をぐるぐる鳴らすので、可愛くって仕方ありません。

 

あと「大らかだな」と思ったのが、生活音には全然頓着しないところです。

飼っていたワンコは人が何か音を立てようものなら「おやつなの！？」「散歩なの！？」「なんか嫌いな音！」なんてカンジでバウワウ吠える子でした。
なのでビニール袋ひとつを開けるにも「ガサガサ鳴るとおやつを期待するからなー」と気を遣って静かに開けていたんですね。

ブリ男の場合は、まだ相関を理解していないせいもありますが、未知の音にも動じる気配がありません。
あちこちの家電の音も平気だし、玄関のチャイムにもパニックを起こさないし、寝ている間に掃除機をかけても起きない。
掃除機に向かって親の仇のように吠えていた犬を思い出しつつ「マジか…」と驚きました。

それならと、ブリ男をケージに入れた状態でハナコ（ルンバ）を動かしてみると、さすがに動くから「何だアレ」という顔でじっと見てます。でも暴れたり威嚇したりする様子はなく、見てるだけ。
ストレスを内部に溜め込むタイプかしらと心配もしたのですが、吐いたり下痢したりする様子もありません。
テレビも「何だアレ」という顔をしていましたが、すぐに興味を失ったらしく寝ていました。

同室で寝ている子がいたら静かに暮らさなきゃいけないのかと思っていたけど、ブリ男に関してはあまり気にしなくてもよさそうです。
いつもよりガチャガチャと生活してみても「そんなもの」と思っている風で気にしていなさそうです。

神経質なワンコはそれこそ「そんなもの」と思っていたので飼いにくかったわけではないのですが、猫と比べると牧羊犬は飼育のハードルが高い生き物だったのだなあと今さらながらに思い知りました。ま、その手間がかかるところが可愛かったわけですが。

しかし、ブリ男が音に無頓着なのはケージに入っているとき限定のようです。
遊ばせるために部屋に放すと、興奮と緊張で昂ぶっているらしくてちょっとした物音にも反応する。ワタシがソファの上でお尻を動かしただけでピュッと飛んでいくので、ブリ男が遊んでいるときは迂闊に動けません。

ま、これもケージの中は安心できる空間と認識できた証拠ということで、喜ぶべきことなのかもしれません。