年末から度々鏡餅を棚から叩き落としてくれたブリ男さん。
鏡開きの日に、存分にオモチャにして遊んでもらいました。

水引は飲んじゃいそうなので早々に処分しましたが、プラスチックの橙はまだ夜な夜な転がして遊んでいます。
さて、鏡餅ブームと同じ時期、ブリ男に鏡ブームが到来しました。
何がきっかけだったのかなあ。
ある日、ワタシがお湯を張ろうと浴室でガタガタやっていると、ブリさんがのっそり登場し、浴室のドアの前でちんまり座って何かをガン見していました。
いつも風呂の蓋の上に乗って流れ出るお湯を眺めるのがお約束だったのに、なぜか蓋に乗ろうとしない。
視線の先もワタシというわけではなく、ちょっとズレた場所を一生懸命見ています。
程なく「ああ、鏡の中のワタシが気になっているのか」と気づき、鏡の中のブリさんに向かって手を振って「ブリさん、お母さんだよ〜。ブリさんも映っているねえ」とか何とか言ってやると、ブリ男は驚愕した表情を浮かべていました。
ええ、今更?
昔、実家で飼っていた犬は、行動範囲を庭と玄関に留めていて室内に上げなかったので、鏡とは無縁でした。
いつぞやか、抱っこして玄関横に掛けてあった鏡を一緒に覗くと「知らん犬がいる!」となったらしく、ウーッと唸り始めてしまった、というくらい鏡は馴染みのないアイテムでした。
それがブリ男は生まれてこの方リアルな砂を踏んだことがないという、完全室内飼いの温室育ちな箱入り息子。
しばらく縄張りがリビング限定だったので鏡と無縁だったとはいえ、夜窓ガラスに映る自分の姿を見ていたので、洗面所や浴室で鏡を見ても特に反応することもなかったのです。
それが今更「デカい生き物がもうひとり…!?」みたいな顔をしたので「ブリさんよ、何があった」となったのでした。
ブリ男がまだ小さい頃、彼は「自分も大きくなったらデカい生き物になる」と思い込んでいました(多分)。
今はまだ子どもだけど、大きくなったらデカい生き物になって、お母さんと同じようにあちこちで色々できるんだ!
と、無邪気に信じているように見えたのです。
君は「綿の国星」のチビ猫かね。
なのでワタシが行くところにずっとついてきて、収納の扉を開ければ一緒に覗き込み、料理をすれば自分もキッチンの上を見ると騒ぎ、ワタシのゴハンに手を突っ込もうとして「ブリさんはダメよ」と言われては「何でだよー!」みたいに怒っていました。
そして、自分は男子だという自覚もあるようで、ウチに来る友人知人や出入りする業者さんの男性を見ると「俺もいつかこうなるんだぜ!」みたいな、えらく誇らし気な顔をして彼らを見上げていたのです。
うーん、ブリさんはどんなに大人になっても人間になれないと、どう説明したものか。
と、ワタシはちょっと困惑していました。
ブリ男が真実を察してしまったのは、夜の窓ガラスがきっかけでした。
窓の外が見たいと言うので(実際に言ったのは「んあーぅ」とかだけど)窓ガラスを開けてやろうとガラスの前に立つと、ブリ男が驚いた顔をしてガラスとワタシを交互に見比べています。
「あれ、こっちにもデカい生き物で、あっちにもデカい生き物で…」と混乱している様子なので、指で示しながら「こっちもお母さん。あっちもお母さん。お母さんが映ってるねえ。ほら、ブリさんも映ってるね。モフモフの可愛い子がいますね〜」と説明してやったところ、ますます驚愕の表情を浮かべるブリさん。
「えっ、デカい生き物と俺、違い過ぎない…!? ひょっとして、違う生き物なわけ?!」
と、賢いブリさんは察した様子でした。
大人になってもデカい生き物になれない。
というのはブリさんにとって大きなショックだったようです。
その窓ガラス事件を境にしつこくワタシの真似をしなくなったし、男性がウチに来ても「ふーん」という顔をするようになりました。
なんだか悟ってドライになったというか。まあ、ちょうど去勢手術を受けた頃と重なっていたので、大人の階段を昇ってしまったのでしょう。
参考:[猫の去勢]ブリ男、去勢手術を受けました。
そういう段階を経ていたので、今更鏡の中にビックリしたことにビックリしたのです。
お湯張り中のバスタブをガン無視して鏡に近寄るブリさん。

デカい生き物が中にいるぜ…!

これが俺…? まじイケメン…!

と、数日間はお風呂の支度をするときに鏡を覗いて、その度に「イケメンいるぜ…!」みたいな顔をするのがブリさんのブームでした。
その割には洗面台に乗っても鏡にあまり食いつかず、「デカい生き物いるねー」くらいの関心度合いだったのは何だったのか。
鏡ブームが去った後は、また蓋の上に乗ってお湯を観察するという、いつものブリさんに戻りました。
ゴハンのことしか考えてないようでも、その小さくて丸い頭でいろいろと考えているのね。というのが垣間見えて、面白かったです。
コメントを残す