2軒目のマンションを買うと決めたとき、販売業者の営業マンに「今の部屋はどうします? 買い替えですか。それとも買い増しですか」と訊かれました。
買い増し……。
買い増し!?
鉢植えじゃないんだから。
営業マンの言わんとするところは、無理に売りに出さなくても貸せばいいですよーということです。
確かにワタシの1軒目のマンションの周辺の賃貸相場を見ると、かなりいいお値段。
2軒目のマンションの住宅ローンの月々の支払額を軽く賄えるだけの賃料です。
ただなあ。
マンションを所有していると、支払わなきゃいけないものが諸々あります。
ひとつは管理費。
まあこれは賃貸に出せば、借主に負担させればいいです。受益者負担でよかろう。
もうひとつは修繕積立金。
これも含めた賃料に設定しておきたい。
さらには固定資産税。
…街中のマンションに住んでいると、この負担がバカにならないです。これも賃料に含めるとなると、そりゃ賃貸相場がずり上がるわけだ。
- 住宅ローン
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
これらを補ってさらに利益も乗っけられるなら、賃貸に出す甲斐があります。
実際、ワタシの1軒目のマンションを貸しに出した場合、これらの費用は余裕で捻出できる賃料相場でした。売りたいとワタシが伝えると、営業マンが「もったいない」と言っていたほどです。
それでもやはり売却してしまいたかったのは、リスクがあるからです。
ひとつは、あちこち修繕しなきゃいけない箇所が発生した場合、ワタシが負担しなきゃいけないというリスク。
給湯器の交換とか、ゆくゆくは浴室やキッチンの総取り替えなんて事態にもなるハズ。
そして新しい設備を入れておかないと次の借主が見つからないから、そこそこ投資をしなきゃいけません。
いや、その前にワタシが凝りに凝っていい設備を入れたくなるに違いない。自分が住むわけじゃないのに。
もうひとつは、空き家になってしまうというリスクです。
そうなると、管理費だの固定資産税だののコストは全部自腹を切らなきゃいけない。
その金額が別に大したことなければ1軒目のマンションを所有し続けてもよかったのですが、薄給OLだとちょっと厳しいんですね。2軒目のマンションの住宅ローンの支払いもありますから。
かと言って自分の大事なお城ですから、どんな人に入居してもらってもいいというわけではないです。支払遅滞の恐れのない、清廉潔白な人に住んでほしい。
友人がまあまあいいマンションを持ってまして、やはり借主を選んでいたら10カ月ほど空き家になったそうです。
その子は稼ぎがいいから痛くも痒くもないようですが、ワタシには10カ月分の余分なコストを払う余裕はない!
不動産屋が借り上げてくれるシステムもあるのですが、試算してもらったらコストはとんとんだけど利益は出ないカンジでした。
委託料を安心代だと思えばいいっちゃいいけど…利益が出ない資産を所有し続ける意味って何だろう。
幸い、1軒目のマンションを売りに出したときは名古屋の不動産市場が活況で、良いお値段で売ることができたので売却しちゃいました。
参考:【マンション売却】仲介業者の選定・前編/後編
もし、1軒目と2軒目の立地やスペックが極端に違っていたら売りに出さなかったかもしれません。
そのうち「あっちの部屋に住みたい気分かな~」と戻ってもいいわけですからね。
ただ、どちらも似たような立地と間取りなので、それはないと判断しました。スペック的には2軒目の方が良いし。
それに1軒目の売却活動でなかなか売主が見つからない…て状況が結構しんどかったので、「もし賃貸に出して空き家になる度に胃を痛めるのか…」と想像するととても神経がもちそうにありませんでした。
ワタシみたいにせっかちでスパーンと物事を決めたいタイプや、ワタシみたいに使っていないモノはどんどん手放していきたいタイプは、賃貸に出すのは向いてないかもしれません。
参考:[ミニマムワードローブ]服を捨てる基準6カ条