まだ寒さの残る中、長野市へ行ってきました。
名古屋からは「信州は近い」というイメージがあります。
しかしそれも岐阜に近い部分の話で、もう少し行けば富山だの新潟だのになってしまう長野市は遠い!
ワイドビューしなので3時間かかりますからね。
「しなの」以外のアクセス方法だと東海道新幹線と長野新幹線を乗り継ぐという方法もあるけれど、そっちも3時間かかるようです。
人の多い東京で乗り換えとかやってられないので、「しなの」に乗ってのんびり旅情を味わってきました。
今回のお目当ては善光寺です。
『善光寺縁起』によれば、御本尊の一光三尊阿弥陀如来様は、インドから朝鮮半島百済国へとお渡りになり、欽明天皇十三年(552年)、仏教伝来の折りに百済から日本へ伝えられた日本最古の仏像といわれております。
(善光寺)
マジか!
なぜそんな仏像が京都でも奈良でもなく長野にある!
という疑問が昔からありましたが、何しろ長野市って近くはないからなかなかお参りできずじまいだったのです。
しかしもうそろそろいい歳だし、あと10年もすれば「参拝するにも足腰がねぇ」なんて言っちゃう可能性もあるわけだから、ぼちぼち行くことにしました。
長野駅から善光寺までは2キロメートルほど。
天気が良ければ歩けないこともないけど、参道は緩い登り坂なので軽い気持ちで歩くとしんどくなりそう。なのでバスを使うことをオススメします。
かと言って、まったく歩かないのももったいないです。
なぜなら参道沿いに味のある建物が多くて、眺めているだけで面白いから。
途中のアーケードを覗いて昭和感満載の店先の様子を楽しんだり。
ついでに蕎麦屋に入ったり。
今回は二本松に行ってきました。
ツルツルしこしこの蕎麦がたまらんです!
ついでに舞茸の天麩羅も。
もつ煮。出汁が効いていて旨い。
古い民家や蔵を改装したオシャレな店を探したり。
街並みに合わせてクラシカルなデザインで建てられた郵便局を見つけたり。
八幡屋礒五郎の店頭の巨大唐辛子を見つけてフラフラ入ったり。
コレ、江戸時代は唐辛子売りが背負ったヤツなんですかね。
八幡屋礒五郎の七味はその辺の土産物屋やコンビニですら売っているけれど、本店だと好みの味に調合してもらえるのでオススメです。
とかいって、どんな塩梅だと美味しいのかよくわかんないので、結局出来合いの缶入りを買ってしまうんですけどね。
名古屋だと原了郭の黒七味がメジャーだけど、信州蕎麦のお店だとやっぱり八幡屋礒五郎が置いてあります。
だいぶ道草を食いましたが、ようやく善光寺へ。
寒い時期だと、人出はほどほどでした。
これくらいだとゆっくり回れていいです。
仁王門には金網ががっちり張られているので、仁王様を撮影するのが難しい。
仁王門に掛けてある大量の草鞋。
仁王門から山門までは土産物屋が連なっています。
立ち寄るのは参拝の後! と我慢して山門へ。
はー、こんな田舎に(←失礼な)なぜこんな立派なお寺が。と口を開けて見上げてしまう。
本堂内は写真撮影禁止なので画像ナシ。なかなかゴージャスな本堂でした。
さて、どうして善光寺に行きたかったかというと、戒壇巡りをしたかったからです。
仏様が安置されている戒壇の下に地下通路があって、そこをぐるりと回れるようになっているのです。
そして、その通路には照明が一切ないのですね。
真っ暗な中、壁伝いにそろそろと歩くことになるのです。
目を開けても閉じても一筋の光も見えないというのは、なかなか日常で体験できることではありません。と、戒壇巡りをして実感しました。
寝るときは照明を消すといっても真の闇になるはずもなく、カーテンの隙間から街路灯の光が漏れたり、部屋の中で火災報知器や家電のランプが灯っているものです。
目を閉じたらそれなりに暗いけど、目を開けたらそういった光があるおかげで、距離感や方向は失わずに済む。
それが、まったくの闇、しかも初めての場所を歩くというのは、かなりの恐怖でした。
友人もほかの観光客もいてぼそぼそ喋る声が聞こえるからまだいいけど、周りに誰もいないとものすごく怖いと思う。
頼りになるのは壁だけで、その壁もひんやりしているからしっかり触っているとどんどん体力を奪われていくし、しかもときどき柱が出っ張っているからその度に「ひっ! ヘンなところ触った?!」とビクビクします。
途中、錠前(仏様の分身ってことらしい)が壁に掛けてあって、それを触るとご利益があるそーな。
ということを既に戒壇巡りを経験済みの友人が教えてくれたからドキドキしながらミッションコンプリートしてきたけど、何も知らなかったら「ひっ! ヘンなところ触った?!」と恐怖がいや増すに違いないです。
地下通路の最後の角を回ると、上に登る階段から光が差し込んできます。
明るさがあれほどありがたかったことはありません。
数十年前までは、経帷子を着て草鞋を履き、手には白木の念珠をし、口には「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱え、死出の旅路の装束でお戒壇巡りをする風習がありました。これは、善光寺で極楽往生のお約束をいただき、いざ今生の別れを迎える時、その装束をして極楽へお連れいただくためのものでした。
そうだったのか! そりゃ皆が熱心に善光寺参りをするわけだよ。
これでワタシも極楽往生間違いなし? と言いたいところだけど「南無阿弥陀仏」じゃなくて「くらーい」とか「こわーい」とかばっかり唱えてきたからいかほどの効果があることやら。
光のありがたさを思い知ったところで、より明るさを求めて山門に登ってきました。
山門も、階段がえげつないくらい急でなかなかスリリングでしたが、真っ暗闇に比べれば大した問題ではなかったです。
山門の内部は撮影禁止。落書きがいっぱいで面白いですよ(ここ最近の落書きもあって、それはどうかと思ったけど)。
帰り道のお楽しみは、参道での買い食い。
ほかほかお焼きで暖を取りました。
おやつ代わりということで粒あんをチョイス。
しかし、美味しいお焼きを食べたいなら、長野駅前の東急に入っているいろは堂のものをオススメします。
餡がぎっしり!
薄めの皮がまた美味しいんだ!
定番の野沢菜やネギ味噌などのおかずお焼きも、温めても冷めても美味しかったです。
お取り寄せできるので、粒あん入りを大量に冷凍庫にストックしておこうか真剣に検討中。
ワタシの冷凍庫の餡子ストックの王者・大手まんぢゅうの地位危うし!
参考:餡子好きの餡子好きによる餡子好きのためのオススメお菓子まとめ
2 thoughts on “旅ログ ~牛に引かれて善光寺~”