ベッドにセットするのが羽毛布団からタオルケットに替わる頃。
ブリ男の寝る場所が、ベッドから爪とぎやケージの上になりました。

こうなると、ブリ男は宵の口には一緒に寝てくれなくなります。
冬の間は、ワタシが布団に潜って消灯するや否や布団の上に乗って、ワタシの脚にぐいぐいもたれながら毛繕いをして丸くなります。
それが夏になると、爪とぎだのテーブルだのケージの天板だの平らで広々とした場所で寝るようになりました。
まあねー、ブリ男と過ごす夏も5回目ですから、よくわかってますよ。
初めての夏は「ブリさんが一緒に寝てくれない…」と枕を濡らしたものですが、冬の間寝返りを打てなかったことを思えば別々に寝るのも気楽でいいものですよ。
…と強がりを言ってみました。
ところで、ブリさんの就寝前ルーティンはこんなカンジです。
ソファでダラダラしているデカい生き物の頭をポクポク叩く。
デカい生き物がグラスを片づけたりする様子をキッチンで観察し、あわよくば流水にパンチする。
デカい生き物がトイレから出てくるのを待つ。
寝る前のおやつをもらう。
まだ流水で遊びたいので再びキッチンに乗る。
再度流水で遊び出すとキリがありません。
なので「ブリさん、お母さんと一緒に寝ようよ~」と抱っこしようとブリ男を追いかけるのですが、ブリ男は抱っこがイヤなので「んぎゃっ!」とか言いながら爪とぎを踏み台にしてキッチンに乗ります。
そんで水栓をふんふん嗅いで「水出せよ」と訴えてくる。
ある日、ブリ男がキッチンにジャンプしようと踏み台の上で身構えているとき、ワタシが戯れに丸まっているブリ男の背中を撫でてみました。
すると満更でもなかったようで、力をぎゅっと溜めていた背中を緩め、爪とぎの上で寛ぐではないですか。挙句にバイクのエンジン音かってくらい喉をぐるぐる鳴らして、ご機嫌です。
そういえば仔猫のとき、床に転がって寝ているブリ男の隣に並んで寝たら、喉をぐるぐる鳴らして喜んでいたなあ。
なんてことを思い出し、ブリ男が嫌がって体勢を変えるまで撫でまくりました。
ブリ男も「就寝前のなでなでon爪とぎ」が気に入ったようで、翌日はおやつを食べた後は爪とぎの上でおとなしく丸くなりました。
昨日と同じようになでなでしてやると、ブリ男も昨日と同じように喉ゴロゴロ。気持ち良さそうに目を細めています。
その翌日も、そのまた翌日も、爪とぎの上でデカい生き物に甘え続けて、それがすっかり習慣化しています。可愛いヤツめ。
しかしブリ男の良くないところは、慣れると喉をゴロゴロしないことです。
数日経つと、爪とぎの上にどーんと横になって「さあ、撫でれ」と背中を向けてくるのに、ワタシが「ブリさん大好きですよ~」と言いながら撫でまくっても無言になってしまいました。
こっちもサービスしているんだから、ブリ男もサービスしてくれればいいのに。
そういえば。
と、ブリ男を撫でながら実家で飼っていた犬を思い出しました。
あるとき犬の背骨の脇を軽く指圧してやると気持ちよかったらしく、ワタシと遊んでいる最中に必ず背中を向けておすわりをするようになりました。
てっきり家族の誰にでもやるのかと思っていたら、突然背中を向けて座る犬と指圧を始めるワタシを見て母が「アンタ達、何やってるの?」と言ったので犬とワタシだけのお約束だったらしいです。
犬が歳を取ってボールやロープで遊ばなくなっても、指圧の習慣は続いていました。
ブリさんも背骨の脇は気持ちいいのかな。
と、軽く押してやると「えぇ…」という顔をして身を捩ったので、あまりお気に召さなかったご様子。あら、残念。
さて、一通り撫で終わったらワタシもベッドに入り、消灯です。
宵の口は一緒に寝てくれなくなったといっても、夜中には淋しくなるのかブリさんもベッドにやってきます。
そして羽毛布団がなくなって、寝相の悪いワタシがタオルケットを蹴散らかしたベッドでは、枕元で寝ます。
ひんやり平らな場所がお好みのブリさんですからシーツの上がいいのと、ユーロ枕に顔を突っ込んで寝るのがイイらしい。
夜中にふと目を覚ますと、ワタシの腕に脚を乗せてユーロ枕に顔を押しつけて、ブリ男がぐーぐー寝ています。
あるいはワタシの枕に後ろ足を乗せたり、ときにはワタシの脇にいきなり脚を突っ込んだり。
寝ているときに脇に何かを突っ込まれるとビックリしますね。「うおっ」とか言いながら目が覚めました。
たまに何かを感じて目を開けると、ブリ男が目を爛々と輝かせてこっちを見ているときがあります。
猫の目の圧ってすごいですね。寝ている人間を起こすなんて。魔法でも使っているのかしら。
互いの息がかかるほどに近い場所で見つめ合うのは妙な気分になります。暗いところで見る猫の目は黒々としていて、吸い込まれそうになりながらブリ男の顎を撫でてやります。
そうするとブリ男はワタシの手を捕まえて、べろんべろんに舐めてくる。
ワタシが寝落ちすると、またじーっと見つめてきてワタシを起こし、なでなでペロペロを繰り返す。
冬の間はワタシの足元からほとんど動かないので、顔のすぐ横で寝るブリさんが可愛いです。
これが可愛過ぎて、最初の夏は寝不足だったなあ。なんてことも思い出したりして。
そして5回目の夏も、ほんのり寝不足になるのでした。
先日、ワタシの入浴中にリビングからブリ男の大声が聞こえてきました。
ブリ男は滅多に鳴かない子で、いかにも猫っぽく鳴くのは何かの都合でケージに幽閉されたときくらいです。
何かあったのかと慌てて風呂から出ると、ケージの天板にでーんと横たわり「おや、もう戻ってきたのかい」みたいなシレッとした顔をしていました。
なんだ、デカい生き物がいなくて淋しくなったわけじゃなかったのか…。
と思ったのですが、やっぱりその日は淋しんぼモードだったみたいです。
なでなでon爪とぎの儀式を終えた後、消灯するや否やベッドに乗ってきました。
「あらあら、ブリさん、お母さんと一緒に寝てくれるの~」とか言いながら慌ててスマホを片づけ、ブリ男に手を貸してやります。
ブリ男はくるんと回ってワタシの顔にお尻を押しつける格好で横たわり、ワタシの掌に顎を、腕には自分の前足を乗せて目をつむりました。
仔猫のときは、こうやってベタベタひっついて寝るときも喉を鳴らしたものだけどね。
なんてことも思い出し、ブリ男のぷうぷうという小さな寝息をBGMにワタシも眠りにつくのでした。

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