ブリ男は寡黙な猫です。
ワタシもブリ男の声を聞くのは、早朝ワタシを起こそうとして「うぁあん」とか鳴くときくらい。
それもやらずに「んっ」とか言って瞼に猫パンチだけという日も多いので、ブリ男の鳴き声はレアです。
ニャーとかミャーとか猫らしい声を出すのは掃除とかの都合でケージに閉じ込められたときくらいで、その「ケージから出せよ!」もトイレの砂をざっくざっく掻いてアピールします(砂をざくざくするとワタシが様子を見に来るから)。
さて、先日友人が仕事の合間にランチしにウチへ寄ってくれました。
友人は猫好きで、ブリ男を飼い始めたときに真っ先に駆けつけてくれました。
が、友人とブリ男がまともにふれあえた例がありません。
というのも子持ちの友人はいつもおチビちゃんを連れてきたので、子ども嫌いのブリ男は不機嫌になっていたのです。
参考:相変わらず、子どもが苦手な猫
最初に友人が会いに来てくれたとき、ブリ男はまだ生後2カ月で何がなんだかわからないお年頃。
入れ替わり立ち替わり出入りするデカい生き物達とワタシの区別がついているのかどうか…というこだわりのなさで、友人の膝の上で腹を開いて昼寝するほど人見知りしませんでした。
それが赤ちゃん連れの友人が来たときは、赤ちゃん同士(人間と猫)が興奮してわちゃわちゃとワケのわからんことになったので、危ないからブリ男にはケージに入ってもらいました。
次にその友人が来てくれたときは、人間に比べて成長の早いブリ男はしっかり自我が出来ていて、嬌声を上げてはしゃぐおチビちゃん達を見て「なんだ、この生き物…」という顔をしていました。いやいや、あなたもちょっと前までは同じように謎の大暴れをしていましたよ…。
そんな数カ月前のことはしっかり棚に上げて、おチビちゃん達がブリ男に触れようものならもう大変。珍しく「シャーッ!」と威嚇してご立腹っぷりを表明していました。
その煽りを喰らって友人もシャーされ、なぜかワタシまでシャーされるという憂き目に。
その後何度か友人が来てくれても、相変わらずブリ男はシャーシャーと不機嫌。
ちょっと不思議だったのが、友人のご主人に対しては割と好意的だったことです。女の人の方が好きだと思っていたんだけどな。物腰が柔らかいイケメンだからブリ男も警戒しなかったのかもしれません。
時は流れて4年余り。
赤ちゃんも幼児になってお母さんべったりではなくなり、ようやく友人がブリ男とサシで対面することが叶ったのです。
最近はワタシの仕事も落ち着いており、相変わらず遠出もないので、シッターさんが来ることもなくワタシ以外のデカい生き物と会うのは久しぶりのブリ男さん。
おチビちゃんと一緒でなければ大人の女性は平気らしく、積極的に近寄って「何だコイツ」とふんふん嗅ぎ回っていました。
いつもはゴハンの準備をしているとキッチンに来て自分も参加しようとするくせに、友人が気になってそれどころではありません。友人の指先や口や頭をくんくんさせてもらいまくっていました。
そこまで近寄るなら撫でさせてあげればいいのに、なでなでは断固拒否するひどいヤツです。手を出すとすたこらと逃げました。
んでブリ男を放置して食事をしながら喋っていると、いつの間にか近寄って友人のバッグや足をすんすん嗅いでいます。
そして友人に対して「んぁああぁ…ん」と高くて甘い声を出すブリさん。
おっ、甘えてる? 可愛いいヤツめーと思っていたら、「んぁああ…ふーーっ!」となぜかナチュラルに威嚇に転じました。別に嫌なことされてないのに、何だろう。
その日、ブリ男はこの「甘え声から続けての威嚇」を数回繰り返していました。
友人の顔を見ながらやっていたし、友人の帰宅後は発動しなかったので、友人に対して喋っていたのだと思われます。でも何を訴えていたのかはよくわからず…。
「ゴハンください、ください………くれっつってるだろがこのボケがー!」ということなのかなあ。
ブリさんは人によって応対がちょくちょく異なるので面白いです。
シャーしたくせに、友人が帰ってしまうと「さっきのデカい生き物、どこに行ったの?」という顔でキョロキョロしていました。
嫌いじゃないならシャーしないであげておくれ。