夏目漱石もびっくりするくらい胃が弱いワタシ。
ついでに腸もイマイチだわ、脈が弱いまで言われるわ、とにかく体力がないです。
そんなワタシが飛行機に乗ると、決まって気分が悪くなります。
あの寒さといい、乾燥度合といい、低い気圧といい、いつまでも続く揺れといい、気持ち悪くて仕方がない。吐きそうになったタイミングでシートベルトサインなど出ようものなら、人生終わりかってくらい気が滅入ります。
おまけに機内だと眠れないものですから、余計に怠くなってしまう。
そんな状態を押してまで何故世界数十カ国を旅して周ってきたかというと。
アホだからなんでしょうなあ…。
さて、アホの子でも何度もやっていればさすがに学習します。
20年間旅行を趣味としてきたワタシが編み出した「胃弱でもラクに機内をやり過ごせるコツ」を紹介します。想定としては、十数時間乗り続けなきゃいけないヨーロッパ便。
時系列に並べていきますね。
空港に着いたら
まず食事を摂ります。
数時間後に機内食が出るのに食べるって、やっぱりアホの子は違うなあと感心してはいけません。
機内では気持ち悪くなって食べられないのです!
というか、ワタシの場合は胃にやたらとモノを入れなければ「胃のもやもや感」とか「猛烈な吐き気」とか「キリキリとした胃痛」が軽減されるのね。
その代わり「空腹の気持ち悪さ」やら「低血糖で手がぶるぶるする」なんて症状に悩まされてしまうので、気圧の安定した地上でエネルギー補給をしておくのです。
かと言って重いものを食べ過ぎるとそれはそれで気持ち悪くなるので、加減が難しいところ。
チェックインカウンターにて
座席を選べる状況なら、後方の通路側を取ります。
理由はのちほど。
最近はフライトを取るときに座席指定ができるので嬉しい。
搭乗ゲートに辿りつく前に
水と食べ物を買います。
水は750ミリリットルサイズのペットボトル(なければ500を2本)。
食べ物は持ち運びやすくて匂いの少ないもの。セントレアだとベーグル&ベーグルでベーグルを買うのがお約束。
これまた機内でいくらでも貰えるのに買うって、ホントにアホの子はすごいわねえとしみじみしてはいけません。
水分が足らないと気持ち悪さがヒートアップするし、喉や肌が乾燥しまくるし、エコノミークラス症候群の心配もあるし、いいことないです。最悪吐く場合でも、胃液を吐くより水を吐いた方がまだ身体がラク…。
一番ラクなのはこまめに口を湿らせること。ごくごく飲むとトイレが近くなるので、ちびちび舐め続けるのがベストです。
そうなるとキャップができるペットボトルを携行しておくのがベターです(航空会社によっては小さいペットボトルが貰えるよ)。
それにいつ機体が大揺れするかわかんないので、コップに液体を入れておくのが苦手。中国で烏龍茶をブチまけたのがトラウマになっています。
あ、お茶じゃなくて水なのは、カフェインやカテキンを摂取し過ぎるとこれも気持ち悪くなるので。麦茶やハーブティーならいいけど、十数時間飽きないのはやはり水。
食べ物はなぜ買っておくかというと、機内でエネルギー切れになったとき用に。
CAに言えば何かしらくれるのですが、それも面倒なときもあるので。なぜかは後述します。
さて、搭乗
後方席を確保すると、早めに搭乗案内をしてもらえます。
まだほかの人がガタガタしている間に毛布や枕の調整をしてリラックスできます。
その隙に何をするかというと、睡眠薬を飲みます。
もうね、気持ち悪いのは眠って回避するしかないんだわ!
ああツラい早く着陸してほしいって十数時間も耐えるくらいなら、薬を飲んで意識を失う方が体力面精神面に良い。
若い頃はどんな環境でもこてーんと眠れたのが、25歳を過ぎてから急に機内で眠れなくなりました。
それに気づいたのがよりによってペルーからの帰り道。4泊8日とか意味不明の旅程で、乗継に乗継を重ねて24時間飛行機に乗るという状況でした。疲労困憊なのに2日眠れなかったせいで、成田に着いた瞬間ブッ倒れましたよ…。
というわけで、飛行機に乗るときは必ず睡眠薬を持っていきます。
持病がある方は、かかりつけのお医者さんに相談すれば服用している薬とケンカしないヤツを出してくれますよ(多分)。その際、できれば「寝つきがよくなるタイプ」より「長時間眠れるタイプ」にしてもらった方がラクかも。寝つきがよくなるだけだと2時間くらいで目が覚めちゃうことがあるんだよね。あと、できれば胃腸薬も出してもらった方がいいです。
どこでも眠れる自信のある人は、市販の催眠剤でも充分だと思います。弱い薬なら胃が荒れることも少ないのでちょっと安心。薬剤師さんに相談してくださいませ。
飲むタイミングを搭乗してからにしているのは、一度そろそろ搭乗だからと先に飲んだとき、搭乗開始が遅れてフラフラになったからです。
これも薬の種類と体調によって効果が出る時間が変わってくるから何とも言えないけど、少なくとも搭乗前に倒れるのは避けたいところ。
薬に頼ってでも眠った方がラクだと悟ったのは、N.Y.の帰りでした。
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極寒のN.Y.でまんまと発熱したワタシはCAに泣きついて風邪薬を貰うことに。さすがアメリカン、薬が強かったらしくてすこーんと寝つき、次の瞬間名古屋(当時は小牧空港。大雪の影響でフライトがごたごたしてラッキーなことに直行便化した)に着陸してました。
12時間も熱にうなされながら座っているのを覚悟していたので、あまりにもラクちんで拍子抜けしたのを覚えています。
フライト中
とにかく寝ます。
意識がない方が体力は温存できます。
ここでうっかり窓側の席を取ってしまうと、寒さのあまり目が覚めます。
寒いのがイヤなワタシは、長時間フライトは必ず通路側にしています。
寒いのは平気、隣の人がトイレに行くときに起こされたくないって方は窓側がいいかも。
機内食も基本的には無視。目が覚めたときにCAに言えば持ってきてくれるので大丈夫。
エコノミークラスの食事が残ってなくて…と申し訳なさそうにビジネスクラスの食事を運んでもらったこともありました。何の申し訳ないことがあろうよ。
でも、ここで食い意地を発揮してガツガツ食べてしまうと胃がやられるので、食べる量は小鳥がついばむ程度で。
ええ、ビジネスクラスの料理を楽しんじゃってえらい目に遭ったのはワタシです。
という教訓を活かして、フィンランド航空でビジネスに乗ったときにはちょっと味見する程度で我慢しました…。
こんなに可愛い盛りの前菜ですら完食できないの。悔しい。
ビジネスクラスにアップグレードしてもらうコツはこちらの記事で。
アップグレードのコツ
目が覚めたら、水を飲むようにしてください。
薬を飲んでると怠いから、CAに頼むのも億劫になるんですよね。なので水も食べ物も予め手元に用意しておく方が気楽なのです。
乗継途中・着陸後
空港に降り立ってまともな気圧になると、途端に食欲が戻ってきます。
しかしここで調子に乗って食べ過ぎてしまうと、やっぱり気持ち悪くなってしまう。
腹三~五分目で様子を見ておいた方が無難です。フライト当日に軽めの食事にしておくと、一晩寝たら胃腸の調子が戻ってることが多いです。
ここまでしてなぜ飛行機に乗るのか?
旅先で楽しんでいると機内でのツラさなんてすっかり忘れてしまうんですよ。アホだから。
冬の旅行はヨーロッパなんていかがでしょう。
旅ログ ~ミステリアスな古都プラハ~
3 thoughts on “胃弱な人の機内の過ごし方”