最近のブリ男は、デカい生き物と一緒に寝たり寝なかったりと、日によってまちまちです。
まるで安定しない春の陽気のように気まぐれ。
ワタシが布団に潜るや否やベッドへやってきて寝かしつけをしてくれる(ぐいぐいと押しつけてくる猫)日もあれば、「ブリさん、おいでよ〜。一緒に寝んねしようよ〜」と誘ってもガン無視で椅子でいびきをかく日もある。
それでもまだ寒いせいか、一緒に寝てくれない日も夜中にはベッドへ来ているようで、朝になると脇に収まっているブリ男を発見するという日が多いです。
甘えん坊モードのブリさんは腕枕をしながらのなでなでを要求してくるので、ここ数年冬のパジャマはもこもこのモノを選んでいます。
どちらかというと、布団でほっこほこにして、パジャマは寝返りを打ちやすいように薄手のヤツが好きなのですが、それだとブリさんに付き合って布団から手を出して腕枕をしていると寒いんですよね。
しかしもこもこパジャマでは夜中に暑くなるらしく、寒波が押し寄せているような日でも寝ている間に布団の外に腕を放り出してしまいます。
ブリ男は夜中にベッドに登って、デカい生き物の腕にどかんともたれて丸くなり、朝まで一緒に寝るというのがお気に入りのスタイルのようです。
ブリさんが来てまもなくの頃、いつの間にか夜中にべたべたされていると気づいても、癒されるどころか「今ワタシが触れているのって、どこの部位!? こんな華奢で繊細な生き物、潰しちゃったらどうしよう…!」と緊張が走ったものでした。
今ではすっかり慣れて「あー、この毛の手触りは首元ですね」と寝惚けながらも察し、うとうとしつつなでなでしまくっています。
さて、そうやって撫で回したり抱き締めたりと好き放題やっていると、ブリ男は「おっ、そろそろデカい生き物が目を覚ましたか」と思うようです。
一応ブリさん的には「デカい生き物を起こすにはまだ早い時間だからな…」と配慮しているようで、夜中にスフィンクスみたいなポーズでじっとしていることもあります。
が、「もう起こしていい」と判断するとデカい生き物の腕からびょんと飛び跳ねて、「うわーん」と鳴いて呼びます。
起こしてくれるのはいいのだけど、朝の3時半ならもう起こしてもいいと思っているのがちょっと困る…。3時半って世間的にはまだ夜中だと思うのだけど…。
時間を確認して「うーん、ブリさん、まだ3時半じゃん…。もうちょっと寝んねさせて…」と言ってみるのですが、ブリさんは容赦してくれません。
ワタシの身体の上でぴょんぴょんと跳ね回り、頭や頬に肉球をぐいぐいと押しつけ、普段は見向きもしないiPhoneの充電コードをぱしぱしと叩いて挑発し、しまいにはワタシの首をぎゅーっと踏みつける。
「いやー、これでもマイルドな起こし方になったものだよ。仔猫のときは唇を引っ掻いたり鼻を噛んだりしてきたもんなあ…」と寝惚けながらほっこりし、踏まれた首が苦しいので仕方なく起きるというのが朝の恒例行事です。
ところが、最近はちょっと珍しいことが起きています。
「うーん、ブリさん、まだ早い…」とワタシが寝返りを打って斜めに寝ると、登るべき山が出現したとでも思うのか、そこをぎゅうぎゅう踏んできます。
そして、その流れでふみふみが始まるのです。
ブリ男は喉をゴロゴロ鳴らすのとふみふみはあまりやらない子です。
やらないこともないけど安売りはしないというか、甘えるのを見られるのは男の沽券に関わるとでも思っているようなところがあります。
小さい頃はお母さんと目が合うだけでゴロゴロしたのにぃ〜とブリさんに抱きつき、やめろよババアと余計にブリさんに「アイツに隙を見せてはいけない」と思われてしまう。
そんなわけで、ゴロゴロ鳴らすのは眠くてご機嫌なとき限定、ふみふみはワタシが寝ている間にこっそりと、というのがお約束になっています。
そんなわけで、割と猟奇的な起こし方をしてくれるブリさんが、突如喉を鳴らしながら肩周りをふみふみしまくるのですから、めちゃくちゃビックリしました。
真夏に素肌にふみふみされると「爪が…肌に食い込む…」とじっと耐えるカンジになりますが、冬に布団やもこもこパジャマ越しだとちょうどいい刺激になります。
小さな肉食獣が喉をゴロンゴロン鳴らしながら熱心にふみふみする様子が可愛くて、「あー、めっちゃ癒される…」とそのまままた眠りについてしまう。
一度ふみふみを始めると結構長くて、途中で疲れるのか飽きるのか喉のゴロゴロは止まるのですが、その後もふみふみしまくっています。
んで、気づくと4時近くになっていて、さすがに「腹が減ったじゃん!」と文句を言われて起きる、というのが最近のブームです。
ふみふみされるのはすっごい幸せだけど、催眠作用がとんでもないので寝起きに向いているかはちょっと微妙。
できれば夜一緒に寝るときにふみふみしてくれるといいんですけどね。