家やマンションを購入するパワーは、どこから来るのか。

２軒目のマンションに引っ越して、早や７年余り。
参考：マンション、買い替えちゃう！？

それでもマンション情報収集は趣味というかクセみたいなものでやめられず、それどころか戸建てまで漁るようになりました。
参考：ひとり暮らしで戸建てを買う、アリかナシか

ただ単に間取りを眺めて楽しみたいだけならそれでおしまいなのですが、今は「家で仕事をする日が増えたし、書斎的スペースが作れる広さなら嬉しいなあ」なんて野望があるため、いい物件があれば買い替えちゃおうかなーと割と真面目に情報収集をしています。
参考：狭小マンションに書斎やワークスペースを作れるのか？！

んで、真面目に見れば見るほど「マンションも家も買えない…」とシュンとしています。

なぜかというと、高いからですよー！！
建材も跳ね上がっていれば、ワタシが住みたいエリアは地価も爆上がりしていて、マンションの値段がビックリするほど上がっています。
今の価格では「買っちゃおうかな☆」なんてノリではとても買えず、世間の皆様はどうやって買っているのだろう…と遠い目になってしまいます。
参考：［マンション買い替え！？］名古屋のマンションバブルもなかなかえぐい…！

思い返せば十数年前、１軒目のマンションを買ったとき。
20代の小娘が初めてデカいローンを組むので恐れ戦いて震えたものですが、マンションを買うということ自体はそれほど抵抗はなかったです。

というのも親から継ぐ土地も資産もないので、この先ずっとどこか部屋を借りて住み続ける必要があり、どちみち巨額の住居費がかかります。
それなら気を遣って住む賃貸より買っちゃった方がいいな。二十数年間家賃を払い続けるのとマンションを購入するのとでは、費用的にはさほど変わらないんだし。
と、転勤の可能性が低く、結婚をする気もなかったワタシは、20代半ばには「さっさとマンションを買いたい」と思うようになっていました。
んで、３年ほどあれこれ考えながら探して、気に入った街に割と好きな間取りの部屋が買える価格で出て、めでたく購入に至ったわけです。
なので「マンションを買うことに抵抗がなかった」というより「絶対にマンションを買うぞという強い信念があった」という方が近いのかもしれません。
参考：【賃貸vs購入】マンションを買う前に【得？ 損？】

それから10年。
めでたく住宅ローンを完済したのに、マンションを買い替えるという暴挙に出ました。
しかも「新しく建つマンションのせいで部屋の日当たりが悪くなるから、その新しいマンションを買った」という理由になっているんだかなっていないんだかという動機でした。

このときも一応「本当に買い替えていいものか」と悩んだことは悩んだのですが、あまり抵抗はありませんでした。
買い替えによって生じる出費（マンション本体価格や購入にまつわる費用など）がリノベーション費用として貯めようと考えていた金額くらいだったので、10年後に古いマンションをリノベーションするより新しいマンションに乗り換えて躯体から配管から新品になる方がいいかもね、くらいのノリ。

結果的には、その後在宅勤務率が上がって家にこもる時間が長くなり、明るい部屋に移っておいてよかったと思います。
と、同時に「自宅にワークスペースを作れる広さの余裕があればなあ」と後悔も生じたわけですが…。

そんなわけで「あと数平米広い部屋が買えれば」という視点でマンション情報収集をしているのですが、まーーーーーーーー高くて買えないんですよ。

そもそも、日当たりってワタシ的には優先順位が低めの要件です。
それよりも立地とか風通しとか気に入る間取りにできる部屋のポテンシャルとか、そっちの方が重要。
参考：マンション購入の希望条件【風通し】

特に間取りは、収納スペースがしっかり確保されていないとイヤだとか、動線がスムースじゃないと許せないとか、ひとり暮らしのくせに大きな家具が好きだとか、やたらと小さな部屋は嫌いだとか好みにクセがあるので、今住んでいるエリアに「ほとんど弄らなくても住める」と思えるマンションが出てくるのは10年に一度がいいところという、ショクダイオオコンニャクかよみたいな状態になっています。
それに加えてワークスペースを作りたいと更にハードルが高まったところに、ショクダイオオコンニャク…じゃなくて「住んでもいいかも」というマンションが出てきたはいいのですが、１軒目のマンションよりほんのり広いだけで価格が倍以上になっていました。
参考：［マンション買い替え！？］名古屋のマンションバブルもなかなかえぐい…！

この部屋、20代のときに出会っても、買えなかったんじゃないかなあ。
１軒目のマンションは、毎月の住宅ローンの返済額が家賃程度だったから「何とかなりそう」と思えたけど、倍の価格じゃ無理です。というか、ローンの審査が通らない。
では40代の今買えるかというと、やっぱり買えません。
大した仕事をしてないから大した給料を貰っておらず、今年も昇給分はすべて住民税の上昇分で霧散したという先細りサラリーマンなので、買っちゃったら老後破産まっしぐら。
参考：スタグフレーションで老後破産を迎える年齢が繰り上がる？！

もし、今の状況でワタシがマンション探しをイチからスタートしたら、どうしたんだろう。
住みたい街はここだけど、マンションの価格が高過ぎて買えない…となったら、どうする？
妥協して郊外に出るか、理想とかけ離れた狭い部屋に住むか。どちらを選んでも悶々としそうで決めきれず、ズルズルと賃貸に住み続けそうです。
そしてあっという間に10年くらい経って「10年分の家賃でマンション費用の足しになったのに」と、これまた悶々としそう。

地価の高いエリアでマンションを買おうとするから買えないんだよ。
郊外に出て好きに戸建てを作ればいいんだよ。
と思っても、土地から探すとなるとえらく労力がかかりますね。

「戸建てもいいかも」と思い始めて、まずは中古や建売の戸建てを見てみたのですが、ひとり暮らしにしっくりくる小さな家ってのはそうそうない。
となると土地から探して注文住宅かなーと思うのですが、土地選びも最初にマンションを買うときに色々考えて今の街を選んでいるわけですよ。
参考：ひとり暮らしの人が戸建てを買うなら注文住宅がいい！？

水害や土砂災害の心配がほぼなく、坂が少なくて、地盤のしっかりしたところ。そういう土地は価格が高いから自動車を維持する余裕がなくて、それでいっそ車がなくても困らないくらい思いっきり街中に住んでやれ、みたいな経緯で名古屋のど真ん中に住むに至っています。
もし今イチから土地を選び直すとしても災害の心配が少ないエリアというのは譲れないし、十数年間ペーパードライバーしていたから今更車生活はイヤだし、住める場所なんてあるのか？ と思ってしまう。

建築士の方には、駐車場が要らないなら変形地やら狭小地やらで済むから安く買えることもありますよ、と、駅近の小さな家の事例を教えてもらいました。
別のハウスメーカーの人に話を聞いても、一般には出回らない土地の情報もメーカーは把握できるから、土地探しからがっつりやりますよというカンジです。
参考：四半世紀ぶりに住宅展示場なる場所に行ってみた！

なるほど、ワタシにも家を建てられるかもしれない。
かもしれないけど、何だろうなあ。ほぼ満足しているマンションに住みながらだと「ではがっつり土地探ししてください！」とは言えませんね。

これで今、賃貸住宅に住んでいるなら、高いマンションの購入や土地探しに踏み切れたかもしれません。
分譲マンションでも、大いに不満があれば買い替えに前のめりだったかもしれません。
でも、「あと２～３畳分のスペースがあればいいのにな」くらいの不満で、あとはせいぜい「死ぬときに『一度は家を建ててみたかった』と、ちょびっと後悔するんだろうな」てなことを思う程度だと、なかなか新しい家を買うパワーは湧いてこないです。
今マンションや家を買う人は、何に突き動かされて購入を決断できるのか訊いてみたい。

就職氷河期真っ只中世代で、良いことなかったとは思いますが、薄給でも勢いでマンションを購入できる時代を過ごせたことだけは幸運でした。