家で仕事をしていると、「そろそろゴハンの時間だろうが」とブリ男がやってきます。
そしてモニターの前で陣取り、しばらくすると眠くなってしまう。

眠くてしょぼしょぼになっているブリさんのお顔、味わい深いです。
さて、リンパ腫持ちのブリさん、半月に一度のペースで動物病院にかかっています。
先日もカートに乗せてえっちらおっちらと行ってきました。
本当に病気してるんですか!?
てくらい元気に嫌がるブリさんにハーネスを着けてリードを繋ぎ、コットに入れると、これまた元気に「んああああーーー!」と文句を言います。
普段寡黙な男なだけに「あなた、そんな大声出せるの?!」と毎回ビックリします。
しかし文句も玄関を出るまでで、扉を出てエレベータに乗るとちっちゃい声で「あ゛っ……」と言うくらい。歩道を歩き出すと無口になります。内弁慶か。
動物病院の待合室でも静かなもので、「あー、またここに連れられてきちゃったかあ」と丸くなっています。
最近は待合室でもそわそわして「俺のターンか!」と頻繁に立ち上がっていたのが、この日は顔を上げる程度で落ち着いていました。
病院に来ても入院せずにちゃんと帰宅できる、というのを学習したのかもしれません。
落ち着くといえばブリさんの症状も落ち着いています。
たまに豪快に吐くし、その直前は食欲が落ちて元気がなさそうですが、それ以外は飄々と過ごしています。
デカい生き物が仕事したり映画観たりしていると後ろから「んあっ」と声を掛けてきて、「お母さんに何のご用事かな〜」と訊くとPCデスクの横に置いてある箱に入る。

何かというと、「ここに入ればグリニーズを貰える!」と変な学習をしたからです。
箱入り息子がワクワク顔で待ち構えているのを見て、面白がって一度やってしまったのが運の尽き、箱に入ればオヤツという図式が完成してしまったのでした。
仕方ないので掌にグリニーズをひとつ乗せ、ブリさんが鼻をふんすふんす鳴らしながら食べ、美味しいの食べられてよかったね〜となでなでする、という一連の儀式を執り行うことになります。
最近はそれに追加して、「箱で食べ終わったら流れるように皿の前に行くと、もうひと粒貰える」というこれまた変な儀式が生まれました。
ま、食べたがるうちが花だから…と、グリニーズと一緒に療法食のカリカリも皿に出して、ノリと勢いで一緒に食べてもらっています。
グリニーズばかりでもアレだしね、とフリーズドライのササミになるときもありますが、儀式の進行は同じで、箱で食べ皿で食べと手順通り行われるのでした。
と、食べたがる素振りも大いにあるし、水も飲むし。
シーもすればウンチも安定しているし。
走り回りはしないけど、部屋の中を気ままにのっしのっしと移動して好きな場所で寝ているし。
と、検査前の問診でも「最近は変わりないですねえ」という答えになりました。
エコーと血液検査のためにブリさんが処置室に連行され、程なくして戻ってきて、結果が出てから診察室に呼ばれました。
検査結果は相変わらずです。
腎臓はちょい悪め。ステロイドのおかげか肝臓はよろしい。
ちょっと貧血の気があるかな? というカンジになってきましたが、標準値を外れるほどではありません。
エコー写真を見ると十二指腸辺りを中心に動きが緩慢というのも変わらずです。
リンパ節もちょっと腫れているけれど、前回よりは引いたかな、とかその程度の変化です。
体重も3.3キログラム台を律儀にキープしています。
というわけで、今の投薬でこの程度安定しているなら、これを続けて様子を見ましょうと獣医師さんと話しました。
そりゃ検査の数値は悪いけれど、本猫に不自由があるわけではありません。
自力で飲み食いして、排泄も移動もできる。
豪快に吐く前はちょっとしんどそうだけど、それ以外は呑気にしていて、獣医師さんにも「目力がありますしね」と言われるくらいイキイキしています。
もちろん抗がん剤が飲めて治れば言うことなしですが、完治するような病気でもなし、酷い下痢という副作用が出たのを見ると「現状に問題がないのなら、無理に抗がん剤を飲ませることもないか」というのがワタシと獣医師さんの意見です。
抗がん剤でがんが綺麗さっぱり消えるなら、一時期ツラい思いをしてもらうという選択肢もありますけどね。
それが叶わないなら、今のご機嫌な状態を少しでも維持する方がいいかな、と考えています。
ということで最近は安定しているので、半月に一度の通院が月イチになりました。
手術前や入院時など動物病院に日参していたときのことを思うと、月イチで済む日が来るとは、感慨深いです。
そりゃもちろん健康になったというわけではないので複雑ではありますが。
痩せたとはいえ目をキラキラさせて「おっ、そろそろゴハンのおねだりしたろか!」とのっしのっしとワタシに近づいてくるブリさんを見ると、そしてササミを取り分けていると必ず大きい方の塊に鼻先を近づけるブリさんを見ると、このまま穏やかに時間を重ねてほしいと願わずにはいられません。
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