毎朝、同じ電車で決まって出会う男性がいる。
年の頃は30代半ばといったところ。
男としては一番脂が乗っている年頃だろう。
ワタシは昔から若過ぎる男は苦手だ。
10代なんて小学生男子と変わりゃしないし、20代も「人生の方針なんて定まっちゃいません」という頼りない顔がイヤだ。
三十路を過ぎるとようようその人らしい顔立ちになって、いっぱしの人間になった感がある。
不惑ともなると大人の余裕とギラギラ感が同居して、ようやく「いいね! たまらんね!」とムラムラできる。
これが還暦に近づくと枯れ過ぎてしまい、あまりよろしくない。
で、件の彼はようやくその人らしさが確立したであろうお年頃で、観察対象としては非常に好ましいわけだ。