あれは今年の冬のことじゃったかのう…。
2025年のワタシは坐骨神経痛が酷くて遊びに行くなんてとんでもない状態で、フラストレーションが蓄積されまくっていました。
手術を終えてひと段落ついたところで「何かしたい! 入院じゃなくて、いいホテルに宿泊したい!!」となり、早々に夏の旅行の計画を立てたのです。
というわけで、この夏はだいぶ前から帝国ホテル京都の予約を入れていました。

まさかその直後に休職する羽目になり、そうこうしているうちにブリ男の病気が発覚して、更にブリ男が二度も開腹手術することになるとは、予約のときは予想だにしていませんでした…。
休職くらいじゃ「あー、お金ないけど、でも行きます」くらいのカンジでしたが、ブリさんが死にかけたときは「あー、旅行は無理かも」と諦めかけました。
とはいえ「ワタシの代わりに行ってくれる人が見つかれば、行ってもらっていいよ」と迂闊に言えるような金額のホテルでもなく、ギリギリまで様子を見ることにしたのです。
誰も彼もが一泊ウン万円のホテルに気軽に泊まるわけではないですからねえ。かくいうワタシも別に気軽に泊まっているのではなく、年に一度程度のお楽しみであり趣味だからお高い料金を払っているまでで。
そんなわけで数日前まで「どうしたもんかなあ」と悩み続けたのですが、幸いブリさんの様子がだいぶ落ち着いていたのでこの隙にとばかりに敢行したのでした。
京都には素敵なホテルが続々と誕生しています。
そのひとつが帝国ホテル京都。2026年3月のオープンです。
元々は弥栄会館で、祇園では珍しく高い建物なので古くから花見小路の象徴的な、レトロな建物です。
それを尊重して残せるところは残しながら改装したのが帝国ホテル。
レトロモダンな建物大好きなワタシとしてはその精神性にぐっと来て、ぜひとも泊まりたいホテルのひとつでした。
昔の重厚さも残しながら、軽やかな和モダンの要素も取り入れて、居心地の良い宿泊者ラウンジ。

客室数がさほど多くないのにスタッフが大勢いて、ちょっと用事があるからと視線を送ると即座にすっ飛んできてくれます。
ウェルカムドリンクと和菓子。

柳桜園茶舗のお茶と末富の和菓子です。
和菓子は餡子が葛に包まれていて、清涼感のあるこの時期らしいつるんつるん具合でした。
ホテルへは京都到着後、昼前くらいに荷物を置きに一旦立ち寄ったのですが、そのときは「今からランチでしょうから、お菓子は後になさいますか?」とお茶だけ出してもらいました。
フレキシブルで気の利いた対応に、初っ端からハートを撃ち抜かれます。
ウェルカムドリンクを出してもらわなくても、宿泊者ラウンジには飲み物や軽食が用意されています。
コーヒーや紅茶、緑茶はもちろん、冷蔵庫には水やジュース、一口サイズの可愛い焼き菓子やナッツにゼリー、夜になるとお酒が出て、朝にはフルーツもあります。

コーヒーマシンをもたもた扱っているとこれまたスタッフが飛んできて「ご用意してお席までお持ちしますね」と世話を焼いてくれました。
部屋にも飲み放題のお酒やソフトドリンク、スナックなんかがどっさりあるので、胃腸が休まるときがありません。
部屋は、入口で靴を脱ぐスタイルです。旅館のように寛げます。
部屋も和モダンで、スッキリと落ち着いた雰囲気。

今どきの新しい建物と違って天井が低めなのですが、それが落ち着きを感じさせて和の雰囲気です。
なぐり加工のフローリングの奥には畳スペース。これまた旅館の雰囲気です。

この日の部屋は1階で、障子を開けると祇園の町屋が見えます。平日には稽古に通う舞妓さんの姿が見られるとか。
帝国ホテルも窓に簾が掛けてあって、街並みに溶け込むように作られています。
馬鹿デカいテレビはともかくとして、落ち着いた旅館風の部屋に対して、水回りはビッカビカのゴージャス仕様です。

2ボウルの大きな洗面台には、基礎化粧品から何から何まで揃っていて、手ぶらで来てもよかったかな? という充実っぷり。
タオルも使い切れない量が用意されていて、それがまたふっかふかで気持ちいいんですよ。宇宙の何もかもを吸ってしまうのではという吸水っぷりも素晴らしい。
スタッフに聞くと浅野撚糸のタオルだそうで、なんだ岐阜の会社かー! 買いに行くぞー! となりました。
バスローブも2種類あるし、ガーゼのパジャマもすごく気持ちよかったです。
部屋と異なり、浴室や洗面所、トイレはどどーんと天井が高くて開放感があります。

バスタブは寝られるサイズ。
水回りの設備が新しいと、カビとかなくていいですね。水圧もめちゃくちゃよくて最高でした。
そして住めるんじゃないかってくらいのサイズのクローゼット。

きゃー、このクローゼット自宅にも欲しい!
てくらいテンションが上がったのは、ワイキキのロイヤルハワイアン以来かもしれません。
と、これだけでも大満足の大興奮なのに、夕方には夜の掃除に入ってくれて、1回しか手を拭いていないタオルも取り替えしてくれるし、これまたほとんど使っていないトイレも洗面ボウルも綺麗にしてくれるし、パックの水も追加で置いていってくれました。
はー、贅沢ホテルは快適ですねえ。
さて、ラグジュアリーホテルのお楽しみといえば食事ですよ!
1日目は昼に外で大御馳走を食べたので夕食はヤル気が出ず、蕎麦とかうどんで済ませましょうかとなりました。
若い頃なら3食全力で食べ続けたものですけどね。半世紀も生きていると無理ですね。
んで、ワタシはいろいろあって下調べできておらず連れも似たようなカンジで準備不足だったので「ホテルの人に訊こうか」と宿泊者ラウンジに屯しているスタッフに「この辺でオススメの蕎麦屋とかないか」と訊ねたのでした。
すると部屋で休憩しているときにコンシェルジュから電話がかかってきて、懇切丁寧に有名メニューやこの時間帯の混み具合なんかも合わせて数軒の候補を挙げてくれたのでした。
いいホテルのコンシェルジュはいいレストランや料亭に関しては張り切るけど、庶民的な用事にはそこそこなんじゃないかな。
と、勝手なイメージを持っていたのですが、千円ちょっとの蕎麦にも全力投球してくれて感動です。
ササッと食べる系なので予約不可の店ばかりなのですが、行くなら現時点での混み具合を電話で問い合わせてくれるというし、挙げた候補が気に入らなければ別の店を探すというし、至れり尽くせりでした。
今までコンシェルジュを使い倒すということはあまりやってこなかったので「…なんで今まで使わなかったんだろね??」となりました。
というわけで、オススメの店のひとつ、権太呂に行ってきました。美味しかったです。

蕎麦でササッと済ませたので、夜はまだまだ長いです。
というわけで、帝国ホテルのルーフトップバーに行ってきました。

ライトアップされた八阪神社が見えます。
この日も暑かったのですがほどほどの暑さで、40度に迫る勢いで外を歩くと死ぬ! みたいな数年前の京都と違って、休憩しながらなら外歩きも楽しめました。夏の京都をそぞろ歩きするなんて何年振りかな。
参考:自分史上最高に贅沢な渡月橋の眺め方 〜MUNI KYOTO by 温故知新〜
そうなると夜は涼しいほどで、爽やかな夜風が屋上を通り抜けていき、快適です。
昼間やかましかった蝉はひっそりと黙り、代わりに屋上の植栽から鈴虫の声がうるさいほどに聞こえてきて秋の風情を感じます。
鈴虫は別にホテルが放ったわけではなく、勝手に住み着いたそうな。周辺が寺社や町屋で緑が豊富なエリアならではですね。
下戸なのでノンアルコールのハイボールをオーダー。

いやー、夜の屋外で酒(もどき)を楽しむなんていつ以来かなあ。日本の、しかも名古屋の夏では暑過ぎて、最近はビアガーデンとかも行かなくなっちゃったし。
昔はお盆にもなると忍び寄る秋の気配に寂寥感を覚えながら夏の夜を楽しんだものだっけ。
と、久しぶりに夏の風情を楽しんだのでした。
さて、京都の夜ごはんをササッと済ませたのは、ホテルの朝食が楽しみだからですよ!
帝国ホテルの朝ごはんといえばパンケーキ!
参考:帝国ホテルで正しい日本のおもてなしの姿を知る
なのですが、京都の帝国ホテルでは割烹「祇園川上」監修の和朝食もチョイスできます。
パンケーキは東京でも食べられるし、祇園川上の朝食はここでしか食べられないというし。となると、やはり和朝食でしょう。
まあ「監修」といってもメニューやレシピのチェックをするだけでしょ?
と思っていたら、毎朝川上から料理人が調理道具を担いでやってくるんですって。えええ、そんなこと聞いたらますます和朝食一択じゃないですか。
というわけで、和朝食を部屋食にしてもらいました。

いやー! 素敵ぃ!
部屋の小さなテーブルでは乗り切らないので補助テーブル使用です。

何やらモダンなお重の中には。

素敵なお惣菜がぎっしり。

海老の旨煮だのじゃこ万願寺だの焼き鱧だのとにかくお出汁が美味しいのです。海苔も良い鮨屋じゃないと食べられない、しっかりした香り高い海苔だった。
当然のようにご飯をおかわりして(お櫃の香りがまたいいんだな!)、まぐろの削り節を乗せて醤油をひと垂らし。

ああ、美味しかった……。
食後はラウンジに移動して、よく手入れされたお庭を眺めながらのコーヒーです。


帝国ホテルはホスピタリティも最高だし食事も美味しいし、ここは場所も観光地ど真ん中でふらふら出歩くのも楽しくて、かなりお気に入りのホテルになりました。
次に行くときはスパやレストランも堪能したいものです。
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