ブリ男、8歳。
水も滴るというか、全力で弾き返すモフモフ英国紳士です。
この坊ちゃんが、まー遊ばないこと遊ばないこと。
いや、遊ばないこともなくて、日に何度か、食前食後やトイレの後などに吠えながら走り回ったり「遊ぼうぜ!」と挑発してきたりはするのですが、それ以外のタイミングはもちろんノリノリのときでもすぐにスンッとなりがちで、夢中で遊ばせるのに苦労しています。
今となってはたまにしか行かないペット用品店の店頭でオモチャを眺めながら「これ系は家にある…そして遊ばない…これ系もいくつか買った…そしてもう飽きた…」と苦悩します。
「ブリさん、羽根は新品も5分でバッキバキのボロボロにしちゃうからな〜。大量に買っていくか!」とウキウキで散財していた頃が夢のよう。現在は「羽根は5分で飽きるから、新品の在庫が家にあるんだよね…」と滅多に買わないモノになっています。
きっとワタシの遊び方が下手くそで面白くないからスンッてなるんだろうな。
とめそめそしていたら、シッターさんも「ブリさん、全然遊んでくれませんよ…」と言っていました。
ワタシよりよほど猫の扱いに長けているデカい人間に対してもそれなので、いつものデカい人間だから遊ばないということもないようです。
なんか、どうも一緒に遊ぶのもそれはそれでいいけど、ひとりで遊ぶのも好きみたいなんですよね。
ワタシが猫じゃらしを振ると、それが飽きたブツだと「アイツ、振って遊びたがっているな。まあ見守ってやるか」という顔をして、座ってただ見ているだけになります。
目が黒くなるわけでもなく、ヒゲもだらんとして、ホントに見ているだけ。
ワタシだけが一生懸命振ったり走ったりして「?」という状態になります。
そのくせ、ワタシが「そっかー、遊びたい気分じゃないかー」と諦めて猫じゃらしを置き、皿洗いとか別のことを始めると、途端に猫じゃらしに挑みかかり、パンチしたりバッキバキに噛んだりと楽しそう。
誤飲の前科があるのでひとり遊びのオモチャはどれでもいいというわけでもなく、それで余計にペット用品店で「これは好きそうだけど…噛み砕きそうで怖いな…」と苦悩するのでした。
さて、そんなある日、ブリ男は初めてペットボトルのキャップを狩ることに成功しました。
なぜ今まで狩ったことがなかったかというと、ワタシが自宅であまりペットボトル飲料を飲まないから。
非常用に買い置きしてある水をたまに飲むくらいで、そのボトルもさっさと片づけてしまうし、ブリさんはペットボトルと触れ合う機会が8年間で数える程しかなかったのです。
が、先日キッチンで干していたボトルとキャップをたまたま発見し、勢いのいいパンチでキャップをすぱこーーんと弾き飛ばしたのでした。
その日からキャップに首ったけです。
ペットボトルのキャップは、床を滑らせるとシュッシュッと音を立てるさまといい、軽いパンチでぽーんと飛ぶ反応の良さといい、怖くないサイズ感といい(ブリさんは、けりぐるみみたいな大きいオモチャが苦手)、ブリ男の心の琴線をじゃかじゃか鳴らしまくりのようです。
今までエアホッケーのパック代わりに遊んでいたのは、ハーゲンダッツの蓋でした。うちの冷蔵庫の下に何枚潜んでいるかわかりません、てくらいによく遊んでいました。
が、ペットボトルのキャップはハーゲンダッツの蓋と違って噛みつきやすいところがいい!
パンチで飛ばすだけでなく、裏返ったキャップをがぶっと噛んで運ぶことができます。
とととっと軽快な足取りでキャップをあちこちに運び、たまにどっかに押し込んじゃってしょんぼりした顔でデカい生き物のところへ来て、「どこでなくしちゃったのかお母さんに教えてくれる?」と訊いてドアやソファの下を一緒に捜し、見つかったらまたぱぱぱぱぱーんと弾き飛ばして、と毎日飽きずに遊んでいます。
夜中や明け方に「シュッ…シュッ…シュッシュッシュッ…スココココーン」と音が聞こえてきて、それで笑えて目を覚ますこともしばしばです。
ひとりで遊ぶのも楽しいですが、これなら二人遊びも悪くはないようです。
物陰やコートハンガーの棚の下などを使って遊びます。
ワタシがキャップを弾き、ブリさんがそれを弾き返し、またワタシが弾き、ブリさんがそれをキャッチし、とラリーを延々と続けて楽しそう。
ブリさんがそれをやりたくなると「お前もついてこいよ!」みたいな顔をして、コートハンガーのあるクローゼット部屋に誘ってくるので可愛いです。
このラリーの様子をぜひ撮影したい…!
とスマホを手に臨んだのですが、こういう下心は敏感に察知してスンッとされました…。
なんだかんだと夢中になるのは、こういうゴミなんですよね。お菓子の箱にかかっていたリボンとか、サランラップを開封するときに出るピロピロとか…。
それもあって、余計にペット用品店では「これよりピロピロの方が好きだよねえ…」と悩むことになるのです。