アアルトのスタジオ見学に引き続き、自邸のガイドツアーにも参加してきました。
参考:【ヘルシンキ】アアルトのスタジオでは憧れの椅子に座り放題!
ホワイトとブラウンのモダンな外観です。これが1936年の建築物というから恐れ入る。
南側の庭は緑がいっぱいで、とても清々しい印象です。
外観も現代にそのまま通用しそうな雰囲気ですが、内装も今すぐ真似したいヒントがたくさんありました。
ガイドツアーの参加者がまず通されるのは、1階の書斎です。
スタジオが完成するまではここにスタッフが出入りして、公私の区別がつけづらかったとか。確かに大人数が入るには少々狭いスペースです。
窓が大きくて天井が高いので、そこまで狭苦しい印象はないのですがね。
しかし、あちこちに段差がある辺りは昔の建物だなあと思いました。
ツアー参加者に車椅子使用の方がみえたのですが、玄関に入るにも一苦労というご様子でしたからね。スタジオと違って一般の住宅ですから玄関や階段もそんなに広いわけではないですし。
アアルトが現代でバリアフリーの住宅を建てるとなったらどんなデザインにするのか、興味が湧きます。
書斎の奥にはアアルトの作業机。
うわー、こんな気持ちのいい環境で仕事したら捗るに決まってますやん。
窓から見える緑が気持ちいい! ワタシも自宅にこんな空間が欲しかったです。街中のマンション住まいでは決して実現しない高望み…。
そして、ここへ来て突然蘇った記憶がありました。
30年程前、テレビでアアルト自邸のこの机が紹介されているシーンを観て「なんて素敵な机なんだろう」とうっとりしたのを思い出したのです。
当時は「アアルト」なんて名前を知らなくて「外国の建築家の机」ということしかわかっておらず、そしてそのまま忘れていました。
それが現場へ来て、窓の外の緑やランプなどを見て「そういえば!」と思い出したのでした。実はアアルトがワタシの人生にしっかり根づいていると気づいた旅になりました。
この時代、当然製図は手描き。
手描きでこの可愛いフォントって。デザイナーはスゴいなあ。
アアルトの机の裏にはサウナへ続く階段があります。
やはりフィンランド人はサウナ必須なのですね。
ガイドさんの説明では、セントラルヒーティングのパイプが家の中をどう通っているかを教えてもらえました。
書斎には、中二階の書庫もあります。暖炉の横の階段を上がった先が書庫。
壁一面の本棚!
いいねえ! こういう書棚、憧れます。
サイドテーブルや椅子は当然アルテック。
こうして見ると青のテーブルも可愛いわね、なんて思ってしまいました。
書斎とスライドドアを隔てて隣接しているのがリビングです。
有名な部屋をようやく自分の目で見ることができて、感動もひとしお。
低く吊り下げられたビーハイブが素敵。こういうペンダントライトはモダンな内装の店舗にしか合わないと思っていたけれど、木をふんだんに使った家庭でも馴染むものなんですね。相当センスが要りそうだけど。金属製の小物置きやゼブラのテキスタイルでピリッとさせて、バランスを取っているようです。
フロアランプも効果的に壁を照らしていますね。また照らした壁がブリックで、影がいい表情を作っているのが素敵。
それにしても、ペンダントライトの位置が低いですね。邪魔だからとダイニングテーブルの上のPH5は高めの位置で設置しちゃったけど、それはやっぱり間違いだと判明です。
参考:新居の照明、一挙大公開!
そして、ソファ周りでもこうしてペンダントライトを使えばいいのか! と目から鱗。天井の高さと明るさを確保したくてソファの上はシーリングライトにしていますが、ダサさは否めません。
いつかウチもこうしてペンダントライトにしたいけれど、さてどのライトならいいものか、見当もつきません。
サイドテーブルにアアルトベース。いいねいいね。
いつか欲しいけど、狭い我が家には置く場所がない(そしてブリ男の寝床になるのが目に見えている)。
ここでも黒の天板が効いていますね。アアルトのスタジオと自邸を見ていると、ウチにも黒を取り入れたくなりました。
ちょっと意外だったのが、床がシンプルなフローリングだということです。
もっと凝りに凝ったヘリンボーンとか寄木とかかと思っていました。
これなら日本の一般家庭でも真似しやすそうですね。家具の総額を考えると全部真似っ子は無理ですが。
リビングの隣はダイニングです。
ここの椅子はアアルトデザインではなく、イタリアから持ち帰ったものとのこと。伝統的な西欧のデザインを充分に知り尽くしたうえで、アルテックのスッキリとしたモダンな製品を生み出すアアルトのセンスに脱帽です。
ランプの赤が効いてますね。壁の木目と相まって、すごく温かみのある空間になっています。
テーブルもダイニングルームもそれほどの大きさではなく、日本の家庭でも見るサイズ。高級感溢れるゴージャスな空間ではないから、真似のしやすそうな部屋でした。
造りつけの食器棚にはテーブルの伸長部分の収納スペースがあったりして、これまた狭い空間の有効活用のヒントとなりそうです。
リビングとダイニングの窓には簾が掛けられています。
なぜかヘルシンキでは簾が掛かっているお宅が多くて、高級住宅地の一戸建てでも街中の集合住宅でもよく見かけました。窓の外に掛けるのではなく、カーテン的に使っているようです。
なんだろう、ウッドブラインド的なノリなんですかね。
残念ながらキッチンは立入禁止。
スタジオと違って自邸は入れないスペースが多く、また展示されている椅子に座ってはダメなので、ちょっと残念でした。
さて、2階へ進みますよ!
階段を上がったホールは、第二のリビング的な空間になっています。
壁付けのシェルフが可愛いですね~。ウチにも欲しくなります。取り付けるような壁がないけど。
ソファの向かいには暖炉。
暖炉上の柵の向こうはトイレとバスルームになっています。それを緩く目隠しするために柵と絵画があるわけですね。
2階は小さな部屋がいくつもあり、ホールもそんなに広い空間ではありません(階段ホールにソファが置けるって充分広いけど)。そこをなんとか工夫して快適に過ごせるようにしてあるところに感心しました。だだっ広いお屋敷のインテリアは一般家庭には参考にならないですもんね。
主寝室のベッド。奥にはクローゼットがあります。
足元のベンチ、ウチにも欲しいけど置く場所がありません…。
照明はシーリングライト。
こういうオシャレシーリングライトなら、ウチのリビングの素っ気なさも多少は解消できるのだろうか。
主寝室の隣には子ども部屋が2部屋並んでいます。1部屋は立入禁止なので覗くだけ。
主寝室はまあまあ広いけれど、子ども部屋はさほど。一般住宅ではこういうおこもり感のある空間があった方が落ち着きますね。
家具もコンパクトなので参考になります。
2階で気になったのは、壁の色です。
写真ではわかりづらいですが、天井は白で、壁は薄いブルーグリーンなんですよ。緑がいっぱいの窓から差し込んだ光に照らされた色とでも申しましょうか、この色を再現したくてレースカーテンを緑色にしたワタシ的には超ツボでした。
こちらはゲストルーム。
床の間と押し入れちっくな雰囲気になってますね。
ゲストルームのベッドもコンパクト。
面白かったのは、廊下やバスルームの採光方法です。天井に穴が開いていて、自然光が入るようになっています。
バスルームの隣のトイレは、壁にはめ殺しの窓があってそこから明かりを採っていました。
いやー、素敵なおうちでした。
お金持ちの友人宅が、昭和時代に海外生活の後建てた家がこんな雰囲気でした。あの頃の最先端なオシャレハウスだったんでしょうね。
素敵な家を作るには、お金とセンスか…。自分には縁がなくて哀しくなります。
スタジオと自邸を見て、ますますアアルトのファンになりました。
お金はともかく、センスは少しずつでも磨いて、我が家のインテリアをもうちょっとマシにしたいものです。
アアルト自邸・スタジオへの行き方などについては、旅行メディア「itta」にて詳しく掲載しています。こちらもぜひご覧ください。
【フィンランド】デザインの巨匠アアルトの自邸・スタジオへの行き方完全ガイド!
おはようございます(^^)
なんと、なんと素敵なお家!
外観が今の日本のお洒落な一軒家みたいですよね。
緑が見える机で仕事したらノロマな私も少しは仕事が捗るのではないかな〜なんて思いました(笑)
おかゆサマ
外観に古臭さはまったくないですよね。これが自分の生まれる前の家とは…! と衝撃でした。
緑の机では、外の景色にうっとりしてしまって却って捗らないかも笑
でも、ふと顔を上げたときに緑が広がっているって贅沢で素敵ですよね~。
ウチではとても無理なので、床に転がっているブリ男を見て自分を慰めています笑
おはよう!
壁の色!白って海外少ないのかな?テレビの見過ぎ?結構、色物柄物が多いように思えるのですが…
私の家は、当然の様に…何処にでもある平凡な壁紙…の白…
職場は、医療系ですが薄いライムグリー…良いですよ…白よりよっぽど落ち着き目に優しいです。自宅も張り替えるなら絶対に真っ白には、したくないなぁ。
廊下、トイレ、バスは、どうしても北側とかに設置するので天窓は、ありですよね、絶対に南と西は、ダメですが
インテリアは、難しいね〜!
大きいし…やーめた!飽きたぁ〜!では、済ませられない!
センスとお金が欲しい…
まだむサマ
フツーのアパートメントだと白い壁も見ますが、ホテルなんかで真っ白の壁はまずないですよね。
今回泊まったホテルも濃いめのグレーで、落ち着きがあってよかったです。明るさを必要としない部屋ならグレーもいいですね。
病院だと淡いグリーンが多いですよね。
ワタシ、あの色が好きなので病院に行くと萌えます笑
白だとパキッとし過ぎて落ち着かないんでしょうね。
でも自宅の壁を白以外にするには勇気がすごく要る…。こまめに塗り替える根性があればいいけれど、絶対やらない…。
センスとお金はワタシも欲しいです!!!!
自邸を見学出来るのですか!これは羨ましい
特にアアルトデザインが好きなわけではないのですが、画像を見るとやはり惹かれるものがありますねぇ
有名人のおうちでよく見かける、やたらゴージャスだったりデコラティブな意匠だったりするのは苦手なのですが、アアルト邸は居心地の良さそうな空間
仕事机も本当に羨ましいです
ささくれだった締め前の心も癒されそう
あと、手描きの図面見たい!
いわゆる「図面屋が描く文字」ってなんとなくフォントが決まってるんですが、センスのある人はどことなく可愛い文字なんですよね
ひまわりサマ
アアルトの自邸は何というか、もちろん大きくて立派な家なんですけど日本の一般家庭でも真似できそうな雰囲気でした。こりゃ日本で人気が出るわけだわーと納得でした。
モード過ぎず、シャープ過ぎず、高級感もあるけどそれよりも寛ぎ感が前面に出ていて、それでいてスッキリしている…と、なんともお手本のようなおうちでした。
手書きの図面、可愛かったですよ!
ワタシの父も図面書きで可愛いフォントを書いていましたが、アアルトは別格でした!