数年前の冬に訪れたトリノについて記録しておきます。
トリノっていうとオリンピックのイメージしかありませんでしたが、よくよく聞いてみるとなんと美食の街だそうな。
美味しいもの好きな人なら訪れるべし! と言われて、居ても立ってもいられなくて行ってきました。
写真はイータリーで食べたパスタ。
イータリーってトリノ生まれなんですね。てっきりローマだと思っていたよ。
確かにゴハンは美味しかったです。
しかも、盛り付けがこじゃれた店もあった。
イタリアって「盛り付けどーん! マンマ・ミーア!」という雑というか大らかなイメージがあったので、日本で見るようなお上品な盛り付けを見たときにビックリしました。
イタリアも北の方まで行ってしまうと、↑こういうイメージとはだいぶかけ離れています。
南国! 地中海! いぇい! というカンジではなく、冬の厳しい寒さに粛々と耐えるという雰囲気。トリノなんてフランスやスイスのすぐ近くですから、ミラノやヴェネツィアなんかと比べてもきっちりした印象でした。
なんというか、イタリアをひとつの国とするのはやはり無理がある気がします。トリノはピエモンテとかサヴォワとかしか言いようがなくて、ローマと一緒ではないよな、というか。
名古屋と札幌が同じ文化っていうのは無理があるよな、ていうのと同じくらい、いやもっと違う文化圏だよなーという印象でした。
トリノ周辺の街はこちらをどうぞ。
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ごはんも美味しいけど、トリノはなんといってもドルチェが有名。
特にイタリアのチョコレート文化は、サヴォイア家が使うようになったのが発端ということです。チョコ好きにはたまらん。
チョコ以外もアーモンド菓子やらコーヒーやらが発展して、トリノは老舗のカフェがたくさんあります。
そのひとつがバラッティ・エ・ミラノ。
18世紀当時の内装の店舗でコーヒーやドルチェが楽しめます。
もうひとつは、カフェ・トリノ。
もちろん同じアングルでパチリ。
濃い目のカプチーノで朝からシアワセになりました。
さて、食べてばかりじゃなくて一応観光もしてきました。
ひとつはスペルガ聖堂。ケーブルカーに乗って山の上まで移動します。
天気がいいとトリノ市内が一望できて気持ちいいですよ。
大聖堂はかなりの大きさ。そして美しさ。一見の価値ありです。
王宮群も見応えがありました。
サヴォイア家みたいに強大な権力があった国や都市は、宮殿をはじめ街全体がお金持ちの雰囲気が漂っていて、観光するにはすごく面白いです。
度肝を抜かれたのは、エジプト博物館。
なんでトリノでエジプト? と思ったら、どうやらサヴォイア家のコレクションらしいです。
エジプトコレクションはフランスと英国とエジプトで見たからお腹いっぱいだよーと思っていたら、なんとまあ素晴らしいモノばかりで仰天しました。
こんなにキレイな死者の書は初めて見たよ!!
エジプトの遺物を欧州列強が持って帰っちゃうのってどーよと思っていたんですが、ここまで保存状態がいいのを見ちゃうと「管理の甘いエジプトに置いておくよりよっぽどいいのかもなあ…」なんてことまで考えてしまいました。
そして、フランスや英国で見たコレクションより、愛を感じるんですよね。大きなものも小さなものも丁寧に保管や手入れをしていましたってのが伝わってくる。
さすがイタリアは古代ローマの遺跡がバンバン出てくるお土地柄ですし、ルネサンスの先鞭をつけた地域ですから、古いモノに対する敬意が他のヨーロッパとは違うように思いました。
というわけで、北イタリアでエジプトをしっかり堪能して、なんだか狐につままれたような気分になりました。
エジプトに行くのはちょっとハードル高いと感じている方は、まずトリノに行かれてはどうでしょうか。少なくとも、ごはんはエジプトより断然美味しいですよ!
イタリア以外のヨーロッパが嫌いというわけでは決してないです。
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