尾張徳川の武家屋敷で、極上の日本料を堪能 ~か茂免(かもめ)~

今年の正月は、か茂免のお節料理で迎えました。

か茂免
参考:2023年のスタートは、か茂免(かもめ)のお節料理とシェ・シバタのケーキ

いやー、やっぱり美味しいねえ。
一度ランチに行ってみようか。
なんて話をして早や半年、ようやく行ってきました。

か茂免は仕事関係で幾度となく予約をしたことはあれど、自分で行くのは初めてです。
名古屋白壁の落ち着いたお屋敷街はお散歩コースとして楽しく、か茂免の前を通る度に「いつか食べてみたいなあ」なんて思っていました。

予約した当日か茂免へ行くと、門や玄関できっちりお出迎えされました。
間口はそこまで大きくないけど奥行があるそうで(敷地千坪だそうな…)、うねうねとした廊下を案内されるので自力では玄関で戻れそうにありません。
大正昭和の古い建物好きにはたまらない趣で、庭や廊下をきょろきょろ見てしまいました。

そして案内されたお部屋は。

か茂免

おお、なんて美しいお庭!

か茂免

暑い日でしたが、直前まで庭師さんが手入れされていたようで、瑞々しい緑溢れる庭でした。

か茂免

ガラスにはカモメのシルエット。

か茂免

使い込んである建具がたまらんですね。
昔はこの手のサッシや鍵とか田舎では珍しくなかったけれど、今となっては貴重品です。

か茂免

床の間の花も夏模様。

か茂免

写真では壁がだいぶポップな緑に見えますが、肉眼だとここまで鮮やかではありません。落ち着いた和という雰囲気です。

青々とした庭を眺め、あれはサクラだこれはモミジだ、春や秋もさぞ美しかろうとキャッキャしていると、来ましたよ、お料理が。

まずは先付。
車海老や帆立の炙りに、金時草のジュレがかかっています。

か茂免

味はもう、そりゃもう美味しいです…!
隠れて見えませんが、シャインマスカットの大福もありました。マスカットの上に味噌とお餅が乗っているのです。
マスカットの甘みに味噌がいいアクセントになり、そしてお餅もモチモチで美味しい。

 

椀物です。

か茂免

真っ黒の地味な…いや、随分シンプルな器で来たな。と蓋を開けてみると。

か茂免

何と華やかな意匠が! 椀の底も綺麗に装飾されていました。
この日は母の誕生日にかこつけていて、お店にもその旨を伝えてあったので、長寿のお祝いでということで鶴を選んでいただけたそうです。
こういう気遣いをされるとキュンとします。

 

お造りは、平目に本鮪、金目鯛!

 

青々とした竹にびっしり氷が詰めてあって、それに笹を乗せて皿としています。
目にも夏らしくて楽しいですが、味が…! 本当に美味しかった…!
金目鯛は昆布締めでお上品。平目はもっちもっちの歯応え。鮪の赤身と脂のバランスが絶妙…!
普段名古屋では美味しい鮨が食べられないと嘆いているわけですが、こんなに美味しいお魚もあるんじゃん! とほっぺたを落としながら食べました。

 

焼物は、鮎の塩焼きと牛の網焼きです。

 

鮎の塩焼きには、2種類のソースがありました。胡瓜のソースと、西瓜とパッションフルーツのソースです。
西瓜とパッションフルーツ?? と想像がつかないまま口にしてみると、鮎の鮮烈な香りにパッションフルーツの酸味と西瓜のジューシーな食感が合わさって、何とも爽やかで美味しかったです。
鮎の塩焼きをこんなに上品に食べたのは初めてかも…。

 

箸休めは手延べ素麺。

 

酢橘がたっぷり乗っていて、これまた夏らしい一品です。
いつもはいかにも機械で延ばしました的な素麺ばかり食べているけど、手延べの食感はやっぱりいいですね。

 

温物は京焼の繊細な器でした。

 

中身は鱧!

か茂免

茗荷たっぷりのいい香りで、夏らしいです。
餡かけはコンソメらしいのですがそこまで強くなく、和の風味でした。

 

留は麦とろご飯です。

か茂免

右上の小さな器にとろろが入っています。モロヘイヤや紫蘇に胡麻も入っていて、いつも家でかっこんでいるとろろご飯とは別物でした。

 

〆の水物はマンゴーのパンナコッタにパイナップルのわらび餅。

か茂免

暑い夏はしんどいけど、トロピカルフルーツはいいよね…。と、一足早く夏真っ盛りな気分を味わえるデザートでした。

 

部屋も料理も見事ですが、サービスも心地よかったです。

食事の前後に仲居さんにはバシバシ写真を撮ってもらったり、春の将棋叡王戦での勝負メシを詳しく教えてもらったり、きちんとしている中にも気さくな雰囲気で楽しかったです。
叡王戦自体は二階の広間で開催したけど、勝負メシはまさにこの部屋、その席に藤井七冠が座ったんですよ。なーんて裏話も聞けて面白かった。
残念ながら勝負メシと同じ定食は提供していないけれど、藤井七冠も食べた「ぽんきし(きしめんすっぽんスープ仕立て)」が入った会席もあるんですって。
勝負めし「ぽんきし」のご案内

いやー、楽しい会食となりました。
気軽にひょいひょい行けるような価格のお店ではないですが、ほかの季節の料理もいつかぜひ味わいたいです。

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

4 thoughts on “尾張徳川の武家屋敷で、極上の日本料を堪能 ~か茂免(かもめ)~”

  1. ひゃー羨ましい!!
    私も行ってみたくなりました。
    過去に女将さんと仕事柄、ほんの少し接点があったのですが、凛とされている印象がありました。
    季節を感じるお料理、たまらないですねー
    夏こそあっさりとした和食が美味しく感じますよね。
    白壁にそんな広大なお屋敷があるのも驚きました。

    1. yumiサマ
      ワタシも間口から想像してもう少しコンパクトな敷地かと思っていたら、廊下を延々と歩くのでビックリしました。
      お料理は本当に美味しかったです…! そして器も素晴らしく、素敵な空間で頂くので余計に美味しさアップでした。
      たまーーーーーーのご褒美に行けるかどうか…というお値段ですが、母が元気なうちに時々こういう贅沢をするのもいいものだなーと思いました。

  2. いやー!素晴らしい!羨ましい!

    京都行かなくても、全然大丈夫でしょう?笑笑
    お料理も丁寧ですね、見て食べてこれが日本料理…美味しそう
    建物も、京都ちっく?ウナギの寝床みたいですね 笑
    だから奥に通されると外の気配を感じられないんでしょうね。

    ありましたね、木製のガラス戸、鍵付き。うちの家も昔はそうでした。

    1. まだむサマ
      久しぶりのザ・正しい和食で楽しかったです…。
      でも味はやっぱり京都とはちょっと違うんですよ。何だろう、出汁??
      京都ちっくなウナギの寝床! 確かに!

      昔はよく木製のガラス戸見ましたね。鍵を差し込んでネジネジするとか、今の若い子知らないんだろうなー。
      廊下の古い型ガラスは味があって、すごく素敵でした。
      今の建具の方が性能は断然いいんでしょうけど、味わいは古いモノの方がいいですね。
      車にしても建具にしても、今のデザインで現代の性能ってできないのかなあ…。

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