正倉院展のついでに猿沢池の辺りをウロウロしていると、毎年鹿猿狐ビルヂングに寄ってしまいます。
中川政七商店の鹿。
猿田彦珈琲の猿。
それから㐂つね(きつね)の狐。
中川政七商店はお土産を買うし、猿田彦珈琲は休憩するしで、ほぼ毎年のように使うけれど、㐂つねはなかなか寄れませんでした。
メニューを見ては「行ってみたいなあ」と気になるので、今年は絶対㐂つねに行くぞ! と意気込んでいたのです。
大きなお揚げが入ったすき焼き重が気になるのですが。
㐂つねメニュー
お重の予約は平日しかできないんですって。
今回正倉院展には週末に行ったので、となると、すき焼きコースの予約か。
いやでもすき焼きコース、なかなか立派なお値段なんですよ。カジュアルコースでも9,000円超えですから、ランチで食べるには「お、おう…」となるお値段です。
とはいえ正倉院展で時間が限られているから飛び込みで入れなかったら意気消沈だし、お重を食べていても「いつかすき焼きも」と気になるだろうし、一回くらい行っとくかねーとすき焼きコースで贅沢することにしたのでした。
まずはスープから。
舞茸のスープです。具は一切なしの、風味のいいお出汁。
そして、海老マヨ。
大根の薄切りに車海老が包まれています。
さっぱりした自家製マヨネーズが美味しいのと、海老と一緒にジャムやら入っていて何やら複雑な美味しさでした。
さて、本題のすき焼きですよ!
わーお、美しい!
ドカンとした赤身の塊も好きだけど、さしの綺麗な和牛もやっぱりいいよね!
天草の黒毛和牛、おひとり様につき3枚です。味わって食さねば。
1枚目はオーソドックスに、割下で焼きつけます。
この店は、焼くのも全部店員さんがやってくれるどころか、卵をほぐすのもやってもらいました。
客は何もせず、ボーッとしているだけで大丈夫です。
というわけで、口を開けて待っているだけで出てきた美味しいお肉。
それはそれはもう柔らかく、とんでもない美味しさでした。
しかも、ご飯がすき焼きに合う! お米マイスターに選んでもらったという何とかという品種で(何かは忘れた…)、丼にしてもべったりしない粒立ちのいいお米を、少し硬めに炊いてあるので、卵かけご飯にちょうどいいという塩梅でした。
厚揚げと榎茸。
榎茸は生で食べられるというもので、軽く焼いただけでシャキシャキ感があります。
そしてこの厚揚げが美味しかったー!
ふわふわ柔らかなのに、豆の風味がしっかりしている!
すき焼き重で食べられるお揚げは、この厚揚げと同じ店のものらしいです。そんなこと聞いちゃうとお重も食べたくなるじゃないですか!
2枚目のお肉を焼く前に、新しい卵を新しい器で出してもらえました。
1枚目の卵をまだ使い切ってないのに贅沢なと思ったら、なんと2枚目はオリジナルの七味を入れて召し上がれ、ですって。
この七味がすっごく美味しくてですね…。
ふんわりと山椒の香りが立って、口に入れると唐辛子や柚子胡椒の辛味もピリッと来ます。
すき焼きに合う配合で、石臼で挽いたというから最高ですよ。肉の旨みや卵のまろやかさに合う、いいアクセント。
七味で味変した後の卵でTKGにすると美味しさ爆発なものですから、ご飯をお代わりしてしまいました。
実はこの日の朝は、サービスエリアの三和で卵かけご飯を食べたものですから、この日だけで3杯のTKGでした…。
淡路の玉ねぎなど、野菜色々。
ごくごく薄切りにした蓮根がすごく美味しかったです。
結構しっかり焼くというか煮込んでいたのでもっとくったり食感かと思いきや、シャキシャキ感があって美味しかった。
いつも厚めに切ってほくほく感を出してしまうので、一度蓮根薄切りでキンピラを作ってみよう。
さーて、いよいよお肉3枚目です。
これが衝撃的な美味しさでした…!
まずは小松菜の、芯の部分をゆっくりじっくり焼きつけ。
それから、葉と肉を鍋に投入。
一方、取り鉢には卵ではなく、大根おろしが入っています。
肉の下に大根おろしが隠れています。
鬼おろしでじゃくじゃくとおろされた大根は、白バルサミコ酢と鮎の魚醤入りで、スッキリさっぱり。酢橘を絞って、更にスッキリ。
このスッキリさっぱり大根おろしと甘い割下で焼いた肉のコラボレーションときたら…!
脂たっぷりのお肉も無限に食べられそうな美味しさでした!
お口直しに、葛の素麺です。
なんと、ドライトマトのお出汁。かなりキリッと酢が効いていて、茗荷も入り、でもトマトの旨みが奥に見えてと、なんとも複雑な妙味の素麺でした。
デザートは、酒粕アイスの最中。
酒粕の風味がかなり強い、美味しいアイスでした。このアイスだけでもバケツ一杯食べられる。
いやー、なかなか衝撃的なすき焼きでした。
正直なところ「肉3枚で9,000円超えって。ちゃんとそれだけの価値があるのかなあ」と懐疑的だったのですが、こだわりの素材と味変で3枚違った味わいの肉で、「すみませんでしたー! お値段だけの価値はありましたー!!」となりました。
すき焼きなんてシンプルな調理だから真似できそうなものだけど、オリジナル七味とか絶妙な大根おろしとか、ちょっと再現できないです。
というか、すき焼きと大根おろしを合わせようなんて考えたこともなかった…。
お肉以外もビックリの味つけだったし、なかなかいい体験をしたな! と思いました。
ひぃーっとなるお値段!
奈良でそんな美味しいものを!
お肉が芸術的ですね。
京都ならわかりますが、こんな垢抜けた料理を出すなんて。
奈良は素朴ながら、物価が控えめで、京都よりお値打ちに旅行を楽しめるのが良かったのに、インバウンドの影響ですかねぇ…どこもそれなりに物価上昇が目につきます。
正倉院展、今年も見送りデス…
というのも、来月奈良旅行を計画しているからです。
久しぶりの奈良なので、あちこち行ってみたいし、お馴染みのお店にも行ってみたい…そんな欲張りな気持ちでいます。
yumiサマ
これで一番安いコースですからね…。
お値段見たときに「えっ」と怯みましたが、どうせ「一度食べてみたいな~」と思うだろうから、諦めて?食べてきました。
さすがお値段だけのことはあってね美味しかったです笑
ワタシも奈良はそこまで洗練されたイメージがなかったのですが(失礼…)、奈良公園周辺だけでも毎年アタリの店ばかりで認識が変わりました。
しかし、正倉院展をやっているこの時期ばっかり行っているので、秋の味覚以外はとんと無縁なのがちょっと残念です。
初冬の奈良旅行、楽しんできてくださいね!
お肉3枚で9,000円越え!?
倒れそうになりました…。しかし、やはりお値段に見合った価値があるのですね。
行ってみたい、でも9,000円…。
おかゆサマ
そうなんですよ、たった3枚なんですよ。
なので「3枚でワタシを満足させられるのかしらね、ふっ…」みたいなテンションで店に行ったのですが、食べたら「すいません、美味しかったですーー!!」となって帰ってきました笑
たくさん食べたい若い頃ならナシですけど、美味しいものをちょっと食べたいお年頃にはいいすき焼きでした。
でも9,000円…!
こんばんは(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
驚愕のお値段!!
お肉3枚で?ナイナイナイ笑笑
お値段以上…いや…でも…無いわぁ 笑笑
奈良にそんな値段設定の店有るんですね。
違う意味…驚きました
まだむサマ
ワタシも予約するときに「うっ…」と思うお値段でした。肉が倍ないと割に合わないぞ、と笑
でも食べてみたら高いだけあるわ…と思えたので、いい経験です。
でもこんなにいいすき焼きを食べるのは、向こう10年はいいやってカンジですね笑