マンションを買うときに、ニコニコ現金一括払いをできる会社員はあまり居ないのではないでしょうか。
フツーの勤め人は住宅ローンを組んでマンションを買うことになると思います。
そして、「このマンション素敵! どんなに高くてもいいから買うわ! 家計が破綻したって知ったこっちゃない!」という勢いで買っちゃう人もあまり居ないハズ。
自分の支払える範囲で身の丈に合った物件を…と考えるでしょう。
よく販売会社が謳うのが「住宅ローンの支払いは、月々の家賃と同じくらいの金額。今と同じ支払いで夢のマイホーム生活を手に入れませんか?」ということです。
ホントにそれが正しいか、ちょっと考えてみましょう。
ローン返済のシミュレーション
仮に、あなたの年収が450万円くらいとします。手取りでは約350万円。
ボーナスがどの程度の割合を占めるかは勤務先によるでしょうが、ここはひとつエイヤッと毎月の手取りは22万円くらいとしちゃいます。
一般的に「家賃は手取りの1/3で」なんて言われることが多いので、7万円(家賃+管理費)の部屋に住むのが相場でしょう。
あくまでも仮値ですよ。東京23区と地方では全然違うハズですが、ここでは一応こうしときます。
住宅ローンを借りてマンションを買うとすると、今家賃を7万円払っているわけだから月々7万円返済できる。
返済期間は35年間も可能だって?
それなら
7万円×12カ月×35年=2,940万円
と、約3,000万円のマンションが買える!
その計算は間違いです。
お金を借りたら利息が発生する
当たり前ですが、金融機関もタダでお金を貸してくれるわけではありません。利息を支払う必要があります。
もし利率1%で、返済期間を35年として2,940万円を借りると、支払い総額は3,400万円を超えます。
利息だけで1年間の収入分くらいになってしまうわけですね。
400万円で3,000万円近く借りられるならお得と思うか、自分の身にならないお金を400万円も払うなんてもったいないと思うか、さてあなたはどちらでしょう。
住宅購入にかかる費用は、本体価格+利息だけじゃない
それくらいの利息なら払ったるわー! という豪気なあなた。
マンションを買うと、支払わなきゃいけないものがまだまだあります。
まずは購入時の初期費用。
- 手付金
- ローンの手数料
- 保証協会保証料
- 印紙代
- 登記費用
- 修繕積立一時基金
- 火災保険料
などなど。
このほかにランニングコストもあります。
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
このうち管理費と修繕積立金は上がる可能性があります。
特に新築マンションは、販売のときにランニングコストを抑えて見せたいがために修繕積立金をかなり安く設定してあります。絶対足りなくなるので数年ごとに値上げしていくか、のちのちにまとまった金額を払わなきゃいけません(そして住人同士で揉める)。
デベロッパーや銀行の甘言に乗せられるな
マンション販売会社の営業マンはとにかく買わせたいので「初期費用も全額ローンで組めますよ~」「修繕積立金が値上がりする頃には収入も上がってますよ~」などとあなたに囁いてきます。
あなたが膨大な借入金額を抱えたまま失職したとしても、営業マンには何の関係もないですからね。無責任に唆してきますよ。
ローンを貸す銀行も、絞れるところからは絞ろうとしてきます。
金融機関によっては「年収の40%まで貸せますよ」なんてところもある。
手取りじゃなくて税込ね。あなたの年間の可処分所得が350万円なのに、年間110万円以上返済に充てればいいよと言ってくるわけです。残りの240万円の中から管理費だの固定資産税を払って、そのさらに残額で豊かに暮らしなさいと言うわけです。
と脅すようなことを書きましたが、収入や住まいに対する考え方によっては上記の通りとは限らないので、まあ一例ということで。
住居費を月々の家賃並みに抑えたいとしたら、利息とかランニングコストも勘案してねというお話でした。
ネットで住宅ローンの借入シミュレーションを計算できるので、検索してみてください。利率や返済期間をちょっと変えるだけで、返済総額がかなり変わります。
次の記事では、ワタシの住宅ローン完済までの道のりを紹介します。
住宅ローンを短期間で完済するためには
5 thoughts on “月々の家賃並みの支払いでマンションを買えるってホント?”