皆さん、工場見学は好きですか?
ワタシは大好きです!
工場にも良い工場と悪い工場がありまして、良い工場とは何ぞやというと、動線に無理がないとか見晴らしがいいとか工員に活気があるとかいろいろあるのですが、究極的には「整理整頓が行き届いている」という一点に収斂されます。
この猛烈に片づいている「良い工場」を見ると、めっちゃ萌えるのです!
ワタシが工場で一番ワクワクするのは、工具の収納場所です。
ドライバーならドライバー、レンチならレンチ、と工具箱が決まっているっていうのはまだ甘い。
棚に工具1点1点の置き場所がプレートやテープできっちり指定されていて、貸出状況が一目でわかるようになっているのを見ると「ああ、気持ちいい!」と悶えます。
というのも、工場では1円1銭のコスト削減が重要なので、工具に不備があるとか、ましてや工具が行方不明になって買い直すなんてのはもってのほかなんですね。
そして、1秒どころか0.1秒単位で工程を削るので(短い時間でモノを作れる=生産性が上がる・利益に繋がる だから)、目当ての工具を探すなんて時間が発生するのももってのほかなのです。
棚に1点1点工具を並べると、確かに空間的にはもったいないです。工具箱にぎゅうぎゅうに押し込んだ方が面積・体積的には効率がいい。
でも、「目当てのモノを一瞥で見つけられる」「出し入れに余計なアクションを伴わない」という方を優先させた方が、総合的な効率はいい。
以前、テレビで見かけたJALだかANAだかの整備工場の工具置場が素晴らしくスッキリしていて、テレビの前で「うおおお!」と唸ってしまいました。
工具置場どころか工具部屋なんてのがあって、工具が棚にきちーっと並べられていて、貸出返却はバーコードの読取でサッと済ませられるんですよ。
これぞ整頓の鑑! というカンジでした。
ところで、「整理」と「整頓」の違いはご存知?
「整理」は、要不要の区別がついて、不要なモノが取り除かれている状態。
「整頓」は、要るモノが決められた場所に保管されていて、必要なときに取り出せる状態。
要るのかどうかわからんモノが混ざっていたら「整理」ではないし、要らんモノを排除してあっても要るモノの保管場所が決まっていなかったら「整頓」ではない。
ましてや、お客さんが来るから床に散らばっていたモノを押入に慌てて突っ込んだ、というのは「整理整頓」では決してないわけですね。
ワタシは数年前に体調を崩したとき、家事をやるのもしんどかったので「どうしたら家事が少しでもラクになるか」というのをとことん考えたことがあります。
参考:シンプルな部屋が好きな理由
そのときに参考にしたのが「良い工場」の思想。
整理整頓が行き届いて何を取り出すにもラクであれば、少なくとも家事の時間は短縮できるハズ。
そう考えて、家の中で少しでも不要と思ったモノをどんどん処分して、収納の内部をスッカラカンにし、動線を考えながらモノの収納場所を決めていきました。
参考:[シンプルな暮らしのルール50]家事動線の簡素化
その結果、ウチの掃除道具置場はこんなことになっています。
ハンディワイパーや布団用掃除機ヘッド、消耗品などを陳列しています。
こんなの積み重ねちゃえばもっと省スペースで収納できるけど、ごちゃごちゃ押し込んで取り出すのが面倒くさくなると掃除自体が面倒くさくなるんですよ。ただでさえ掃除が嫌いだから。
参考:[中掃除・小掃除]ズボラな人の掃除習慣
食器棚の中身も同じ思想で整えています。
同じ種類の皿は重ねるけど、違う用途のモノは重ねない。
もっとどんどん重ねちゃえばたくさんの皿を入れられるけど、重ねて取り出しにくくなってしまうと「必要なときに取り出せる状態」ではないからやらない。
参考:イイホシユミコと食器棚のアップデート
鍋も同様です。
重ねればスペースを有効に使えるけど、出し入れにモタモタしてワタシの時間が無駄になる。
参考:【ストウブ】愛用の鍋、大公開!【ル・クルーゼ】
ま、これだけスペースをゆったり使えるのはひとり暮らしにしては広い部屋に住んでいるからですが、もし狭い部屋に住むとしても収納を工夫するよりは「整理」をもっと厳しく徹底してモノを減らす方向に走ると思います。
工場好きがまさか私生活で活きる日が来るとはね!