前編のあらすじ:
マンション売却に当たり、A社・B社・C社に相見積もりを取ったワタシ。
あれこれ考えた結果C社に決めたが、果たして無事に売れるのか?
仲介の契約に当たっては、いろいろ書類を書かされます。
契約書、マンション設備の状況、公的書類取得の委任状、あと何だったかな。
もう1~2枚書いてハンコを押したような覚えがあります(B社の応対に辟易していて記憶が曖昧)。
契約手続きの最後に、売却価格をどうしましょうとC社の担当者と相談しました。
周囲の競合しそうな物件の売出価格と過去の成約事例を勘案し、「○万円で売り出して、○万円くらいの値引き交渉は想定して、最終的には○万円で成約できれば嬉しいかな」なんて価格設定でいくことに。
契約手続きしがてら四方山話をしつついろいろ訊ねたところ、A社が欲しがった照明だのカーテンだのは「あればあるに越したことはない」とのことらしい。
予算がカツカツの人が喜ぶというより、「内装が日に焼けないようにカーテンは付けておいてほしい」というレベルのハナシらしいです。そりゃ古ぼけたカーテンの役割なんてそんなもんよね…。
さて、契約作業が無事済んだ後は、物件検索サイト掲載用の写真撮影です。
C社の担当者、部屋に上がる前に「既に外観は数十枚撮りました!」とウキウキと話しておられました。それを聞いて「ああ、やっぱりこの人にして良かったよ」と思いましたよ。どうせなら楽しく販売活動ができる人と組みたいものです。
室内は、LDKも洋室も水周りも激写。ろくに掃除をしていないから、ひやひやしながらの撮影です。もっと真面目に水周りをピカピカにしておけばよかった。
と心情を吐露したら、「画像は修正するので大丈夫です!」と担当者に言われちゃいました。そういうもんか。
ワタシ的には自分の部屋はまあまあ片づいている方だと自負しておりましたが、いざ撮影となるとまだまだと痛感です。
出しっ放しのストレッチポールとか、生活感たっぷりのゴミ箱とか、埃をかむった体重計とか…。あちこちのモノを寄せながらの大撮影大会になりました。
まだまだだよ…とワタシが落ち込んでいたら、営業マンには「片づけだけで1時間とか半日とかかかるお宅もありますから」と慰められました…。
参考:シンプルな部屋が好きな理由
撮影した画像を見せてもらうと、なかなか素敵な雰囲気です。
特にエントランスやロビーは、ワタシが全然エントランスや眺望に構わない人で「不愉快じゃないならどーでもいいわ」って程度ですし、入居時に実物を見てもテンションが上がるということはなかったのです。
それがカメラを通すとなんだか素敵に見えるから不思議。
改めて「ああ、ワタシって良い部屋に住んでるんだなあ」と感じて、売るのが惜しくなったほどです。でもお金がないから売るんですけどね。
さて、実際にマンション売却活動を開始してみて。
当初は「すぐに売れちゃって、しかも即引き渡せとか言われたらどうしよう。住む場所なくなっちゃう~」なんて心配をしていました。
が、そんな心配は杞憂でした…。
内見希望者もぽつぽつとは現れました。
でも、ホントにぽつぽつ。
大海原で一本釣りをしているかのような手応えです。
これが大人気の有名マンションとかなら、投網漁くらいの手応えはあるんだろうなあ。
反応が薄いというのは、なかなか消耗する事態でした。
これで毎週のように内見者がウチに来て、成約に至らないまでも「あそこが気に入らない」「ここが不満」などと言ってくれるならまだいい。何か言われれば改善に向けてやることがありますからね。
でも無反応だと何もできません。
その一方で「内見者が次々に来る状態でも仕方ない」という気持ちもあります。
100人見に来ても成約しないなら意味ないし、たったひとりの内見者が買ってくれればそれでいいわけだし。
と言い聞かせて、大海原で釣り糸を垂れる日々を堪えていました(そしてワタシは釣りに向いてないと悟った)。
広告も打った、チラシも入れた、仲介業者が抱える顧客に虱潰しに営業をかけた。
これでも反応がイマイチな場合、ワタシが取れる手段は値下げです。
元々、最初の売出価格はかなり高めに設定していました。
「こんな価格で成約するわけないよね。でも買手が見つかったらラッキー」というカンジ。売却時期に切迫したリミットがないからこそ挑戦できたわけですね。
しかしワタシの釣り糸になかなか当たりが来ません。
なので「○万円くらい値下げ交渉があると想定して、その分を上乗せた価格」にまで下げました。
これで大当たり! …となれば良かったのですが、その後の手応えもあまりいいものではありません。
そうこうしているうちに、C社と契約して3カ月が経ちました。
仲介業者との専属専任契約は、基本的には3カ月単位です。
なのでC社と契約を更新するか、別の業者と契約し直すか、決めなきゃいけません。
C社の担当者はどんな様子だったかというと、契約時に「余裕で売れますよ!」と大口を叩いた割には反響がないので焦っているらしく、打合せの度に値下げを提案してきました。いやいや、バナナの叩き売りじゃないんだから。
売出価格には余裕を持たせているので値下げ自体はやぶさかではないです。
しかし、値下げするのはいくらでもできますが、相場より極端に下げてなお売れないとなると却って買手に不審がられます。
それに、値下げした価格そのもので成約できればいいけど、そこからさらに値下げ交渉が入った場合のことを考えるとギリギリまで下げるのは抵抗がある。
そこでC社の担当者に、値下げ以外にもう打つ手はないのか、そして値下げ交渉を突っぱねてなお売出価格で成約する自信があるのか訊いてみました。
回答はNOです。
うーん、仲介業者って案外仕事をしていないんだなー…と思った瞬間でした。
そりゃ予算や時間の制約があるんだろうけどさ。ワタシの素人考えでも思いつく販売戦略はまだあるぞ。
と悩んでいる頃、久しぶりにB社の担当者から電話がありました。
販売状況はいかがですか~という様子伺いです。
まさに「うーん」と考えていたタイミングだったので、ちょっと感心しちゃいました。いいところ突いてきます。
その電話をきっかけにB社の担当者と3カ月ぶりに話をしてみると、印象が変わっていました。
3カ月前は「オレがオレが!」感が強く、どっちかっつーと鼻持ちならん若造というカンジだったのに、ちょっと丸くなって顧客に寄り添うような言動も見せていました。一体この3カ月で何があった。
ヒットのない漁場で釣り糸を垂らしているのに倦んでいたワタシは、気分転換に河岸を変えるのもいいかもなーと考えて、次の3カ月はB社に乗り換えることにしました。
これが奏功して購入希望者が次々に…! となったらよかったんですけどね。そうはいきません。
仲介業者を変えたからといって劇的に反響があるなんてことはなかったです。
そりゃそうだ、同じマンションなんだから。
てことは、どの仲介業者と契約しても売れ行きに違いはないんだろうな、てのがワタシの結論。
それなら親身になってくれて気が合う担当者がついてもらえるところにお願いしとけばいいんじゃないかと思います。
しかし、売却活動も4カ月目になるとワタシの方も飽きてきて、週1回のレポート以外はほぼ放置なB社の担当者に特に何の感慨も湧きませんでした。
その頃になると2軒目のマンションへの入居の諸々が本格化して、さらにプライベートでごたごたしていて忙しかったのでマンション売却活動どころじゃなかったんですね。
参考:《引越まで約1カ月半》住宅ローンの契約、入居手続き、そして引越業者とさらにトラブル!
新居の返済が遅れるけど、何ならワタシが引っ越した後に売れてくれて全然OKと考えていました。むしろ先に売れちゃったら困る! 仮住まいのための引越とか、こんな忙しいと絶対できない! くらいに思っていたほど。
そうこうしているうちに、年度末が近づいてきました。
不動産の動きが最もいいのは年度末です。
ここで勝負に出ることにしました。
それまで相場よりちょっとお高めに設定していた売出価格を、相場並みに値下げしたのです。
うーん、高く売る抜けるってのはやっぱり難しいんですねえ。
しかし、値下げの効果は抜群でした。 それまで月に1~2回もあれば上等だった内見者が、週イチペースになったのです。
大海原で一本釣りをしていたのが、いかにも獲物が潜んでいそうな渓流に罠を仕掛けたくらいの手応えに変わりました。
けれどその頃は2軒目のマンションへの引越が目前に迫っていて、部屋には十数箱の段ボールが積み上がっています。
そこへ週イチペースで見知らぬ人がやってくるというのは結構ストレスです。
そして、売却は結局どうなったかというと。
ワタシが2軒目のマンションへ移って空き家になった後、さらに内見ペースが上がってその中でようやく売れました。
やれやれ、こんなことなら忙しい中長期間売却活動しなくても、空き家にしてから短期決戦で売り抜ければよかったよ。
多分、不動産が動く時期に相場並みの価格で売りに出せばA社だろうがB社だろうが売れたんでしょうね。ワタシの仲介業者選定騒ぎは何だったんだか。
マンション売却の教訓:
1.相場以上の価格では売れやしない。
2.売却活動が長期化すると疲れる。
ま、ワタシはこの教訓を活かせる次の機会はないと思いますが(多分)。
One thought on “【マンション売却】仲介業者の選定・後編”