新しいNISAの攻略法と、お金の管理に「絶対」も「不変」もない話

2024年から始まる新NISA。
新しいNISA 金融庁

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庶民にはかなり嬉しい「非課税保有限度額が1,800万円」「非課税保有期間は無期限」ということで、ここしばらくでは最も嬉しいニュースでした。
参考:【家計簿大反省会】値上げに悩まされた2022年と、2024年新NISAへの期待

何しろ現行NISAが開始した2014年は、株式譲渡益の課税率が10%から20%に引き上げられた年。
社会人になって以来軽減税率でほぼやってきた身としては、現行NISAは手放しで喜べるというより「お、おぅ…」というカンジだったのです。
それが新NISAは今のところ「現行NISAの不満をほぼ払拭」となりそうで、1,800万円も株に突っ込めるかなあという庶民には大歓迎となりそうです。

…と浮かれていると、株式譲渡益の税率が上げられそうな気がしてならないんですけどね。

 

さて、気が変わる可能性もありますが、今のところ新NISAは次のようなカンジで攻めようと考えています。

今ワタシが積み立てている投資信託はほとんどが先進国の株式です。
なぜかというと、オール・カントリーが出る前は全世界株式の低コストで良い投資信託がなかったから…。
日本株は個別銘柄で売買するし、新興国人気はどっか行っちゃったし、それなら先進国(日本除く)でいっか。みたいなカンジでした。

その前はどうだったかというと、投資信託って難しいというか高いというか魅力的ではなかったのです。
購入手数料がかかるから、買った瞬間に元本割れというストレスフルな商品で。
信託報酬料も高いし、中身はなんだかよく分からんモノをごちゃごちゃ盛られるし、若い頃のワタシにとって投資信託は「お金が有り余っている人が鷹揚に買うモノ」というイメージでした。
新興国債券みたいにナマモノを買うのが難しい商品の場合はありがたかったけど、ちまちま儲けを出したいなら日本株の売買でいいや…と思っていました。

それが現行NISAに合わせて(だと思うけど)低コストの投資信託が出始めて、イメージが徐々に変わりました。
古株の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドのタイトルにわざわざ「購入・換金手数料なし」って付いているのは今見ると笑っちゃうけど、当時としては画期的だったんですよ。もちろんワタシも買いましたとも。
そういう意味ではNISAは金融業界に大きな転換をもたらしてくれました。
んで後追いでオール・カントリーなど「世界中の株式をぎゅっとまとめた幕の内弁当」みたいな商品も低コストで出始めて、「えー、これでいいじゃん」と思っているのが2023年現在。という状況です。

全世界株式ならVTみたいなETFでもいいとは思います。
ただ、ETFを選ぶとワタシの場合「ちょっとでも安く買いたい」とか言って市場に張りついちゃう可能性があるんですよね…。
手間をかけたくないから指数を買うのに、値動きに一喜一憂していたらバカみたい。
海外ETFの場合は外国税控除のために確定申告をするのも面倒くさいので、それで「日本の投資信託でいいや…」となっています。

 

というわけで新NISAでも投資信託をひたすら買うというのはすぐ決めたのですが。
何を買うかはちょっと迷いました。

 
これからぐんぐん成長する会社の株を一点集中で買うのが最も儲かるよね。

しかしそんな会社を見つける目もないし、購入する胆力もない。21世紀になったばかりの頃、お前はAppleを買えたのか? 買えなかっただろう?

そこそこ有望な会社を複数選んで買うのが現実的だけど、いろんな会社をウォッチする気力も時間もないし、流行りのセクターを追いかけるのも面倒だし、色々入った投資信託でいいじゃん。

どうせまとめ買いするなら数社と言わず、数百社買えばいいじゃん。

それだとこれから伸びる会社を取りこぼす! 全米丸ごと買ってやれ!

米国だけでいいの? すぐに都合のいいようにルールを変える欧州とかも買っちゃっていいんじゃない?

次に新興国ブームが来たらどうするの。買っちゃおうかなーと思った時にはもう高いよ。全世界丸ごと買っておきなよ。

みたいなカンジでワタシ的にはオール・カントリーが一番ストレスがないように思えます。
今現在既にお年寄りの人は生きている間に米国が完全に没落するのは考えにくいからS&P500や全米を買っておけと思うけど、投資生活がまだまだ数十年続く若者は全世界でいいと思うんですよね。かつての大英帝国が今は見る影もないように、ブイブイ言わしていた日本が衰退したように、先のことは分かりませんから。
が、余計な株が入っていたらリターンが減るという気持ちも充分理解できるので「S&P500が好き」「VTIしか勝たん」というのもよく分かる。

ワタシの場合、即オール・カントリー一本と決められなかったのは、年齢が微妙なせいでした。
100歳まで生きるなら全世界がいいよね。でも父みたいに60代突入早々に死ぬなら、あと20年もないから米国や先進国でもいいじゃん。
と、迷ったのです。

しかし、ブリ男用の投資先を選ぶとき、彼の将来の医療費になるかもしれないからとギャンブル的な要素を一切頭から排除して選んだのはオール・カントリーでした。
参考:猫は投資家。

それを思い返すと、ワタシ的には全世界丸ごとっていうのが「これでダメなら仕方ないね」と思える最適解なのかな。
なんてことを考えています。

 

さてもうひとつ、なるべく短期間で非課税保有限度額を埋めるという野望について。
これもワタシの年齢のせいです。

20代30代であれば、今特定口座で持っている商品はそのまま置いておいて、新NISAへ無理のない範囲で新たに入金していくと思います。
が、既に50代が目の前で老後待ったなし。20年30年かけてゆっくり積み立てていくんだ〜とはとても言えないお年頃。
5年かけて、もっと最短でいうと4年と1日で1,800万円を埋めたときにはワタシは50代前半で、そこから10年15年気長に資産の成長を見守るとしっかりご老人になっているんですよね。

使える非課税制度をフルに活用したい。かつ、なるべく勝率を上げたい。
となると「うおおおお、急いで枠を埋めねば!」と焦っている次第です。

これで毎年360万円新たに投資できる財力があればいいのですが、360万円も投資したら手取り全投資じゃねってくらいの収入なので、定期預金を移したり特定口座の投信を売り払って買い直したりという作業が必要です。

定期預金はいいんだけど、特定口座から移すのはまあまあ「うっ…」と思いますね。

というのも、コロナショックの前から買っている商品は素晴らしい含み益になっていて、ニヤニヤできるのです。これを売って税金を払うのか…と思うと抵抗がある。
あと、先進国株式を売って全世界株式に買い直すというのは合理的なのかなあ、なんて迷いもなくはない。
更に、特定口座のオール・カントリーはブリ男用としていたのが、新NISAの口座でワタシのお金と一緒くたになるのもちょっとイヤ。ま、これは今もブリ男貯金を無視して家計からブリさんの費用を出しているから今更ですが。

とはいえ先になればなるほど払う税金は多くなるわけだし(株式は成長するものという前提で)、この先オール・カントリーより良い商品が出たら乗り換えていくことになるだろうから今回も練習だと割り切って先進国から全世界に移すのもやってみればよかろう。
なんてことを考えています。

 

それにしても、よくよく思い返してみると、ワタシが投資をしている目的は「老後資金の足し」というのもありますが「住宅ローンの利息を賄う」というのがありました。
前のマンションを売った資金の一部を株にして、利息分くらいは稼げたらいいな。そうしたら株は売って、ローンを完済しよう。なんてことを考えていたのですね。
実際はコロナショックの反動もあって利息分の含み益はさっさと出て、その分を利益確定しようかずいぶんと迷いました。
が、お金に色がついているわけでもなしとそのまま放置しています。
そうしたら、色がついていないのをいいことに、住宅ローン返済資金の一部だったハズのお金をわずか数年で「いいからとにかく新NISAにブッこむぞー!」と方針転換したので、自分でも呆れています。

住宅ローン減税期間が終わったら完済してもいいな。
と思っていましたが、新NISAに突っ込みたい野望が生じたので、金利次第では先送りになりそうです。
そしていつ新NISAの枠が埋まるか分からないけれど、そのとき手元には現金がいくらも残らない見込みです。

その後は、株なぞ1円も買わずに貯蓄はひたすら現金を積み上げていけばいいんだけど、迫り来る還暦の足音を聞きながら貯蓄をイチからやり直すってなかなかしんどいだろうな…と想像しています。
お金に困ったらNISAの一部を取り崩せばいい話ですが、そのタイミングで株の大暴落があって半値になっている可能性もありますしね。

いやはや、あと10歳若いときに新しいNISAがあったらなあ。
お若い方は時間を味方にして、ラクな老後資金作りをしてくださいね。
参考:【資産形成】若い人には「時間を味方につけた投資をしなさい」と言いたい!

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

4 thoughts on “新しいNISAの攻略法と、お金の管理に「絶対」も「不変」もない話”

  1. 「21世紀になったばかりの頃、お前はAppleを買えたのか? 買えなかっただろう?」
    ここ好きw

    ビビりなくせにのんきなんで、いろいろ後回しにしてて。
    今はビビリ向けのつみたてNISAなんですが、一応次のことも考え始めてはいます。
    ただこの手のことには本当に弱いんでね…。
    こういう記事はほんと勉強になるし、刺激にもなります。
    「みんな真剣に考えとるんやぞ?そんなのんきでいいんか?」
    て、耳元で大声で言われてる気がしますわ。

    1. ひまわりサマ
      あの頃はAppleなんて潰れそうでしたし、Googleはなんかよく分からん新興会社でしたからねえ…(遠い目)。
      氷河期世代ど真ん中としては良い時代を生きられなかったとは思いますが、バブル崩壊を眺め、リーマンショックを体感しと、イヤなことへの耐性がついているのだけが利点です笑

      なるべく早くフルタイムで働かなくていいように…と老後の準備をしたいところですが、物価上昇だの増税だので簡単ではなさそうですね。
      好きな仕事を定年関係なく続けられるのが最強だよねえ…と、まったく好きじゃない仕事をやっている身としては思うのですが、この歳から歳を取っても続けたいという仕事を始めるのも腰が重く、何だかなーという気分です。

  2. りんむさま

    ちょうど新NISAの投入銘柄を検討してまして、私もオルカンかなーと考えていたところです。りんむさまと同じ年頃なので、思ってること(運用期間を伸ばすため5年で完了したい、いやしかし若い人羨ましいな…)が一緒で、親近感を覚えます!

    当初はオルカン一択だったのですが、米国高配当ETFも少し買うか…とか考え始めると本当に悩みますね。

    1. きなこサマ
      本当に、若い人羨ましいですよね~…。
      中高年も1,800万円余裕で突っ込める方ならいいでしょうけど、ワタシは無理矢理突っ込むので、余計に若い人いいなーと思っちゃいます。
      そろそろ取り崩しが視野に入るお年頃になると、高配当ETFは気になりますよね!
      まだ今のところ再投資するしかないので投信一択ですが、十数年後に取り崩し始めることを考えると今の内から配当狙いのETFの方がいいのか…? でも、独り者だと遺しても仕方ないので、投信全取り崩しでいいのかなあ…? など悩みます。

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