久しぶりに旅っぽいことをしました。
秋の恒例行事、正倉院展に行ってきました。
昨年は、コロナ禍だから開催しないのかなーなんて油断していたら実はいつの間にかやっていて、行きそびれたという間抜けなことをしでかしました。派手に宣伝してないと見逃しますね。
今年はそんなことのないよう早めに情報をキャッチし、前売り券も発売早々にゲットです。
というわけで2年ぶりの正倉院展でしたが、これがまあ快適だったんですよ…!
正倉院展の名物といえば大行列。
と言っても過言ではないほど例年混雑します。
さすがに当日券購入の行列に並ぶのは避けたいということで前売り券を入手しておくのですが、それでも入場までにすっごく時間がかかる。
奈良国立博物館の入口の屋根の下、ぎゅうぎゅう詰めに九十九折りの行列を作ってもなお溢れ、公園内にも人が並ぶという混雑っぷりなのです。
なので入場するまでの行列中、何度もリピートして流れる正倉院展のビデオにもすっかり飽きて、連れと次の旅行について話し合い予約まで完了してしまう、みたいな時間潰しをするのがいつもの風景でした。スマホ普及前は本を読みながら並んだ記憶があります…。
その行列を抜け、足が棒になった頃ようやく博物館に入場するも、中もぎゅうぎゅう。
宝物が並ぶショーケースの前は黒山の人だかりで、最前列で眺めるまでには根気よく待たねばなりません。人の頭を見に来たんだか宝物を見に来たんだかわからん、というのが正倉院展の名物みたいなものでした。
まあね、会期が短いし、毎年展示物が変わるからこれを逃すと生きて見ることはもうないと思うとつい行っちゃうし、混雑するのは仕方ないのですよ。
ところが、このコロナ禍です。
さすがの正倉院展も混雑緩和の対策の下、開催されました。
まず、当日券の販売はナシ。前売り券のみです。
その前売り券も日時指定。1時間単位で入場時間を区切られています。早めに来ても、持っている券の入場OKの時間帯の10分前までは行列もさせてもらえない。
さすがの正倉院展も、これなら空いているとまではいかなくても「人いきれでドッと疲れる」て羽目にはならないんじゃないか!?
とウッキウキで奈良国立博物館に向かいました。
すると、例年のような長蛇の列は見られません。
検温場所とチケットのもぎりの場所では少し人が滞留しているけれど、行列というほどの規模でもない。
「今年のメインの宝物は何だっけね~」なんて話していても、確認する前にスルスルッと入場できてしまいました。
展示会場に入っても人が少ない!
いやまあガラガラというには程遠いってくらいには人はいますが、例年はスタッフが「入口付近で立ち止まらないでくださいー!」と声を枯らして叫んでいるのに、今年は「空いているところから見てくださいね~」とスタッフも余裕の微笑です。
外国の美術館だとこんなカンジだよねー、とすごく快適でした。海外で混雑のせいでぐったりするほど疲れたのなんてルーブル美術館のモナリザの前くらいだもんなあ。
そんなわけで、いつもとは違う贅沢な鑑賞の仕方ができました。
宝物の真ん前に陣取って細かい装飾にうっとりし。
壁に掲示してある解説を読んで「えっ、あの部分はこんな風になっていたのか」と驚き。
再度ショーケースにへばりついて「なるほどねえ、素晴らしいねえ」と感心し。
なんてことが可能。
例年ならショーケースにたどり着くまでに時間がかかるので、同じ宝物を再度見る元気は残ってないんですよね…。
というわけで、螺鈿紫檀阮咸 (らでんしたんのげんかん)の細かい螺鈿や贅沢に使用された玳瑁に何度もうっとりし、白瑠璃高坏(はくるりのたかつき) の微妙な色合いに「こんな花瓶が欲しいわあ」と罰当たりな妄想を膨らまし、漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)の細かくて華やかな図柄に感動し、紙と毛を交互に巻くという当時の筆の書き味に思いを馳せ、なんて鑑賞をじっくりできたのです。
入場者数激減で運営的には大打撃かもしれませんが、観る側にとってはすごくありがたい!
コロナが落ち着いても毎年この方式で開催してくれればいいのに、と切に願っております。
さて、せっかく奈良公園まで行ったので。
興福寺にも行ってきました。
なぜかというと、五重塔が現在特別公開されているんですよ。
興福寺 国宝特別公開「五重塔」のご案内
2022年からは大修理のため塔がすっぽりと覆われ、外観を観ることもできなくなるそうな。その修理が始まる前に内部が特別公開されているのです。
それは見逃せない! と行ってきました。
塔の周囲は、既に足場が組まれ始めていました。
内部は撮影・スケッチ禁止。
というわけで、四面の仏像をしっかり心に焼きつけてきましたよ。
コロナの感染が落ち着いているということで、観光客はぼちぼち居たように思います。
が、外国人がいないと静かでいいですねー…。
インバウンド狙いの商売をしている人にはたまったものじゃないだろうけど、客としては今くらいの落ち着きっぷりの方が静かに遊べて快適でした。
わあ、いいですねぇ。
正倉院展なんて本来はこういう鑑賞のしかたが正しいんですよ。
宝物を鑑賞に行ってるのか人間を鑑賞に行ってるのかわかりゃしないですもん。
五重塔の内部観覧、羨ましいです。
あの免震構造、一度でいいから生で観たいんですよね。
コロナ禍って悪いことばかりでもないなって思ったりもします。
「外国人がいないと静かでいいですねー…」には激しく同意。
声が大きいですしね…何でだろ…。
ひまわりサマ
ホントホント、いつもは人に揉まれてぐったり…が正倉院展でしたが、今回はゆったりと美しい物を見られて幸せでした。
これが毎年続いてくれるとありがたいのですが、どうでしょうね。来年はまた賑やかな外国人が来るのかなあ…。
五重塔、礎の部分をちょこっと覗けるようになっていましたが、こんなんでよく立っているなーというカンジでした。
歴史を見ても、雷で焼失は頻繁にあるけど地震で倒壊は酷いのはなさそうなんですよね。先人のテクノロジー、すごいです。
今年もうっかりしていました!
よく考えたら、チャンスでしたよねー残念です。
開催日が少ないのが本当にネックです。
毎年、りんむさんのブログでうっかりしていた事を知る…
私の季節の風物詩になってしまいました。
さあ、来月のパネトーネ、色々思いを巡らせています。
yumiサマ
ホント、正倉院展はうっかりしがちですよね〜。
ワタシも毎年人から言われて、あっとなる口です。
来年は賑やかな正倉院展になってほしいような、ずっとこのままでいてほしいような…。
もうパネトーネの季節になりますね!
早いものだ〜。
私も奈良へ行って来ました。ちょうど正倉院展してて、流石に人気の展覧会、当日チケットある筈ない…思いながら前を通過しました。
以前行った時は、コンベアーで流れるように押し出される感じで見てんですが。
ああ言うものはゆっくりみたいですがね。
コロナ禍で一番良かったと感じたのは、有名観光地、人気の地域に観光客が少なかった…事ですかね 笑笑
日本人だけの観光地がこんなに静かとはっ!活気が無いのは仕方ないけど。
これも徐々に以前の姿に戻るのでしょうが…
まだむサマ
コンベアどころか、芋を洗うかのごとくの混雑っぷりだったので、今回のようなゆったり正倉院展は初めてで満喫しました。
貴重な宝物はゆったり堪能してこそ…としみじみしました。
活気がないのは淋しい気もしますけど、落ち着いている観光地もいいものですね。
少し前は某観光地の土産物屋にズラッと中国語が並んでいて、一体どこの国に来たのか…と風情もへったくれもない状態はさすがにイヤでした。
まだ外国人観光客が大挙する前に、またゆっくり京都でも巡りたいものです。