今回紹介する本はこちらです。
1年間働かないと決めた34歳女性の日常生活。
ワタシもちょうどその年頃に仕事をしていなかったものですから、キノコが生えそうになるまで寝るとか、社会に参画できていない焦りとか、あるある過ぎる漫画です。
ワタシは話の本筋(と言っても主人公が昼寝しているだけの回もあって、話らしい話がないこともあるけど)ではなく、無職さんの部屋を見るのにハマッています。
無職さんが住んでいるのは1Kのアパート。オートロックもなければ宅配ボックスもない、何の変哲もない小さなアパートです。
そして無職さんの部屋もごくごくフツーです。特にオシャレでもなく、というよりむしろ生活感満載で、広くない部屋にいっぱいモノを置いて「炬燵を出したら布団が敷けない…」なんて悩んでいる。
その部屋がリアル過ぎて面白いのです。
小さな食器棚に炊飯器を乗せて。
洗面台がないから台所で(キッチンじゃなくて「台所」って風情)洗顔して。
窓の手すりに布団を干して。
PC用のデスクがあるのに炬燵や布団でPCを使って。
北欧! ブロカント! ブルックリン! アタシのステキなお部屋、どや!
という気負いはもちろんないし、
ミニマリスト! ほっこり手間暇かける暮らし! そんなアタシに憧れるでしょ!?
というドヤ感もない。
そのくせ、無職さんの家事スキルはなかなかのものです。
朝ご飯の目玉焼きとか娘さんのための可愛いお弁当とか美味しそうだし、掃除や衣類の手入れもマメにやっている。
そういう日常生活を気負いなく淡々とこなしているところがむしろ「いいなあ、ステキだなあ」と思えてしまうのです(寝坊してゴミを出し損ねるのはご愛嬌ということで)。
おそらくワタシは無職さんのアパートより洒落た部屋に住んではいるのですが、梨を剥いてる最中に「いいや、キッチンで立ったまま食べちゃえ」なんてやる辺り、どこに住んでもやることは同じよねぇと思いました。
ワタシのこの「リアルに描写されている部屋が好き」という性癖は、この絵本が原因です。
はじめてのおつかい
これもまた、見ているだけで楽しいんですわ。
いろいろ置いてあるキッチンとか、道路から見える住宅の様子とか、お店に並んでる商品の1点1点とか。ずっと眺めていても飽きない。
こういう細かいのが大好き症がジオラマ萌えに繋がっていったんだと思います。
出掛ける前にクローゼットの中身を全部ブチまける、とかがイヤになってウチはシンプルにしちゃいました。
シンプルな部屋が好きな理由