正倉院展の後に素敵なフレンチ料理 ~La Terrasse (ラ・テラス)~

今年も正倉院展へ行ってきました。
参考:旅ログ ~秋の奈良は正倉院展、そして奈良ホテル~

東大寺

絶好の行楽日和。風もなく、奈良公園を気持ちよく散策できて楽しかったです。
鹿せんべいを持っていないのに1頭の鹿に絡まれました。ブリ男の匂いでもしたのだろうか。

 

さて、2019年の正倉院展は御即位記念と銘打たれています。
参考:奈良国立博物館 御即位記念 第71回正倉院展

どの辺りが御即位記念かと思ったら

天皇陛下の御即位を記念し、正倉院宝物の成り立ちと伝来に関わる宝物や、宝庫を代表する宝物が顔を揃えることが特筆されます。

と、わかるようなわからんような説明がされていました。
一応、聖武天皇や光明皇后ゆかりの品が多めという印象はありました。昨年は被り物の一部や靴が多いな〜というカンジだったのが、今年は即位の式典に使用したであろう冠の一部や椅子などを展示。大仏会にまつわる品も多く、華やかで唐の香りがする天平文化を存分に堪能できました。
紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ)や粉地彩絵八角几(ふんじさいえのはっかくき)は本当に美しかった。眼福眼福。

目玉のひとつは鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)。教科書にも出てくるアレですね。
六扇揃って展示されるのは20年ぶりとのことで、ありがたや〜と頭が垂れる思いでした。20年後には生きていないかもしれないと思うと、まさに一期一会です。

ところで。

展示会場を出たところのショップでは図録やお土産が販売されています。
その中に正倉院展歴代のポスターの本もあって、初回から去年までのものを一気に見ることができます。

初期の頃の正倉院展のポスターってすごくオシャレなんですよ。シンプルで力強くてカッコいい。
ところが写真や印刷技術が進むにつれて、その回の目玉展示物をどーんと載せるだけのポスターになっていく。
昭和の頃は1枚1枚非常に印象的なポスターなのに、平成にもなるとどうということもない、無個性なブツ撮り写真になってしまっているんですよね。
平成になってからのポスターなんて駅とかで確実に毎年目にしているのに、どの年のポスターも「そういえばこんなポスターもあったなあ」なんて覚えているものがありません。自分が正倉院展に行った年ですら「こんなポスターだったっけ…?」と記憶にない。
しかも、目を引くために螺鈿だの蒔絵だの派手でキラキラした宝物ばかりを選んでいるから、余計に毎年似たような写真が並んでいるんですよね。

ワタシが20世紀前半のデザインがファッションでもインテリアでも好みというせいもありますが、それを差っ引いてもデザイナーは仕事しなさ過ぎだろうと思ってしまいました。
この印象の薄さが、あと30年もすると「21世紀初頭の薄っぺらいカンジが出ていていいよね」となるのかもしれませんが。

 

さて、正倉院展を見終わった後のランチタイム。

昨年は奈良ホテルに行きたいという明確なミッションがありましたが、今年はノープランでした。
そこでGoogle先生に聞いてみて気になったお店が仏蘭西料理ラ・テラスです。
早速電話してみると、混雑しているけれど何とか席を用意してくれるとのことで、奈良公園を突っ切って向かいました。

店名の通り、大きな木の下にあるテラス風の作りになっていて、とても居心地がいいです。天気のいい日にはすごく気持ちいい。

まずはアミューズから。

ラ・テラス

カリッと焼いたパンに蒸したカニが乗っています。

ラ・テラス

こちらは、一口ではなんとも表現のしようのない、絶妙な一品でした。
ビスケットの中に奈良漬やチーズ、フォアグラ、蜂蜜などが入っていて、ピスタチオがアクセントになっています。材料だけ並べると合うのかどうなのかというカンジですが、これがすごくいいバランスなんですよ。塩気と甘さが程よく絡んで、ビスケットとピスタチオの歯応えがアクセントになっている。
これは料理も期待できる! とテンションの上がる一品でした。

 

期待通りの前菜です。

ラ・テラス

花の下に隠れているのはマスの燻製。じゃがいもとチーズのソースに包まれています。

ラ・テラス

華やかでいいですねー!
手が込んでいて、目でも楽しめます。しばらくフレンチを食べていなかったので、美しさにうっとりしました。

燻製といっても上品に香る程度のスモーク加減で、マスの風味や食感を損なっていません。じゃがいもとチーズのソースの濃厚さもまたよし。

 

こちらはクロケット。

ラ・テラス

ゴボウと百合根と白子が入っているそうな。ゴボウの香りと百合根のホコホコ加減の中に、海の風味がちょいと混じるという上品なクロケットでした。

 

トリュフの香りが濃厚な泡に。

ラ・テラス

ゴボウのすり流しを注いだスープ。

ラ・テラス

これがね、めちゃくちゃ美味しかったんですよ!
トリュフってスライスしたものがどっさり乗せられていると匂いがキツ過ぎてあまり好きではないのですが、これは程よい香りでとてもいい。
そこにどっしりと力強いゴボウがプラスされて、秋の土の恵みを存分に堪能できる一品でした。
別のテーブルでこれをサーブされているとトリュフとゴボウのいい香りが漂ってきて、何とも幸せな気分です。

 

さて、いよいよ魚です。

鱈に、アサリのソース。

ラ・テラス

アサリをわざわざソースにしちゃうか!

ラ・テラス

鱈の火の通り具合が絶妙で、完全に白く固くなってしまう寸前という状態でした。ぷりっぷりで美味しいです。
そこに濃厚なアサリの旨味が凝縮したソースが絡んで、すごく美味しい。

 

お待ちかねの肉は、黒毛和牛のサーロインステーキ。

ラ・テラス

美味しくないわけがない…!

ラ・テラス

ブリ男、ごめんね、お母さんだけこんな美味しい肉を食べて…!
参考:猫と牛肉

添えてあるどんこ椎茸のファルシーがまた美味しい。こんな美味しい椎茸の肉詰め、食べたことありません。

 

デザートは洋梨のコンポート。

ラ・テラス

そしてエスプレッソに添えられた小菓子。

ラ・テラス

どれもこれも美味しかったです。満足、いや大満足。
日の光が入って、撮影がしやすいのもよかった。美味しそうな写真が撮れて、これまた満足です。

 

いいお店だなあと思っていたら、2017年のミシュランガイドに掲載されていたんですね。納得の美味しさとサービスでした。
奈良観光の際にオススメのレストランです。
また行きたいけれど、また正倉院展のときに行ったら秋のメニューばかり楽しむことになってしまうなあ。

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

4 thoughts on “正倉院展の後に素敵なフレンチ料理 ~La Terrasse (ラ・テラス)~”

  1. 正倉院展、いいですねー
    その時期いろいろ用事があって、毎年行けずじまいです。
    夏前に奈良へ行ったのですが、その際、オープンテラスでググってラ・テラスを知りました。
    素敵!行ってみたーいと思っていたのですが、天気予報が雨だったのと、お値段で諦めてしまったんです。
    りんむさんのお墨付きもあるし、いつか晴れて、清々しい季節にチャレンジしてみたいです。

    1. yumiサマ
      ラ・テラス、お値段はなかなかですよね。
      電話のときにちょっと怯んだのですが、ほかに探すのも面倒だし…という理由でお高めランチに決めてしまうイヤな大人になりました笑
      でもお値段にも超納得!の美味しさだったので、機会があればぜひぜひ!
      たまにはフレンチもいいものだなあ〜と思いましたよ。

  2. ( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪

    あら?ご近所へようこそです!
    奈良は余りにも近すぎて、何時でも行けると思うと、中々行かないものですね。

    正倉院展…昔、遠足であったような記憶が…昔、昔の遠足…今思えば贅沢の極みですよー、ただ理解も感動すらあの当時は無かったですが…
    多分…京都、奈良の有名処は全部行ってると思います…

    最近、大人の遠足と称して、奈良、京都をゆっくり回ろうか?と思っているんですがね…日本人以上に海外の人が多くて億劫になります

    ほぉー!美味しそうなお店行って来たんですね〜!
    奈良に美味い物、無しなんて言葉あるんですが、(ΦωΦ)フフフ…
    ググって見たけど、中々凄いお店見つけられたんですね〜
    うう…お気軽には行けそうにないですが、美味しいもの探す嗅覚、素晴らしいわぁ

    1. まだむサマ
      正倉院展が学校行事で行けちゃうなんて、よその地方から見たら垂涎ものですよ〜。
      愛知だとトヨタの工場見学ですもん笑 それはそれで面白いけど…。

      奈良も外国人が増えましたねえ。
      鹿せんべいを買って、鹿に絡まれてきゃーきゃーやってるのは、大半が外国人という印象でした。
      街中であれだけ鹿と戯れられるというのは、やはり珍しいんでしょうね。

      ランチ、我ながらいい嗅覚を発揮しました!
      といってもGoogleの写真頼みですが笑
      公園の緑を眺めながら美味しいフレンチ、なかなか素敵でしたよ!

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