すっかり秋の恒例行事となりました正倉院展。
第75回正倉院展
今年も行ってきました!
参考:秋の奈良、正倉院展で目を、フレンチのFAON(ファン)で舌を満足させる
ここ数年、新型コロナウイルス対策のおかげで快適に観ることができましたが、5類に変わってどうなるかと戦々恐々としていたら、今年も日時指定の予約制でちょっとホッとしました。
入場だけで1時間行列とか、もう無理…。昔は疑問に思わず、よくやってたわ。
ただ、昨年までより入場者数は多くしているようで、公式ツイートで「入場開始時間直後は混むから、ちょっと時間をズラして来てね」とアナウンスされる程度には混むらしいです。
例えば14時入場で予約すると、14時45分までは入場可能です。
そっかー、それなら14時半くらいに行こうかな。
と考えていたのですが、前後のスケジュールの都合で結局14時10分頃には奈良国立博物館に着いてしまいました。
すると、確かに混んでます。近年では見なかった大行列!
さすがに昔のように行列中に本を読めるレベルで待たされはしませんでしたが、入場するのに10分15分くらいかかりました。
入場時間のチェックとチケットのもぎりが人力ですからね。これがQRコードとかで駅の改札並みにピッピッと進めばもうちょっと早くなるとは思うのですが。奈良国立博物館がここまで混むのは正倉院展の時期だけだろうし(偏見)、そこまで設備投資できないんでしょうね。
この調子では中も激混みかなあ…。
と心配したところ、さほどではありませんでした。
海外の博物館・美術館ではありえないくらいの人混みではありますが、全品人を掻き分けて見ないといけないかというとさほどでもなく、目玉の宝物でもガラスの前にへばりついてじっくり見られる程度の余裕はありました。
これまた昔は人の頭を見に来たのか宝物を見に来たのかわからんという状態だったことを思うと、今後も予約制は維持してほしいものです。
さて、正倉院展に行く前には、公式ホームページで今回の見どころを予習します。
正倉院展 主な出展宝物
これが写真だけではサイズ感がわからないものですから、毎年何かしら「えっ、これこんなに大きかったのか」「ちっさ! 想像の半分くらいのサイズ!」みたいなサイズに関するビックリがあるのですが、誰かのツイートで「今年はそういうサイズ感のビックリは少なめ」と見かけたので「へー、そうなんだー」と思っていました。
が、やはりありましたよ、サイズ感のビックリが。
最も驚いたのは、碧地金銀絵箱(へきじきんぎんえのはこ)。
何を入れたのかはっきりしないようで、正倉院の宝物にありがちな仏具だのを収める箱的な大きなモノを想像していたら、びっくりするほど小さくて「何が入るの!?」と驚いてしまいました。
もうひとつ驚いたのが、紫檀小架(したんのしょうか)。
これまた用途がよくわからないらしい。形的に衣紋掛け的なブツを想像していたら「えっ、筆掛けにもならなくない!?」という小ささで衝撃でした。多分、軽い首飾りや腕輪しか掛けられないと思う…。
今年はほかにも「こんなに小さいのか…」と驚くモノが多かったように思います。
サイズはともかく、美麗さはそりゃもう素晴らしかったです。
今年の目玉の平螺鈿背円鏡(へいらでんはいえんのきょう)は本当に美しかった。
貝や琥珀の螺鈿の隙間にトルコ石なんかが散りばめられていて、それはもう夢のような華麗さ。
このほかにも、琵琶や小刀など装飾の美しい宝物をたっぷり見られて、眼福です。
美麗な宝物以外にも、当時の公文書的な書物もなかなか見応えがあります。
活字かってくらい美しい手蹟の写経もいいんだけど、戸籍や訴状みたいな実用的な資料も面白いんですよね。
人足が逃亡したから代わりの人寄越してとか。寺の資金がないから何とかしてよとか。
芸術的な写経と違って個性溢れる筆跡で、人間味を感じます。正倉院展の楽しみの一部はこれと言っても過言ではない。
さて、今年は正倉院展のついでに興福寺の国宝館にも行ってきました。
お目当てはもちろん!
阿修羅像です!
ワタシ、これまで阿修羅像を見たことがなかったんですよね…。
奈良に来たときに国宝館が改装中だの阿修羅像はどっか行っちゃってるだのタイミングが合わなくて、半世紀近く生きてきてやっと見られて身の内が震えました。
阿修羅像の何がそんなに人を魅了するのか。
というのが疑問だったのですが、実物を見て何となくわかったような気がします。
八部衆が並べて展示されているけれど、阿修羅像だけ別格。ほかはズドンと木から彫り出しましたといった風情の、いかにも天平らしい素朴な雰囲気なのに、阿修羅像だけ六臂が丁寧に作られていて特別感があります。
憂いを帯びた美少年的な容貌も、老若男女のハートに刺さるんでしょうね。
興福寺の国宝館は、「おお、これは教科書で見たぞ」的な国宝や重要文化財が揃っていて見応えがありました。
素朴な天平、柔和な平安、豪快で写実的な鎌倉と、各時代の仏像の歴史が見られて面白かったです。
この日はとても暑く、11月だというのに夏日でした。
毎年正倉院展には「タートルネックだと暑いかな。ストールよりコートかな」と悩むのですが、今年はシャツ一枚で問題ナシ!
しかし朝夕は涼しいので上着は必要という、何とも面倒くさい気候でした。
奈良公園に行っても、昼間は暑いのか鹿がいなくてビックリしましたよ。夕方になったら芝生へわらわらと出てきて、鹿せんべいを貰っていました。
そんな暑い日だったので、おやつはサッパリ系が恋しいです。
というわけで、猿沢豆花へ。
豆花や中国茶が楽しめるお店です。
オーソドックスな豆花と、ドリンクは黒糖の風味豊かな猿沢ラテでした。
それにしても、年々歳々視力が衰えていくものですから、薄暗い博物館の中で細かい宝物を見るのがしんどくなる一方です。
毎年「あー…、今年も単眼鏡を用意するのを忘れた……」と後悔するので、来年こそ持っていけよ、と未来のワタシに忠告。
博物館内のショップではなく、展示会場内で販売してくれればいいのにね。割高でも勢いで買ってしまうと思います。
正倉院展の季節だよーーーー!
この時季のりんむさんの記事と言えば、これだよね。
画面をスクロールして「紫檀小架」の画像見たときは、
「まあなんて豪華なハンガーラック」て思ったのに、まさかのミニミニサイズ。
逆に言うと、そんなサイズなのにこれだけの装飾って贅沢だなぁ。
個人的に今年は美術館によく行った一年だったんですが、やっぱり現物見るって大事やなぁって思いました。
作品って、サイズも含めて完成されるんだなぁって改めて痛感したんですよね。
ひまわりサマ
毎年のように通っていても初見の宝物ばかりで、かつ狙っている有名どころとなかなか遭遇できないというカンジですから、正倉院恐るべしです。
やっぱりハンガーラックに見えますよね〜!
貴婦人の衣をそっと掛ける的な道具かと思いきや、華奢な象牙には何も掛けられない…とドキドキしました笑
ワシントン条約なんて影も形もない時代のモノですから、象牙や鼈甲がふんだんに使ってあって贅沢です。
実物はやっぱり観ると違いますよね。
写真でよく見た絵画でも、本物を見ると感じるものがあります。
こんばんは(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
恒例、正倉院展ですね(*^^*)
家からすぐですが…近すぎて行かない。
でも阿修羅像は、見たことあります。
あまりの小ささに驚きましたど。
鹿…いませんでした?
真夏の昼間以外は、何処にでも居るんですけどね
まだむサマ
阿修羅像、そんなに小ささは感じなかったなあ。
ほぼ等身大(古代の小柄な人サイズ)でよく作ったなーと思っていました。
鹿、真昼間は居ませんでしたね…。涼しくなってからわらわらと出てきて、どこに居たんだろうと不思議でした。
毎年この時期はカシミヤのストールがあってもいいくらいなのにシャツ1枚でOKの暑さでしたから、真夏の昼間扱いされたんでしょうね。