今のマンションに引っ越して5年余り。
参考:《入居5年》新居も5年が経ち、いろいろと思うところがあります。
前のマンションに住んだのは10年間です。
あっという間にその半分の期間を今の部屋で過ごして、時の流れの速さにしみじみしています。
と、同時に「前の部屋は10年も経たないうちに住宅ローン完済とか、よくやっとったわ」なんてことも思います。
改めて当時の書類をひっくり返して確認したら、8年くらいで完済していました。
今のマンションのローンを3年後に完済するつもりはないので、余計に「よくやっとったわ」と思いました。
四十代も半ばになり、遠過ぎて薄ぼんやりとしか見えてなかった「老後」とやらの輪郭が見えつつある今日この頃。
現在抱えている住宅ローンの返済戦略もなんとなく形になってきて、前のローン返済との違いがハッキリしてきました。
参考:家計のバランスシートから投資運用の「出口戦略」を練る!
どんどん繰上返済するのが大正義! な住宅ローン
前のマンションを買うために組んだ住宅ローンの金利は2パーセントくらいでした。
今見ると「なんて高い金利なんだ!」ってカンジですが、当時はこれでも「史上最低金利!」と謳われていたんですよ。
この「今の金利はお得ですよ!」という文句は「今から金利は上がりますよ! 今買わないと損ですよ!」という営業トークとセットです。
しかし、結局あれからズルズルと金利は下がり続けたわけですから、不動産屋や銀行の言うことを信じてはいけません。
35年固定金利だったので、当時としてもちょっとお高めの金利でしたね。
変動金利にするか固定金利にするか散々悩んで、マンション販売会社の営業パーソンに何度もシミュレーションしてもらいました。
何しろ当時は「史上最低金利! ここが底! 今から上がりますよ!」と言われていたから、金利が上がることしか考えていなかったんですよ。んで、変動金利が最悪な動きをするよりは、固定金利でどんどん繰上返済していく方がトータルの支払いは少ないと判断して決めました。
上がる上がるとビクビクしながら過ごすより、固定金利の方が精神衛生上よろしいという考えもありました。
結局は8年で完済したわけですから、固定金利より低めの変動金利で借りておけばよかったのにバーカバーカと今では思います。
当時はまだ20代の小娘で、大きな借金をするのは初めてというか、借金自体が初めてでした(クレジットカードの短期負債は除いて)。
学費は親掛かりだったので奨学金は借りず、自動車を買うときもニコニコ現金払い。
ああ、お金が足りなくて本屋でツケにしてもらったとか、財布を忘れてジュース代を一旦友人に立て替えてもらったとか、そんなんはありますけど、借用書を書いて実印をバンバン押す系の借金は初めてだったのです。
参考:小さな本屋の思い出
返済総額に恐れ慄き、なるべく支払い利息は減らそうと、頭金もがツンと入れて繰上返済もしっかりやっていこう。というのが住宅ローンに対するスタンスでした。
幸い、繰上返済のハードルが低かったので(手数料なし、返済額の制限もなし)、ローン開始初年度からボンッと繰上返済をしていきました。
そしてそれが気持ちよかったんですよ…。
何しろ元利均等返済だと最初は利息部分ばっかり払っている状態なのが、繰上返済だと元金を一気に減らすことができます。
ワタシは期間短縮型で繰上返済をしていたので、返済日がメキメキと前倒しされる償還表を見るのが楽しかったんですよね。35年が30年になった! 20年になった! てな風に。
なのでボーナスが入れば繰上返済、貯金がちょっとまとまったら繰上返済。と、ガンガン繰上返済に回していました。
当時はまだ若く、「お金が必要なら働けばいい」という非常にシンプルな考え方で、手持ちの現金があまりなくても気にしてなかったのも繰上返済に拍車をかけました。
現金がゼロっていうのはアレだけど、毎月サラリーが入ってくる会社員をやっていればそんなに困ることはありません。
なので流動性の高い資金は、いつもせいぜい生活費3カ月分くらいしか持っていませんでした。
この感覚がズルズル続いて、今のマンションを買おうとしたときに手付金をすぐに用意できず、母に泣きつく羽目になりました。それを反省し、今は流動資金をもう少し増やしています。
借金を返して利息を減らすことが最大の投資。
と、信じてどんどん繰上返済をしていったら、8年経ったときに「あれー、資産を掻き集めたら完済できるんじゃない?」というところまで元金が減少していました。
さすがに貯金ゼロになるのは怖くて迷いましたが、母が「いざとなれば貸してあげるから」と背中を押してくれたので思い切りました(まさか生活苦じゃなくてマンション買い替えに母銀行の出番が来るとは、母も娘も想像していませんでしたが)。
参考:【必読!】住宅ローンを短期間で完済するためには
ということで一旦貯金はスッカラカンになったものの、不安はなく爽快感ばかりでした。
冬の晴れた日、振込手続きを終えて銀行を出たとき、青い空を見て「これで借金はゼロ!」と笑い出しそうな気分になったのをよく覚えています。同時に貯金もゼロなんだけどね。
しかし、これまで毎月の返済や繰上返済に使っていたお金が今後は手元に残るわけですから、貯金ゼロについてはあまり心配していませんでした。
繰上返済をするのはもったいない!?
せっかくローンを完済したのに、その数年後には別のマンションを買ってまた借金を作りました。アホみたいです。ていうかアホです。
参考:マンション、買い替えちゃう!?
前のローンを組んでから10年、金利は1パーセントを切るまでに下がってました。2パーセントで「今から上がる一方」とか言っていたヤツ、出てこい。
返済総額を見ても「まあ…、この金額でこれだけ借りられるならいいんじゃないかしら」みたいな感想が出てきます。
住宅ローン減税も相変わらず使えるし、こうなったら借りられるだけ借りとこうぜ〜みたいなノリで、頭金をガッツリ入れるということはやりませんでした。
とはいえ頭金ゼロではありません。
後からファイナンシャルプランナーには「頭金入れちゃったの? もったいない。目一杯借りて還付金額増やせばよかったのに」と言われました。
参考:[FPに訊く!]住宅ローン完済のベストなタイミングと老後資金の作り方
そりゃ後からならワタシもそう言えるけど、でもローンを組んだ当時は前のマンションがまだ売れてなかったんですよ。
参考:【決定版!】マンション売却の流れ
今のマンションをフルローンにすると、月々の返済額がなかなかのボリュームになって厳しい。
何しろ数年間住宅費用なんてものはわずかな金額でしたからね。その頃は「リフォームと老後に向けて」と月々の貯蓄を増額していましたから、それをなるべく維持しながらローンを払おうとすると苦しかったのです。
んで、当分前のマンションの売却資金が入ってこなくても生活が苦しくならないように頭金をある程度入れて、月々の返済金額を軽くしたのでした。
めでたく前のマンションは売れて、今のマンションのローンを完済できるくらいの現金をゲットしました。
が、繰上返済は1円もしていません。
あれだけ繰上返済の魅力に取り憑かれ、繰上返済の鬼と化していたのに。
ひとつは、やはり金利の低さと住宅ローン減税の存在が大きいですね。
まったく繰上返済しなかったときの利息総額と、住宅ローン減税で戻ってくる総額を比べると、「あー、その程度なら借りっぱなしでもいいじゃん。団信もあるんだし」と思えるくらいには支払金額が減るんですよ。
もっとも、今回は変動金利で借りているので、金利が上がれば話は別です。なので「絶対繰上返済はしない」と決めたわけではなく、減税の恩恵をしゃぶり尽くした後に考えるというスタンスです。
繰上返済をしていないもうひとつの理由は、お金をちょっとでも増やすべく運用したいから。
小娘だった頃と違って老後が見えてきたので「このままボケーッと現金のまま持っていても仕方ないよね」と考えました。
ま、今まで投資でドッカンと増やせた経験がないので、失敗しても傷が浅い範囲で、普通口座に入れっぱなしにするよりはマシ…程度の期待値でやっています。
参考:[40代の資産形成]コロナショックの反動で投資に必要な要素を思い知る
それと、今抱えているローンを完済しても生活がラクになるわけでもない、というのも繰上返済しない理由です。
前のマンションのときは、給料が入ってくる口座からローンの支払いもしていたし、生活費も貯金も賄っていました。なのでローンが終わると、月々のキャッシュフローが途端に改善したのです。
それが今は、給与振込口座のお金は生活費と貯蓄に充て、ローン返済は別の口座を使用しています。
ローンは生活費の一部というより、前のマンションを売ったお金をちびちびと取り崩してローン返済に充てている、という感覚。
なのでローンを完済したところで生活口座の流れが変わるわけではなく、単に自分が持っているキャッシュが減るだけというカンジなので、繰上返済にあまり積極的になれないのでした。
人生は長い。でも住宅ローンを借りられる期間は短い。
参考:住宅を買うのに適した年代は? 45歳の購入がラストチャンス?!
その短い期間に、半ば趣味で2回も住宅ローンを組むとは、経済的な合理性皆無の人生を送っています。だがしかし、人は合理性だけでは生きていけないのです。
同じ人間が同じような金額のローンを組むにしても、そのときどきの状況次第で返済スタンスは大きく変わるものだなあと実感し、面白いです。
つまり住宅ローンの組み方や返済方法に絶対的な正解などないということ。
身の丈の範囲内で、自分がベストだと判断した道が、その人にとっての正解ということなんでしょうね。
私も前居はフラット35でローンを組んだので金利は高かったです。確か2.5%を超えていたような。
返しても返しても元金が減らないのが怖くなって、りんむさんと同じくせっせと繰上返済していました。
一転、今回は変動金利で組んだので低金利に驚いています。時代は変わるものですね。住宅ローン控除が使える13年間は繰上返済しないつもりですが、金利が上がったらさすがに考えます…
今回の購入で預金残高がかなり寂しくなってしまったので、これからは老後に向けて頑張って貯金しないと。運用についてはド素人なので、りんむさんを見習って勉強してみます。
sakikoサマ
まったく同じ状況で、ぶんぶんと頷いてしまいました。
今の1パーセント未満の金利からすると、当時は高かったですよね~。史上最低と言われていたのにおかしいなあ。
こんな風に状況は変わっていくから将来のことを心配し過ぎても仕方ないのかな…という気はしますが、それでもある程度は備えて穏やかに老後を迎えたいものですよね。
運用に関しては、リーマンショック前の投資を継続してやっておけばよかったのに、なんだかんだと売っ払ってしまって失敗したな~と思いました。
まさかまた日経平均株価が3万円に乗るとは想像できなかったし、これも時代ですね。
後悔はいろいろありますが、とりあえずはコツコツ継続したいと考えています。
今の金利…羨ましいと言うか笑ってしまう!
確か25年金融公庫5.5%だった記憶があります。最初の10年チョイは利息の返済ですからね。残念ながら,その頃は教育資金にせっせと払ってたのでね。( ; ; )
それに目処が付いて、、しかしその頃は利息がガクンと減り乗り換え,繰越返済。
ローン組んだ時もある程度の預貯金残したのは、教育資金とバブル崩壊後の金融機関勤務の不安から取り崩さず。
なんせ先が読めなかったからね( ; ; )
しかし、素晴らしい計画性と返済期間です!銀行から貰った返済予定表見たら目眩しましたよ。
気が滅入ると言うのか…早く身軽になりたいと切に思いました。
ローンが終わったら老後…ヾ(@°▽°@)ノあはは 高級有料老人ホームに入居する元手も無く…病気しないよう健康である事が一番のお金貯める事…嫌だ嫌だ( ; ; )
まだむサマ
ホント、1パーセント以下で大金を借りられるとかいい時代になったんですが、その分預貯金の利息はほぼゼロで給料も上がらず…。
賢く立ち回らないとお金は減る一方の時代になりました…。
ワタシの場合は教育資金がない分ラクなはずなんですけどね~。無節操に使っているものですから、なかなか貯まりません。
ホント、健康は最も重要な財産ですね!
人様の手を煩わせず、自分自身も機嫌よく過ごし、ある日ピンピンコロリというのが理想です。
それが出来れば老後資金もあんまり心配せずに済むんですけどね~。
こんにちは。
まさに、最近私がどうしようかなぁと思っている問題です。
2011年にやはり固定で借りた時は女性特典だかで、10年間は0.8%なので、「0.8%のうちにドンドン返してしまいましょう」と営業の女性に言われたものです。
1回くらい繰り上げ返済したかな。
去年、結婚を機にマンションを売って、再度購入したのですが、金利は0.4%でペアローンなんで、額も前回の半分だし、なんかいざとなれば返せるしな…って感じで、早くさっぱりするべきか否かと考えてたところです。
雑誌の記事で、今返すのと5年後に返すのでは大して効果は変わらないというのをつい2.3日前に読みました。金利を睨みながら、やはり手元にある程度の資金は置いておこうかと。少し投資にも回しつつ。なにがあるかわかりませんしね。
野ばらサマ
女性特典!
そんなのがあるんですね!
それは低い内にどんどん返さないともったいないですね〜。
繰上返済はスタートダッシュが肝心ですよね。
初年度に返したときの爽快感といったらなかったです笑
それがクセになって繰上返済しまくりました。
今みたいにある程度経っていると効果薄いと思うと、あんまりヤル気出ないです。
歳を取ると、手元にある程度の現金は必要ですね。
体力と時間は偉大な資産だったんだなあ…と思い知りました。