中古マンション漁り、ゆるゆるダラダラと続けています。
参考:築40年、フルリノベーション済みの中古マンションの共通点#1
新築中古をあれこれ見て、
- 新築マンションは高過ぎてもう買えぬ。
- リノベーション済みの物件は「もうちょっとここがこうだったらなー」と思うので買えぬ。
- 何だかんだと今の街と部屋が気に入っているので、よほどのことがなければ引っ越さぬ。
ということは学習しているのですが、検索して気になる物件を見つけたら見に行ってしまいます。もうビョーキです。
今回見に行った物件は、ワタシよりちょっと若いかも、という程度の古いマンションでした。
何が気になったかというと、安かったんですよね…!
昨今の新築マンションの値上がりっぷりに慄き、最近内見した中古もリノベーション済みで高額、というのが続いていたものですから広さの割に安くてビビったのでした。
しかもリノベーション済みです。
リノベーション済みいうても、キッチンだの洗面台だのトイレだの水回りの設備を入れ替えてー、壁紙をほぼすべて(全室ではない)貼り替えてー、床はタイルを上から貼りました。的ななんちゃってリノベーションなので、費用はさほどかかっていないのでしょう。
古い建物でなんちゃってリノベーションは、ねえ…。できれば交換可能な配管とか全部入れ替えてほしいんだけどなあ…。この金額だと、そんなことやってないよねえ…。
ということが気になって「ないわー」という部屋だったのですが、値段が安いのに100平米を超えているんですよ。
ワタシ的には通勤がちょっと便利になる立地だし、周囲の環境からして日当たりも良さそう。
一度くらいなんちゃってリノベーションがどれほどダメかこの目で見るのも勉強じゃないかしら。と言い訳をしながら内見を申し込んだのでした。
さて、当日。
不動産屋の営業マンと待ち合わせた時間の少し前にマンションのエントランスに着くと、誰もいませんでした。
今まで新築中古・マンション戸建てに限らず、内見の予約をして当日予定時間の少し前に現地に行ってみると営業マンが既に待っていたのに。
これは新しいパターンだな。と、ちょっと新鮮でした。
ま、予約時間まで数分あるし。ということで待つ間にエントランス周りをじっくり観察できたのですが、この時点で「…あれ?」と思うことがありました。
マンションの管理自体はちゃんとされている風なんですよ。
駐車場や駐輪場は荒れているカンジはしないし、建物は古いけど掃除は行き届いている雰囲気だし、後から無理矢理設置したであろう宅配ボックスでアップデートする意識は感じられるし。
なのですが、エントランスの植栽部分に「…誰の趣味?」みたいな置物がいろいろ置いてありまして…。
いろいろあってもセンスよく統一されていればともかく、ちょいと不気味な小人もいれば。
んで、植栽を無視して和洋の鉢植えがズラズラと並んでいるものですから、「大丈夫かしら、このマンション…」となったのでした。
この雰囲気は何かに似ている…。そうだ、あれはオーナーさんが最上階に住んでいるマンションを借りていたとき、エントランス周りにオーナーさんの趣味の鉢植えやガラクタが次々に増えていって、田舎のじーさんちみたいな雰囲気になったっけ…。
なんてことをぼんやり思い出しながら独特の雰囲気のエントランスを眺めている間に、住人らしき人が何人かワタシの前を通りました。
そしてそれが皆さんご高齢の方で。ワタシの母くらい、いやもっと年上っぽい、手を貸しましょうか? と言いたくなるような足取りの方でして。
マンション新築時に買ってそのまま住み続けている方々なんだろうなあ。何かあったときに大丈夫なのかしら。と心配になりました。
そうこうしているうちに時間から少し遅れた営業マンが現れ、部屋に向かうべくエレベータに乗り込みました。
エレベータのメンテナンスもちゃんとされているようで、冷房の効いたこざっぱりした空間です。
エレベータ内の貼り紙をふと見ると「ベランダから物を投げないでください」という注意書きがありました。
…ベランダから、物???
今まで住んだマンションで「生活音に気をつけてください」「ベランダでの喫煙は禁止です」「ペットを戸外に連れ出すときは、必ずキャリーバッグに入れるか抱っこしてください」なんて注意書きは見たことはありますが、物を投げないでくださいというのは初めて見ました。
大丈夫なのかしら、このマンション…。とドキドキしながら部屋に辿り着いたのでした。
扉を開けると、さすが広い部屋なだけあって玄関も広々としています。
床は、元の床の上からペタッと貼ったフローリング風のタイルとのことでしたが、意外と気になりませんでした。
そりゃまあ無垢材のフローリングと比べたら残念感はあるけど、今住んでいる部屋も残念な床なので、そこまでは。
壁紙も全部貼り替えたわけではないようですけど、目につくところはきちんとキレイにしてありました。
そして、建具も総取り替えではないとのことだったのでどうなっているのかと思いきや、古いドアが雰囲気がよくて素敵でした。
丸い真鍮のドアノブがレトロで、ドアもペンキで塗装してあって、なんとも味があります。
一部は新しいドアに入れ替えてあって、そりゃそっちの方が軽くてドアノブも扱いがラクなんだろうけど、安っぽくてペラッとしたカンジは否めません。
あー、いいねえ。せっかくいい雰囲気のドアが残っているなら再利用できた方がいいよねえ。と、キュンとしました。
100平米もあると広さとしては充分過ぎるほど広くて、ワタシの服とバッグが倍に膨らんでも問題なく収納できそうです。
主寝室もダブルベッドをのびのびと置ける広さがあるし、キッチンもゆったりしています。
が、不思議だったのが、平米数の割には浴室と洗面所がかなり狭いことでした。
今のワタシの部屋も浴室は1317サイズと小さめですが、この物件は1216と更に狭い。
洗面所も、ドアを開けたまま洗顔で腰を屈めたらぶつかるんじゃないかな…てくらい狭い。
ひと部屋潰してでも浴室・洗面所はもっとゆったり取った方が快適なんじゃないかしら。
オマケに、浴室は換気扇だけでした。
浴室乾燥暖房機はつけられないのかと営業マンに訪ねると「つけられる物件ならウチの会社はつけているはずなので、つけられないんでしょうね」とのこと。
洗濯物は浴室で干す派なので、浴室乾燥機がないとかなりダメージがデカいです。ベランダの日当たりがいいマンションだからみんな外干ししてるんだろうけど、もう生活習慣が外干しとは大きく乖離しているので無理無理。
そして真冬の入浴時に暖房が使えないってのも無理無理~。
というわけで「安いし広いけど、これはないなあ」と退散したのでした。
帰る間際、玄関外の共用廊下からキュキュキュキュッと大きな音が聞こえてきました。
恐らく同じフロアの誰かが歩くなり荷物を運ぶなりしていたのだと思いますが、どうしたらそんなに大きな音を立てられるのかとビックリするほどの音でした。
今のマンションだと、扉の前を管理人さんが掃除していても気づかないくらいの防音性なので、これに慣れた後だと古い建具はなかなか厳しいものがありますね。