おひとりさまの食生活 ~朝食および弁当編~

おひとりさまの朝は早い。
朝4時にはiPhoneのアラームが鳴る。
当然カーテンの外は真っ暗だ。夏至の日だってようやく空が白み出したというところだろうか。

朝食

だが私は起きる。
旨い朝食と弁当を作るという重要なミッションがあるからだ。

まずやることは、冷凍庫から2膳分の冷凍ご飯を取り出し、レンジにかけること。
たまにはストウブで炊飯もするが、毎日ではない。炊飯器でまとめて炊いて冷凍しておくことも多い。その方が味は落ちるが、手間はない。
いくら旨い米が食えるからといって、無理にストウブに縛られることはない。だってそうだろう? おひとりさまの生活はハードだ。利用できるものは何でも使う。孤高の生き物にはそんな覚悟も必要だ。

レンジがご飯を温めている間、私は味噌汁を作るというミッションに取り掛かる。
長年のおひとりさま生活で会得したことは、豆腐の味噌汁は腹持ちがいいということだ。だから私はほぼ毎日豆腐の味噌汁を作る。
合わせる具は何でもいい。ワカメやネギ、下茹でした根菜があればそれも入れる。
肝要なのは、何でもブチ込むということだ。
これはお上品な懐石料理じゃない。そんなものは犬のエサにでもしておけ。おひとりさまの食で重要視すべきは、いかに少ない手間で多くの栄養素を網羅するかということだ。
どんな具材でもそこそこいい塩梅にまとめちまう、味噌。これを使わない手はないだろう? 味噌汁はチャンスだ。チャンスを最大限に活かしてこそ、真のおひとりさまだ。

味噌汁と並行してやらなくてはいけないのは、弁当のおかず作りだ。
しかし、プロのおひとりさまたる私は慌てない。なぜなら前夜に材料は刻んであるからだ。日頃から周到な準備をしてこそ、いざというときに俊敏に動ける。おひとりさまとして生きていくには必要なスキルだ。
朝4時台のおひとりさまがやらねばならんことは、耐熱ボウルに食材を入れ——これは何でもいい。キャベツでもタマネギでもピーマンでも豚コマでもとにかく入れ、醤油麹を和える。
いいタイミングでレンジが鳴る。ご飯のあたためが完了した。
それと入れ替えるようにして耐熱ボウルをレンジに入れる。1分半から2分ほど加熱。
ここでレンジに冷たくしないのが、できるおひとりさまだ。レンジも万能じゃない。名もない料理を作れというのは、酷な話だ。私だって生まれたときから真のおひとりさまだったわけではない。多くの経験を積み、Googleという偉大な先人の知恵を借りてきた。
だから私はレンジの様子をこまめに見て、ときどきはボウルを取り出してかき混ぜてやる。こうすることでムラなく加熱でき、旨い弁当にありつけるって算段だ。

この辺りで味噌汁作りも目処が立つ。次は卵焼きだ。
私は甘い卵焼きを好まない。いや、むしろ憎んでいるといっていい。あの存在が許されるのは鮨屋だけで、ほかでは殲滅していいとすら思っている。
だから私は白だしを少し混ぜただけの、スッキリとした卵焼きを作る。余裕があれば海苔を巻く。黄色と黒のツートンカラーが織りなす弁当箱内の癒しだ。

ご飯におかず、卵焼きを詰めても弁当箱に隙間ができるって?
そいつはよくない。隙間のある弁当は、淋しいだけじゃない。運搬中に偏って惨劇を引き起こす。
そこで、だ。
私はミニトマトを使う。
考えてもみろ。あんなに鮮やかに赤い食材なんて赤パプリカくらいのもんだろう?
たまたま冷蔵庫にパプリカのマリネが残っていれば、そいつを使うって手もある。だがいつも私がマリネを用意できているとは限らない。
そんなときでもミニトマトは必ず、ある。
彩りはいいし栄養豊富だし、そのうえ旨いときてる。こいつを利用しない手はない。

これで弁当はパーフェクトだ。
おめでとう、私。偉大なるおひとりさまよ。

あとは鍋に味噌を溶き、納豆や佃煮を添えれば朝食も完璧だ。
なんて素晴らしい朝なんだろう!

***

おやつと夕食もこの調子で書くつもりだったけど、案外長くなったのでとりあえずここまで。

おひとりさまの食生活 ~朝食再び編~

炊飯器もいいけど、やっぱりストウブもいいよ。
美味しいご飯のためのストウブ・ココットGOHAN

投稿者:

りんむじんづ

20代で購入したマンションは、無事にローンを完済したかと思ったら売り払い、30代でまたまたマンションを買いました。好物はマンションの間取り図。旅とグルメにも目がありません。ブリティッシュショートヘアの男子(ブリ男)との同居を始め、ますます極楽な生活を送っています。

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